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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ザ・ファイター」
ウォルバーグは割を食って影薄いと聞いていましたが、元々ミッキーの役は家族の中でも存在感が薄いです。なのでこれくらいの薄口でOKかと。それより本当はベイルより四つ年上なのに、ちゃんと弟に見えたことに驚愕。私はボクシングはわかりませんが、実際にリングに立って打ち合いもしており、きちんとボクサーに見えました。それも含めて花丸の演技だったと思います。

いつも愛らしく清潔なアダムスが、気の強い安酒場のお姉ちゃん役なんてと興味津々でしたが、無難にこなしています。知らず知らずに挫折した自分の青春を恋人に重ねて、夢を抱いている女性です。それは自己満足なのですが、「あなたのためよ」という気持ちは真実なので始末が悪い。その思い込みは、母アリスそっくりなんだなぁ。中途半端にふくよかところが、何となく今までの荒んだ生活を感じさせて、妙にリアリティがありました。増量したのかしら?でも正直言うと、この手の役は彼女には似合わないと思います。

気の弱いミッキーの父親が一大決心して息子の盾になったり、義理の息子のディッキーがドラッグの溜まり場に行くのを止める様子など、このお父さんの姿は、自己主張の強すぎる登場人物の中、毒下し的存在で素敵でした。爽やかに感じるのは、お父さんのグッジョブのお蔭かも?

ラストの試合は、私は史実を知らないのでとってもハラハラ。シャーリーンを含めて、家族一丸となってミッキーを応援する姿はとても健全で、やはり家族の絆は断ち切るべきではないと感じました。俳優の演技合戦が楽しめる、ボクシングをモチーフにしたホームドラマの秀作でした。

04月12日(火)
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