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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「トワイライト〜初恋〜」
「僕はただ、君を知りたいだけなんだ」
「ライオンが羊に恋をした」
「人間と恋するなんて、地獄行きだ」
「君の寝顔が好きだ。ドキドキする」


普通ならこのケッ!と感じてしまう歯の浮くようなセリフの羅列も、設定とロバートの口から出ると、悶絶して卒倒する事必死。そしてこれら全てが有言実行なんですから、あーた、正に水嶋ヒロ百人分の威力。多分これを観た女子たちは、ベラに自分を重ねて、「私の全てを奪って」というコピーが、ガンガン頭を駆け巡ったことでしょうて。

霧が多く曇天の日が多い鬱蒼とした町の空気は、このお話の世界観に合っていました。野蛮な敵対するヴァンパイアとの同種格闘場面は、もう少し血みどろになっても良かった気もしますが、そうするとテーマが台無しになる恐れもあるので、これくらいのお上品さでも可。ヴァンパイアの人間外の身体能力を示す場面はCGを使っていますが、森や自然を多様しているので、これも神秘的かつ爽やかな印象を持ちました。

永遠の生命を生きるヴァンパイアとしての葛藤は、さらっとしか出てきません。「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」で、何十年経っても幼いままのキルスティン・ダンストが、豊かな胸の女性の絵を指差し「私はいつになたら、こうなるの?」と、トム・クルーズを詰るような、観る者の胸に突き刺さるような描写はありませんでした。その辺浅いけどね。テーマがまた別なのでね、不問としよう!(気にいりゃ何でもOK)。

ベラを演じるクリスティンも、長年子役から活躍している力量を示し、内気で大人しい子ほど、意外や大胆になるというのを、充分納得させてくれる好演でした。他の人物も登場時間は短めながら、キャラは確立されており、描き分けもきちんと出来ています。続編に含みを持たせるラストですが、これくらいの出来なら、期待感も盛り上がろうというもの。

上質の青春モノとして、全女性向けですが、倦怠期の結婚していない若いカップルも、出会った頃を思い出して、甘酸っぱい気分になるかも知れない作品です。私は大いに気に入りました。

04月07日(火)
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