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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「昼下がり、ローマの恋」
だから!その決意を翻させるのは、ザ・イタリアの宝石モニカ・ベルッチくらいの美女でなければ。47歳にして美貌に一切陰りのないモニカも、ロバートの前では少女のように愛らしいのですね。昨今年の差婚が流行りですが、過去に傷のある女性を包み込むには、エイドリアンくらいの年輪が必要ではないかと思うのです。あれやこれや絶対絶命の出来事をくぐり抜け、過ぎてしまえば、人生に四面楚歌はないと思えるには、年齢が必要なのです。「私は追いかけられる値打ちのある女じゃないわ」「この新しい心臓が、君を愛すると決めた」「毎朝目覚めたとき、この顔を一番最初に見たい」。ぐっとくる素敵なセリフでした。
そんなエイドリアンに、神様はとても素敵なプレゼントをしてくれます。人並みの経験はそれなりにしているはずの彼の、初めての経験です。人生老いても何があるか、わかりませんぞ。このまま老いて行くはずだったエイドリアンの心に、生きる希望を沸かせたのは「恋」でありました。三話の中で一番好きです。
全てのお話が、年齢相応の哀歓に満ちています。しかし哀愁はあれども、どれも湿っぽさはなく、どんなピンチも笑いに変えてしまう明るさには、ほとほと感心しました。食べて飲んで恋をして、どれも人生を豊かにすることなんだと実感出来ます。映画友達の方が教えてくれた、「観たあと幸せな気分になる」を、読んで下さった方に贈ります。
03月23日(金)
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