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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「デート・ウィズ・ドリュー」
まずは友達の友達は皆友達だ作戦で、ちょっとでも映画にコネがある人を辿って必死でドリューまで辿り着こうする姿は一生懸命です。並行して彼女に相応しい人になろうと、シェイプアップに励み、フェイク・ドリューとデートの予行演習をしたりと、涙ぐましいこと。本来なら無職の息子のおバカなこの試みを止めてもいいのに、「ドリューはアバズレじゃないの。キャメロン・ディアスにしなさい」と、ピントのずれたナイスボケをかます、ブライアンのママが良い味です。本当はすっごく息子の行く末を心配しているはず。でもそれをグッと飲み込むのは、息子を信じているからなのでしょう。
有名プロデューサーが協力を了承してくれたり、名ナレーターが「面白かったから」とノーギャラで予告編に出演してくれたり、たくさんの協力者が現れるのに、なかなかドリューまで辿り着けません。刻々と過ぎる日々にあせるブライアン。職探しもままなりません。「僕は何か誇れるものが欲しいんだ」。彼は今の五里霧中な状況の中(若いから四面楚歌じゃありません)、ドリューとデートすることで、今の自分から変わりたいのです。そしてバカにする人はいても、ジョンやブレッドを始め、協力する人も皆冷やかしではなく真剣です。「デート・ウィズ・ドリュー」は、彼の今の人生全てが懸っているのだと悟ると、ここで私の涙腺は決壊。
ブライアンたち三人はHPで見ると、大学は映像を専攻していたようです。ドキュメンタリーにも演出があり、作り手の思惑が入るのは周知の事実です。彼らもそのノウハウは知っているでしょう。この私の涙も、彼らの思惑通りとみることも出来ます。しかしこのドキュメントはそれだけの値打ちなのでしょうか?その憶測は上の画像の、本人よりシャープなあご、ほっそりした二の腕、お腹に修正されたドリューを観るくらいの、些細なことだと思うのです。
この画像が実物とはかけ離れた美女に修正された私なら、ブライアンは見上げて憧れてくれるでしょうか?答えはノー。ブライアンはドリューの外見だけではなく、中身も愛しているのです。例え上手くお話が組み立てられているとしても、プレミアで壇上に上がるドリューに、見えない位置から力いっぱい手を振るブライアン、彼の真剣さに打たれて、激励の気持ちを込めて、別れ際ブライアンのリップにキスするフェイク・ドリュー、あれは真実だと思います。思わぬ幸運に照れる彼もまた真実。何よりドリューとデートすることで、「人に誇れるものを持ちたいんだ」というブライアンの心に嘘偽りがないのなら、私は他はすべてヤラセでも構いません。それが一番大切だと思うから。
しかし相手がドリューというのは、とっても効いていました。芸能界の名家に生まれ、子役スターとして脚光を浴びるも、酒やドラッグで一時は転落。再起不能もあったはずなのに、鮮やかに蘇り、スクリーンに戻ってきた彼女。自分の人生、こんなはずじゃなかったと思う多くの人に、彼女ほど希望を与える女性はいないから。
はてさて、ブライアンはドリューとデート出来たのか?その続きはどうぞ劇場でお確かめを。それではドリューの座右の銘を贈ります。
「リスクを冒さない生き方は、人生の浪費である」
01月14日(日)
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