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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ヒステリア」
私が戦慄したのは、当時の気が強かったり、反体制的であったりする女性は、裁判にかけられて「病名・ヒステリー」と判定されると、そのヒステリーの根源であるとされる子宮が、強制的に摘出される事でした。そして判定するのは全て男性。私は「女は子宮でものを考える」と言う思考が大嫌いですが、その根底には、このような女性性への蹂躙があるのだと感じました。女の人も、この言葉が好きな人いますよねぇ。私は友だちになりたくないわ。
マギーは良い女優さんだと思っていましたが、今回は出色の存在感!シャーロットは気が強く、人としての未熟さも感じさせながら、スケールの大きな女性像を輝くように演じていました。ダンシーは時代から半歩進んだ思考を持つモーティマーを、小ぶりながらこちらも好演でした。フェリシティは愛らしいエミリーの善良な無知さと、自我に目覚めかける様子を素直に演じて、好感が持てます。そして私が大好きなエヴェレット!何か久しぶりで当たりな役を観た気がします。モーティマーのパトロンとして、気を使わせない大らかさと変人ぶりが、上手に共存していました。
はてさて、最後はどうなるのか?私が感激した人しての対等感が炸裂して、とても素敵なエンディングでした。女性の地位向上には、良識ある男性の存在は欠かせぬものですよね。男性にも観やすく作っており、賢い作りだと感じました。
エンディングでは、電動バイブレーターの歴史が映され、開発当時から現在までの様々な器具が映されます。ワタクシ、幸か不幸か、この手のモノは手にした事がございませんので、とても興味深く観ました(笑)。冒頭で「この作品は史実を元に作った作品です」の直後、ダメ押しみたいに「事実です」と出るのですね。愛らしくユーモラスな小品を装いながら、ズシンと深く思考や想起もできる作品です。ウェクスラー監督の次作に、とても期待します。
05月19日(日)
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