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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「プリズナーズ」
ダノも色んな作品で様々なキャラを演じてくれる人ですが、今回ほど気の毒に思った役はない(笑)。でも彼のキャリアには、今後燦然と輝く役柄だと思います。ジャックマンは、今回演技的には普通かな?でも好漢のイメージが定着しつつある彼が挑んだ新境地としては、評価に値すると思います。ハワードの小心な善人ぶり、ベロの一心に子を案じ夫を心底信頼する妻ぶり、優しさが豹変する過程で、人の心の恐ろしさを的確に表していたデイビスも良かったです。
アレックスの叔母役でメリッサ・レオ。今回おばさんを通り越しお婆ちゃんのような容姿です。これも物語の攪乱の一つだったのかと、今思っています。
「彼は善い人よ」と、ケラーの妻グレイスは言います。恐ろしい一面を見せたナンシーとて、本来は良き妻・母であるはず。ケラーが盲目的・狂信的に家族を守ろうとする姿は、実の父が自殺していた事が起因しているのだと思います。自殺もまた、キリスト教では大罪です。神に見放された人生を送りたくないと、懸命に家族を守ろうとしたであろうケラー。人間は多面性があるもの。罪を犯しても子供を一心に探す姿は、愛なのか執着なのか?信仰心を持っても、いつも善き心で生きる事は難しいのだと痛感します。このまま罰を受け、ケラーは地獄に落ちるのか?と思っていた時に聞こえたもの。罪深さは子への愛だと、神は赦してくれたのかも知れません。そう思えるラストが、罪深き人々も、いつかは必ず救われる日が来るのだと、示唆しているように感じ、救われました。
05月12日(月)
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