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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「パイレーツ・ロック」
間に挿入される老若のリスナーの描き方も、これまた楽しくって。私もあんなだったなぁと思いだす場面多し。DJに憧れる様子もとっても理解出来る。今は花形DJっているんでしょうか?私は中高、とにかく渋谷陽一が大好きで大好きで大好きで。同時代に大貫憲章や伊藤正則もいましたが、お茶目でバカっぽくやんちゃな彼らより、渋谷陽一はこの二人と同じ年とは思えぬ落ち着きとインテリジェンスがあってね、(今も昔はインテリ男に弱い)今じゃネットで簡単に顔も拝めるけど、昔はそういう訳にもいかず、渋谷陽一はアウストラロピテクスに似ているという噂が流れたこともありますが、北京原人だって、渋谷陽一ならいいわ!ってなもんですよ。創刊直後の「『ロッキン・オン』下さい」と本屋に行って、しばらくして手渡されたのが『ロッキン・F』でがっくりきたり、対していいとも思わないパリス(ヒルトンじゃないよ)のアルバム買ったり、本当はディープ・パープルの方が好きだったのに、必死でツェッペリンが上なのだと思いこもうとしたり(でも今は断然ツェッペリンがすごいと思うのだから、不思議)、本当に渋谷陽一命でした。だから映画が「タイタニック」化したその後の展開は、本当にものすごくわかる。ある意味リスナーとDJの、幸せな時代だったのでしょうね。

流れる音楽は、ロックというよりポップスが多かったかな?版権の関係でビートルズやツェッペリンはダメだと思っていましたが、クリームやヴァニラ・ファッジなんかは期待していたけど、流れなかったなぁ。でも不問。私の青春時代は、映画から10年後くらいですが、当時はいわゆる新御三家と言われる、郷ひろみや西条秀樹が人気で、その次がユーミンなどのニューミュージックで、ハードロック組は少数派でした。軽音楽部に走らず、ひたすら聞き手にまわる私のような子は地味目の子が多かったような。特にプログレ好きは哲学的文学少女が多かったです。だから「政治家って何にもわかってないんだよ」という劇中のセリフは、今も昔もいっしょなのよね。

この作品、正直言って、映画的には一味足りないような気がしないでもないんですが、でも不問。若い頃は復活のGSカーニバルに熱狂する私より年長の女性たちを見て、何が面白いんだろう?と、皮肉っぽく観ていた私ですが、GSがロックに変わっただけで、私も全くいっしょ。笑って下さいまし。青春時代洋楽まみれで、私は幸せだったんだなぁと、つくづく思わせてくれた作品です。さぁ今からクィーン聞こうっと!

10月29日(木)
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