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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「Dr.パルナサスの鏡」
トム・ウェいつはエンディングまで気付かなかったんですが、すっかり「人間の顔」になっちゃって、私の知っている彼の顔って、もっと類人猿だったもんで。やっぱ人間っていくつになっても「進化」すんのね。悪魔のくせに何故か慈悲深く、お茶目な好演でした。
良識や慈善や権力の裏側を、いっぱい毒を効かせて見せる片方で、父親の娘への最高の愛情表現を、ラストにああいう形で見せるところなど、ギリアムの懐の深さも感じます。私が知らなかっただけで、この人、本当はとても「大人」なんですね。
博士の奏でるイマジネーションの世界は、とても夢があり楽しいのに、現実の彼や一座は、貧乏で薄汚く時代遅れ。そこには、不死なんてちっとも良くありませんよ、と言う思いが込められているんでしょうね。限りあるから人生は楽しいものさ。白塗りやら乞食姿やら、齢80歳のプラマーにコスプレまでしてもらった甲斐は、充分あった作品です。
01月27日(水)
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