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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「WALL・E/ウォーリー」(吹き替え版)
ある地方都市では、試みに独居老人に簡単に受け答えできる人形を貸し出しているそうです。あるお婆さんは噛み合わない会話に、やはり人形ではダメだと感じていた時、何気なく帰宅時に「ただいま」というと、そのお人形が「お帰り」と答えてくれて、とても嬉しく思ったと、新聞で読みました。

イヴが足でまといに思っていたウォーリーを愛しく思い始めたのは、付き合いが深まり情が湧いてきたからなのでしょう。彼女の脳ではなく体が記憶し保存した過去の情景をプレビューすると、そこには、物言わずフリーズした自分を、甲斐がいしく慈しむウォーリーがいました。私はその時のイヴに、「ハロー・ドーリー」を食い入るように見つめていたウォーリーが重なりました。

知能であるからには、学習もするのでしょう。感情とは記憶の積み重ねから生まれるものだと思います。人間が作ったものですもの、人間の英知が組み込まれているはずのロボットたち。格差のあるロボット社会や、人間を支配しようとするロボットがいるなら、ウォーリーやイヴのような、人間のような感情を持つロボットもあり。どんな目的でどんな人が人口知能付きのロボットを作るのか、とても重要に思いました。願わくば便利なだけではなく、平和のために作られますように。

飛べない旧型ロボットのウォーリーが、消火器を使ってイヴと宇宙でダンスする場面が、ファンタジックでとっても素敵です。瓢箪から駒みたいな使い方でしたが、これも知恵の一つということで。

初期化されたウォーリーの行く末には、本当に号泣。これは単に擬人化されただけではなく、人口知能という付加がついたロボットだけに、リアリティがありました。この結末は甘いのかも知れませんが、私はこれで良かったと思います。

大人は一様に私のように感動するでしょうが、子供達がどう見るか、とっても興味深いお話でもあります。だって彼らがウォーリーやイヴを作るのですから。

12月18日(木)
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