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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「デイジー アナザバージョン」(布施ラインシネマ・ワンコインセレクション)
香港のアンドリュー・ラウが韓国に招かれて監督した作品で、去年の公開作。ちょっと気になっていたましたが、確か公開館は今は亡き動物園前シネフェスタだけだったはずで、他の作品を優先したため見損なっていました。今回また会員恩恵の無料で鑑賞でした。でも無料で本当に良かった。だって誰も教えてくれなかったじゃん、トンデモ映画だったなんて。あぁ、びっくりした。実はワタクシ昨日はチビが合宿へ出発のため、朝4時から起きてたのよね。十三のナナゲイで「実録・阿部定」がかかっていましたが、仕事を終えて十三まで出かける気力がなく、眠くなったら寝たらいいわと思ってこちらにしたのですが、呆気に取られまくっていたので、眠る事も出来ず。まぁ退屈ではなかったんですかね。
オランダ・アムステルダムに住むヘヨン(チョン・ジヒョン)は画家の卵。骨董店を営む祖父と暮らしながら、昼間は似顔絵書きもしています。彼女には毎日4時15分になると、「フラワー!」の声と共に、花を届ける男性がいて、彼女は顔も知らない彼に恋をしています。実は花を届けているのは、ヘヨンを愛する殺し屋のパクウィ(チョン・ウソン)なのですが、彼は自分の仕事柄、彼女の前に現れることが出来ません。そんなとき優しげな青年(実はインターポールの刑事)ジョンウ(イ・ソンジェ)がヘヨンの前に現れ、ジョンウが花を持って現れたことから、思い人だと誤解します。
以下ネタバレと罵詈雑言になると思うので、未見の方、この作品が好きな方は飛ばして下さい。
まず第一に舞台がオランダである必要が全くないです。確かに町並みやお花畑なんかは非常に美しく撮影されていて、景観は見どころ充分なのですが(というか見どころはここだけ)、韓国か香港にだって、こう言う場所はあると思います。映画だからといって、広いオランダで三角関係になるうら若き美女、麻薬を取り締まるインターポールの刑事、麻薬とは関係ない殺し屋が全部韓国人なんて、思いっきりご都合主義。舞台を生かしたいなら、ジヒョンとウソンは人気の点ではずせないでしょうから、ここはイ・ソンジェをはずして、香港の俳優にするべきです。
このジョンウがまた思い切り間抜け。あんたそんなんで、よくインターポールの刑事が務まるなと思うほどアホです。捜査の最中に公私混同してヘヨンに思いを寄せるわ、ジョンウの身元を確かめたいパクウィの罠に簡単にはまって正体は知られるわ、腕利きな場面を見せる場所が全く無いです。あげくジョンウといっしょの場面を襲撃されたヘヨンは一命は取り留めるものの、声を失いますが、同僚刑事(こいつもケタはずれのアホ)は自分の責任だとふさぐジョンウに、「あれは仕方なかったんだ。お前のせいじゃない」などど、開いた口がふさがらない説教をする有様。「僕といると彼女に危険が及ぶ・・・」というしごく当り前なジョンウの独白通り、これは刑事が民間人を巻き込んだ事故です。後半で勝手なお酉捜査を上司に無断でやろうとしたり、あまりのインターポールのアホさ加減に、監督はインターポールに恨みがあるのか?と思ったほど。
パクウィも出だしこそ殺しの場面でスタイリッシュに登場でしたが、「あまり彼女が打ちひしがれているので」と、ジョンウ帰国後の彼女の前に姿を現したのにはびっくり。それまでちょっとストーカーっぽい行動には出ていましたが、虚ろな恋に破れた思い人(ヘヨン)を車の横に乗せ、「彼女が僕の横に座っているなんて・・・」という独白にはちょっとキモイもんがあり、引いてしまいます。だって殺し屋のストーカーと言う時点で、ピュアにはなりにくいロマンスでしょう?そう思うと「ニキータ」は秀逸だったですねぇ。
このキモさ、どんどん加速し、繰り返しロマンチックな韓国ドラマを見ている様子を映すのですが、私はとうとう頭がいってしまったのかと思ってたんですが、どうもヘヨンのための読唇術の勉強だったらしいのです。こんなんで読唇術が取得出来るんかい?と謎だらけ。ラストでこのプロットは完璧に生きるのですが、あまりの展開に私は一人心の中で爆笑。だって場内誰も笑わないんだもん。絶対変!
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08月02日(木)
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