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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「スプライス」
そして予想通りの成り行きに。確かにインモラルの極みですが、私は自然な流れと受け止めました。ワタクシ「スピーシーズ」でも、マイケル・マドセンが好きなシルの切ない思いに同情したり、どーもバケモノに感情移入するきらいがあります。「やっていいことと悪いことがあるわ!」と、お前が言うなの好き勝手し放題のエルサより、寂しい我が身を猫に重ねたり、クリリンのような頭にティアラを飾っても、似合わない自分に哀しみを覚えるドレン切なさの方が、私にはポイント高し。エルサなんかより、よっぽどまし。こんなヨメもっちゃあね、亭主だってね、(以下ネタばれのため省略)。(こんな感想を持つ時点で私もかなり変。)
と、まずまず面白いのですが、キーポイントにエルサが昔実母に虐待された過去を持つというのを持ってきているのです。ここが描きこみ不足。従順な時は猫可愛がりするのに、ちょっと反抗されれば激怒、虐待まがいのことまでするエルサ。実母の気質を受け継いでいるような描き方ですが、葛藤が薄いです。彼女が何故この実験に執着を燃やしたか、クライブにより説明をさせますが、そうじゃなくて、過去をフラッシュバックさせるとか、エルサに重点を置いて行間を深く描くとか、もう一工夫欲しかったです。他に「人間外」の自分に対してのドレンの怒りや葛藤も掘り下げて欲しかったな。ここで描きこんでいたら、伝説のカルト映画になったと思います。
それをしないならば、もっと血みどろにしなきゃ。ジンジャーとフレッドのなれの果てには、おぉ!なかなかやるわいと思いましたが、それ以降殺戮描写はぐっと少な目。野兎を食べるドレンの姿には期待できたんだけどなぁ。
とっても「ローズマリーの赤ちゃん」なラストは、私はto be continuedと見たけど、どう〜かな?しかし今回の一番の収穫はエイドリアン・ブロディ。最近怪優街道まっしぐらのオスカー俳優ですが、私にとっては別にどうということもない俳優。しかしこの作品ではツボに入りまくりで、初めて萌えてしまいました。何故うっとりしたかと言うとだね、優しく誠実で優柔不断。しかし決死の時には腐っても男の意地を見せるインテリ男です。もう私の趣味にぴったり。冬の寒空に上半身裸の情けない姿で妻を追いかけるなんて、素敵過ぎて涙なくして観られません。ドレンちゃんの抜群のキモカワさと並んで、観て良かったわ〜と思わせてくれました。
ということで、キワモノホラーとしては、私には少々パンチ不足でした。あぁ〜、トラウマになるような作品に巡り合いたい・・・。
02月02日(水)
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