ID:10442
ケイケイの映画日記
by ケイケイ
[927915hit]
■「東京タワー」(地上波放送)
この妻達にしても、黒木妻は実際は夫の庇護の下仕事をしているわけで、かっこつけている割には、みかけだけ。何が一番腹が立つかというと、自宅や別荘などに平気で間男引っぱり込むことです。教養ある知的でエレガンスな様子を気取っても、お里が知れるというもの。あのベッドは夫婦のベッドだろうが、したかったらラブホでせい!と怒りがメラメラ。寺島妻の方は、確かにリアルな専業主婦の憂鬱を感じさせ、まだマシでしたが、男との逢瀬のお金も、松潤が惚れ直すフラメンコも、お金の出所は結局夫。亭主の金で男作るか?金と暇がありゃ、私ならもっとしたいことあるぞ、あんた色だけかい?と、ここでもまた怒りが込み上がる私。
黒木妻の夫は岸谷五朗で、妻の不倫を知りながら見て見ぬふりする心のひろーい夫役ですが、私は男の浮気と女の浮気は違うと思っているシーラカンスなので、こういうしたり顔した亭主も大嫌い。それに岸谷の売れっ子CMプランナーって、ミスキャストじゃないですか?だって彼の容姿やイメージから都会的な感じする?演技自体は悪くなかったですが、長谷川初範なんかの方が、年齢的にも良かったかも。
ラストおフランスに渡り、黒木&岡田のカップルの恋の成就には、正直噴飯物でした。確かに年の差カップルは世にたくさんあり、私も否定するわけではありません。しかしこれくらい年の差があれば、特に女性が年上の場合は、内面的に相手に与えられる、人として一段高いモノが感じられれば納得出来ますが、この詩史なる女性、普通相手の将来を考えて身を引く考えが浮かんでもいいはずなのに、自分の保身以外では、別れは考えませんし、自分が先に老いることも、全然頭にないです。同世代の女性としては、あまりに幼稚過ぎます。
もう一人、岡田に刺激された松潤が、高校時代同級生の母親に手を出すのですが、この母親は浮気がばれて家庭崩壊したあとも、松潤が忘れられない設定です。この人を膨らませてですねー、あの当時夫とはセックスレスだった、女としてこれで終わりたくない、だから分別なく娘の同級生とエッチしちゃった、それが思いがけず夫より良かった、だからまだ忘れられない、みたいな後日談を描いた方が、ドロドロしてて、女の性の怖さや哀しさが描けそうで、見応えあったかも。幼稚な有閑マダム(死語)を描くより、私はその方が観たかったです。
04月15日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る