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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「私たちの幸せな時間」
「この作品の刑法上の表現は、フィクションです」と、エンディングに出てきますが、死刑囚が独房ではなく雑居房にいたり、囚人たちのあまりのいい人ぶりには、ちょっと疑問が残ります。ユンスの彼女も、あれからどうしちゃったの?刑務所の中で、やすりを使ったのがばれたのに、何故怒られないのか?ユジョンの母の扱いも、あれではただのモンスターめいた、娘を支配するだけの人に観えます。もう少しこの母の背景を語り、母親への作り手の弁護があれば、ユジョンの変貌がもっと感動的になり、作品にぐ〜んと深みが増したと思うので、残念です。
カン・ドンウォンは初めて観ました。青春スターのイメージしかなかったのですが、なかなかの好演で良かったです。案外任侠ものなんかも似合うかも。イ・ナヨンは、ちょっとキツメの美貌の持ち主で、ユジョンの複雑な心の変遷を、こちらも好演でした。「恋愛睡眠のすすめ」でも感じましたが、主役の相性はとても大切です。
シスターモニカの、「私は伝道に来たのではないの。宗教なんかわからなくてもいいの。あなたが安らいだ心にさえなれば」という言葉が、とても印象的です。教義に振り回されず、相手のためをまず第一に考える立派なシスターに巡り合えたのも、それもユンスの運命だったのでしょうね。「安らかに逝く」、ということの意味を深く考えさせられました。
07月29日(日)
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