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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「フォロー・ミー」(午前十時の映画祭)
全てがわかった後漏らす、「私は夫の人生を汚してしまった・・・」というベリンダの言葉に、私は涙が出て出て。ベリンダは玉の輿を狙ったわけではなく、憧れや尊敬出来る人が、たまたま裕福だっただけのこと。彼女は幼稚で未熟な行動も多く、夫には恥をかかせることも多かったでしょう。反省しているのです。しかし常に周囲から浮き上がり見下されて、人として自尊心が保てるでしょうか?そしてその周囲の中に、夫の目線も感じたならば、本当にやり切れないでしょう。でも愛しているんだなぁと、しみじみ感じさせる言葉です。愛していても決して卑屈になりたくない、自分に欠点がいっぱいでも、対等である。それは男女ではとてもとても大切な事だと、私は思います。
とにかくミア・ファローが可愛過ぎ!当時はゴージャスな美人女優がいっぱいいて、彼女のか細いスタイルにファニーフェイスは、ヒロインとしては異質だったと思いますが、本当に妖精のような透明感と新鮮さだなと、改めて感心しました。私は彼女の「カイロの紫のバラ」も大好きですが、年齢はいってましたが、この作品の延長線上のようなヒロインです。
ジェイスンはこの作品しか観た事がありませんが、久しぶりに観ると、中々好演だったです。周囲のスノッブなセレブ達達とも、そこはかとなく違いがあったし、一度も新妻を侮辱する言葉もなかったし、その辺もこの作品に上品さを感じさせる一因になっていると思います。
そしてトポル!この人も大昔テレビで観た「屋根の上のヴィオリン弾き」とこの作品しか知りませんが、断然こっちが好き!まぁ喋る喋る。ユニーク過ぎる探偵というより、ほとんど詐欺師に近いのですが、彼のユーモラスな大らかさと温かさが、この作品を誰からも愛される、一生忘れられない作品にしたのだと思います。彼自身、その背景からも伺えますが、探偵が本当の孤独を知る人だったから、ベリンダの心が理解出来たのだと思います。
ラストの二人の微笑みでまたウルウル。周防正行の「シャル・ウィ・ダンス」の中で、この作品のポスターが貼ってありましたね。あの原日出子の奥さん、彼女の方が夫の浮気を疑っていたけど、夫といっしょに歩みたいのに、夫には置いてけぼりにされてと、とても日本的なベリンダだったのだと思います。周防監督、あの奥さんが好きだったんだなぁ。大阪は終わりましたが、順次上映予定の地域の方は、是非とも見逃さないよう、お勧めします。
04月25日(日)
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