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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ALWAYS 続・三丁目の夕日 」
集団就職の光と影も、今回は描かれます。光は六ちゃん、影は中学校の野球部のエースだった武雄です。仕事の内容もさることながら、勤め先の人々に恵まれるか否かは、彼らに取って、本当に重大だったのです。二人の淡い恋心も描きながら、当時の映画(裕二郎の映画)や万年筆など、懐かしいアイテムを用いて、若者らしく描いています。武雄役の浅利陽介が、びっくりするほど昔の日活に出てくる青年風で、この辺りは日活の往年の青春モノを観ている感じでした。でも六ちゃんは本当にいい子だなぁ。うちの息子たちのお嫁さんにしたいくらい。
正直言うと、続編の話を聞いた時、何度も同じものを描かなくてもいいって!と思ったもんです。しかし出来上がったものは、前作の「懐かしの風物詩+昭和の心豊かな人情」から、今回は良い人ばかりを描かず、光も影もあてながら、へこたれず未来を信じてまっすぐ生活する人々の心を、一人一人深く浮き彫りにしていたと思います。私は昭和36年生まれで、この当時は生まれていませんでしたが、それでもこの時代の価値観は、私の中で脈々と生きていました。それは「清く正しく額に汗して暮らしていれば、お金持ちにはなれなくても、きっと幸せにはなれる」です。この価値観が通用する世界こそ、本当の心豊かな世界ではないでしょうか?懐かしさだけではなく、格差社会が叫ばれる今、観客に再びその思いを強く抱いて欲しいための続編だったかな?と、今思っています。監督はその願いを、拝金主義でエリート命の川渕の、ラストの様子に込めていたと思います。
11月13日(火)
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