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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ジーン・ワルツ」
そして代理母の遺伝子上の母親と父親が判った時の理恵と清川の「決心」には、とうとうワタクシ噴火。「あの代理出産の証拠なんかないわ。あれはなかったことよ!」だと?お前らそれでも医者か?医者が自分の私欲「だけ」で動いていいのか?そんなことしたら、世の中大変なことになるぞ。「医者だって普通に人間だ」という理恵のセリフがありますが、ごもっとも。それは全面的に肯定します。でもな、子供が出来なくて悩んでいる女性は、世界中にいっぱいいるんだぞ。お前だけが辛いのかよ?医師の倫理上、やってはいけないことをしまくっているのに、まるで葛藤がなく「俺様」(女医ですけど)なのも信じらんない。

私は顕微鏡受精には反対です。やはり生命の誕生に人間の手が加わることには疑問があるからです。しかし「どうしても夫と私の子が欲しかった」という向井亜希の涙。遺伝子上では母親ではないが、そのことについてどう思か?と問われた時、「ものすごい葛藤があった。しかし日に日に私のお腹で育つこの子の母親は私だ」と言い切った野田聖子の、その言葉の奥のそれまでの壮絶な苦悩に思いを馳せると、簡単に子供が授かった私の意見など、簡単に寄り切られてしまうのです。さまざまな意見がある中、好奇や攻撃的な目にも晒される彼女たち。今も戦っているでしょう。

あぁそれなのに、この産科医は!「なかったこと」だとぉ!この描き方、懸命に頑張っている産科医への冒涜です。

赤ちゃんの笑顔より素晴らしかったのは、老醜を晒した浅丘ルリ子。病み衰えた設定とはいえ、厚化粧から怖いくらいの妖気が漂っています。実際、彼女の年齢(70前後)の女優さん達でも、美しく老いている人はいっぱいます。彼女だって、テレビで時たま見かけるときは、美しい熟年女性です。それを死期が迫っている役柄に合わせ、老いの醜さを表現するのも厭わなかったのでしょう。この大女優がと思うと、素直に感動しました。

本当はネタバレにして、徹底的に書きたかったけど、そうすると観てもらえないのでしょ?この怒りを分かち合える方、掲示板でお待ちしています。

02月17日(木)
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