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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「天使の分け前」
なので、お酒如きにこんな大金払う酔狂な輩からは、ちょっと失敬してもいいじゃん的な発想でしょうか?私はそれは絶対違うと思う。お金持ちからだから盗んでいいなんて発想、卑屈過ぎます。酔狂なお金持ちから詐取したかったら、もっと正々堂々とした方法で詐取して欲しかったです。それにお金持ちと言っても、色々。レオニーの父親のように、血の滲む思いで成り上がった人かも知れません。そういえば、ロビーの暴力事件の相手も、何自由ない裕福な家庭の息子のように描かれていました。
この金持ち=被害者でも甘んじろ的描き方は、私はどうしても受け入れ難いです。これからのイギリス階級社会の突破口は窃盗です、と言いたいのですか?違うでしょう?その大金を手に、レオニーと息子と再出発する希望に満ちた姿が言いたかったはず。でもそのきっかけが盗みだなんて、父親として胸を張って息子に言えますか?ロビーが更生したかった理由は、息子のはず。私は自分の拭えなかった過去は、必ず周囲に因果をもたらすと思っているので、釈然としませんでした。
どうしてこれが後味爽やかなハッピーエンドかなぁ。モーは盗癖があるし、「盗むのが我慢出来なかった」とセリフに出るので、お金があってもまたやりますよ。アルバートも完全にアルコール依存症予備軍。この金でお酒を飲もうって、ダメじゃん。ライノも、常に監視されている警官がいると描かれています。あまり利口そうじゃない彼、多分急に羽振りが良くなって、詰問されるはず。私でもこれくらい危惧出来るのに、監督はもしかして、その顛末まで考えて、一瞬の夢を与えたのでしょうか?それではあまりに彼らが可哀想だと思います。私には苦過ぎるエンドでした。
04月21日(日)
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