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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「クライマーズ・ハイ」
私が一番心打たれたのは、確執のある上司(遠藤憲一)を、とあることの相談相手に選んだ悠木のため、そのことを他の二人の上司に悟られまいと、同期の二人(田口トモロヲ、堀部圭亮)が助太刀する場面です。特に堀部演ずる同僚は、悠木とはソリが合わないと描かれていましたが、その彼が悠木に協力する姿は、学校の同級生とは異なる、会社での同期の情を強く感じさせ、サラリーマン諸氏が観たなら、胸が熱くなるかもなぁと感じました。その他、出世の遅れていそうなレイアウト担当の整理部長(でんでん)が、議論が白熱すると、同期前後の上司にタメグチを利くのも愉快でした。
ラストは完全に不要。要するに社の中での出来事は十分消化出来ているのに、社の外の出来事は、全く機能していないか不必要なのです。唯一社外の出来事で面白く観られたのは、緊張感が出ていた取材現場だけです。
日航機事故が題材ですが、この事故にまつわる事柄はあまり出てきません。でも記者と新聞社が中心の話ですから、これは的を絞るため良い判断だったと思います。一地方新聞社の、全国紙に負けたくないというプライドは、充分伝わってきました。これは演じる俳優さんの頑張りのお陰かな?なので悠木の生い立ちや背景には拘らず、記者たちの威信を賭けた戦いの様子だけを重点に置けばよかったかと思います。それでも充分にヒューマンな作品になったと思います。脚本の刈り方が中途半端な気がしました。
NHKでドラマ化もされているとか。NHKのドラマ作りは定評があるので、機会があれば観たいです。でもやっぱり原作を読む方が先かな?
07月08日(火)
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