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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ネブラスカ」
父は何故家族に猛反対されても、100万ドルに拘ったのか?私には意外な真意ではありませんでしたけど、紹介ではちょっと伏せてますね。ちなみにこの映画をかいつまんで夫に話して、どうしてだと思う?と聞くと、一発で当てました。これも親の業みたいなもんかな?特に父親には。
当たってもいないクジに、他人までが狂乱する様子も、人の本能的な欲を浮き彫りにして秀逸。老いた父に最後に花を持たせたのは、お金ではなく息子の父への愛情だったと言う落としどころは、押し付けがましさは全くないのに、素直に家族とはいいもんだと、しみじみと泣けてきました。
オスカー取れなかったけど、ダーンのまだらボケ演技は最高にチャーミング。時々昔の頑固親父に戻るタイミングも絶妙で、大いに楽しませて貰いました。ジューン・スキップの肝っ玉母さんぶりも最高です。彼女もオスカー逃しましたが、私はニョンゴよりスキップの方が断然良かったです。スキップはどこかで観たなぁと思ってましたが、ペインの「アバウト・シュミット」で、夫に先立ち、夫役のニコルソンを大層悲しました人です。あのニコルソンが妻を懐かしむあまり、妻の使っていたコールドクリームを顔に塗りたくり「妻に会いたい・・・」と泣かせた人ですもの、若い時町中の男が、ブルマの中を狙ったのも当然ですって(笑)。フォーテはこの作品で初めて観ましたが、そのせいか役柄のデイビッドと同化して観てしまい、とても好感が持てました。
気弱で優しい好青年デイビッドは、散々迷惑かけられたのに、「僕も父さんと旅して楽しかったよ」と言いました。今更親に社交辞令を言っても仕方なし、彼の本心だと思います。親を見つめる事は、自分を見つめ直す事でもあります。彼がこの旅で得たのは、多分勇気と愛情の本質を知った事。家に戻って、元カノにプロポーズすると、期待したいです。
豪華さは微塵もなく、出演者から演出まで地味なのに、この心豊かさは何なのだろう?と言うくらい、素敵な作品。邦画でもこういう作品を期待したいな。ペイン監督、万歳!
03月18日(火)
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