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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「夜顔」
しかしですね、前作を観ている私はですね、男の方は容色は衰えているのに、男力は著しくアップしているのにですよ、女は可愛いお婆ちゃんでいいのか?と思うのですね。やはりここは、艶めかしく男を誘う、ドヌーヴの方が良かったと思いました。「私、修道院に入りたいの・・・」も彼女なら、そんな大きな嘘をおっしゃっちゃいけません、という風で、二人のエスプリの利いた会話に、より色気も妙も出て、この人たち、どこまで本心なの?と言う感じで、観客は煙に巻かれて楽しかったかも。あれでは男は老いてもまだまだ現役で、女はすっかり枯れてしまい、と言う風に感じました。そんなの悔しいでしょ?そのせいで、幕引きにも消化不良の感覚が残りました。
バンドーム広場を映して、アンリが過去に思いを馳せるシーンがあったり、四つ星のホテルの中を映したり、冒頭のコンサートのシーンも本物のカルースト・グルベンキアン基金管弦楽団を使っており、会食のレストランを含め、なかなか観られないモノを観られて、うっとりでした。娼婦は若い子と老女のコンビなのですが、若い方が「あなたのテクニックは抜群よ」と褒めると、「そうなのよ、客を引く時はあなたの手を借りなくちゃいけないけど」と、老娼婦が言うのには、笑ってしまいました。彼女の言葉があって、余計セヴリーヌはドヌーブだったら、と思ってしまいました。
しかし私は書きながらびっくしたのですが、一週間前に観て、その間に「アメリカン・ギャングスター」にも感激して、なお内容をすべて覚えていることです。う〜ん、恐るべしオリヴェイラ。70分と短い作品でしたが、ゆっくりと時間が流れ、味わい深いです。ちなみにバーテンはオリヴィエラの孫だそう。なーんだ、やっぱり気に入ってんじゃん、私。
02月06日(水)
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