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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「プラダを着た悪魔」
ミランダを演じてメリル・ストリープが圧巻。誰もが無条件にハハーッとひれ伏してしまう貫禄は、世界一の女優(多分)の彼女ならでは。メリルがミランダを演じるのが決定した時点で、この作品は半分以上成功だったのでしょう。ファッションに煩い割には、あんまり彼女の洋服は素敵じゃなかったけど、あれは年齢から来る引き算でしょうか?受けて立つアン・ハサウェイは、アイドル女優から脱皮途中の、現在にぴったりの役で、とっても健闘しています。見る見る垢抜けて綺麗になっていく彼女ですが、少々野暮ったいのが親しみやすさに繋がるのが持ち味の人なので、それが良い意味で隙になり、私も頑張れば彼女みたいになれるかな?と、若い女性の意欲を掻き立てるのではないでしょうか?
ラストはこう来るか、と私には意外なアンディの選択でした。しかし最初で最後に見せたミランダの笑顔は、他人に悪意や難儀もむしゃむしゃ食べて、平気な顔をしているように思われているミランダの、自分とは違った形でアンディには開花して欲しいと願う、同性の先輩としてのエールのように感じました。とっかえひっかえ衣装を変えたアンディですが、最後に着た服が、一番似合っていたのは、紆余曲折の末一番自分らしい姿を、彼女が見つけたからだと思います。
惜しむらくは男がスタンリー・トゥッチ以外は、全然いけてないこと。一体全体これは何なの?というくらいひどい!アンディの恋人ネイトの容姿は、20年前でもダサいでしょうし、有名エッセイストのクリスチャン役のサイモン・ベーカーは、マイク・マイヤーズにそっくり。マイヤーズは好きですが、セクシーな二枚(セリフにあった)的容姿ですかねぇ。私はいつ「ベイビー、ヤォ〜」と言い出すかと、気が気でなかったです。
「もう仕事辞めて、この子といっしょに家にいたいなぁと思うときがあるんです。」と仰った、産休中の患者さんがおられました。わかるなぁ。こんなに可愛い我が子を保育所に預けて働くのは、母親として切ないでしょう。でも私は答えたのです。「でも子供はずーと、可愛いままじゃないですよ。その内口ごたえもするしね、憎たらしくなりますよ。その内お金もじゃんじゃんいるし。その時きっと、正社員で働き続けて良かったなと思う時が来ますって」。
そのお母さん、元気にお仕事続けられています。既婚女性が仕事を続けるのは、家庭の安定と家族の理解があればこそ。子供のこと、親の介護などで、仕事を辞めなければならない時が来るかもしれません。独身女性だって大変です。クリスチャンがミランダの悪口をいう時、「何故そんなことを言うの?ミランダが男性なら、誰も文句は言わないはずだわ」というアンディのセリフが、世の中を物語っています。でも将来何が来るかなんて、誰にもわからない。難儀が来ればそんときゃそんとき。適度に肩肘張って湿布も貼って、女性の皆さん、頑張って行きましょう!
11月25日(土)
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