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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「50/50 フィフティ・フィフティ」
ずっと自分を自制していたアダムが、感情を爆発させる手術前。告知されても実感は薄いのです。しかし心の底に黒く重い澱が常にあるのも事実。その相手がカイルです。無神経で無頓着に見えた彼が、本当はどんなに心配していたかがわかるシーンがさりげなくて良いです。月並みですが友情の麗しさを感じます。
ユーモラスに闘病の様子を描きながらも、要所に死を滲まなせながら、お話は水彩画の如く淡々と進みます。演出の強弱が上手く、何気ない励ましや母の涙、様々なアダムの感情が表現されると、本当に平凡な演出なのに、とても胸に染みます。これはあれですよ、名選手は何気なく難しい球を捕球するので、ファインプレーに思えないって言うでしょ?どんな手を掛けた演出よりも、素晴らしい効果がありました。
レヴィットはこれが必ず代表作になるはず。隣にいる好青年の日常を演じながら、彼の俳優としての才能を充分に発揮しています。ローゲンは実際にもライザーの友人だそうで、それほど気になる俳優じゃなかったですけど、とても好きになりました。アナは抜けてる新米キャリア女性をさせれば、天下一品です。ヒューストンは、彼女が演じたので、役柄以上に猛母に感じたのかな?ならキャスティングは大成功です。
アダムの50/50はどうなったのか?このコップには水が半分しかないと焦るより、まだ半分もあるのだと思う方が、ガンに打ち勝つ一つの意識なんだと思います。
12月05日(月)
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