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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「マリリン 7日間の恋」
舞台と映画での演技の違いや、老いがストレートに映るスクリーンへの恐怖も感じました。ブラナーの滑稽な厚化粧は、当時はちきれそうなマリリンの若さと対比させるため(30歳だけど)、わざとなのでしょう。
この作品はスキャンダラスな官能性を持つ作品ではなく、美しくて儚げなお話と感じるのは、マリリンとコリンがプラトニックだったから。いや本当はどうだかわかりませんよ。でも当時彼女はミラー夫人。一時でも愛した女性を、貶めんとする事を避けたのなら立派な事だし、本当にプラトニックだとして、あの若さで礼節をわきまえられたのなら、尚立派です。思い出は美化しがちなものですが、この作品のように品性を感じさせるのなら、大歓迎です。
しかし美しすぎて、ちと不満も。デイムの称号を賜るシビル・ソーンダイク(ジュディ・デンチ)が、器の大きさを感じさせる大女優と描くのは良いのですが、ヴィヴィアン・リー役がジュリア・オーモンドとは、小物過ぎやしませんか?ヴィヴィアンは礼節を重んじる中に、マリリンへの嫉妬も表現されていますが、彼女も当時絶賛精神病患者のはず。あんなに静静と接せられたのかしら?病気が原因でオリヴィエと別れています。(なので「彼は私を捨てないわ」のセリフが痛々しい)リーの造形には、ちょっと疑問があります。リーの部分は、省いても良かったかな?
エディは、繊細な若いジェントルマンを演じて、すこぶる良かったです。日本じゃブレイク未満ですが、私はずっと期待している俳優なので、これでブレイクしたらいいな。第二のオリヴィエと言われているブラナーがオリヴィエ役なのも、楽屋落ち的で面白い。エマ・ワトソンは、「ハリポタ」以外で初めての映画でしょうか?彼女が演じるには等身大の女性でしたが、軽い役どころでした。これは役の重さより、ブラナーやデンチと言う、英国映画界の重鎮と共演させることに意義があると、周りが踏んだのかな?出演順が、ラストのデンチの一つ前でびっくりでした。
と言う風に、ミシェルの演技以外にも見どころがたくさん!マリリンへの敬意と愛がいっぱい詰まった作品です。マリリンを知らないお若い方から映画好きさんまで、幅広くお薦めします。
03月29日(木)
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