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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「最高の人生をあなたと」
冷静な妹は、母がかつては暑苦しい家族主義者で、「ママもパパの自由を奪った」と冷静に分析しながら、両親の不仲を心配し、「私もたまにはママの世話を焼きたいのよ」と言う場面では、思わずスクリーンに手を伸ばして、私もこの子を抱きしめたくなりました。末っ子は「パパもママも大人なんだから任せたら」とクールを装いながら、実は修復に虎視眈々。三人三様ながら、どうしても親の離婚は避けたい子供たちの姿に、彼らの育った家庭は、さぞ温かく幸せだったのだろうと感じさせます。これは夫婦二人で頑張った結果ですね。決してどちらかではなく。
そんな良き家庭を築いた夫婦でも、ちょっとした諍いから危機が訪れるのですから、夫婦とは難儀ですよね。しかしそれを救ったのは、やっぱり家族の祖母でした。自分たちが築いたと思っている夫婦の絆は、子供や親にも、しっかり支えられて成り立っているんだなぁ。親子、夫婦でも、立場は年月によって、くるくる入れ替わるんだと、改めて感慨深かったです。
「ブルー・ベルベット」の退廃的でミステリアスな美しさが印象深いロッセリーニは、今回まんまるの可愛いおばちゃんでした。ランコムのイメージヒロインとしても長く活躍していましたが、美女だった昔を全く引きづらない怪演で、今回は楽しませてもらいました。若い男はさすがに無理でも、60以上なら、まだまだ全く問題なく落とせますよ!
離婚した長女が「パパとママは30年も夫婦なんてすごいわ。秘訣は何なの?」と尋ねると、「ずっとパパを愛しているのよ」と答えるメアリー。うちも結婚30年目ですが、このメアリーの返事には激しく同意です。最近は「人の人生は平等やからな、私は今まで苦労した分、これから楽できるけど、あんたは苦労ばっかりやで」とか「あんたにかけられた苦労を思うと、子供にかけられた苦労なんか、何でもないわ」と、日々夫を虐めているワタクシですが、これも古女房の味わいと、我慢してもらいましょう。
03月11日(日)
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