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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「この胸いっぱいの愛を」
何故なら実の母親なら、息をしているだけでも娘には生きていて欲しかろうと思うはずで、娘もそれに応えるでしょう。母のいない和美、母と遠く離れて暮らすヒロ、二人は父ではなく母のいない寂しさが結びつけた二人だと思うからです。そうすることでレイプされての妊娠だったのに、「私が産みたいとか産みたくないとかじゃないの。もう動いているの。」という、自分の命と引き換えに輝良を産んだ母のセリフが、もっともっと輝こうというもの。たとえ死んだとしても、離れていようと、母親の願い、心を感じることは、子供に勇気を与えることだと思います。

それに反して輝良、臼井、老婦人のエピソードは、メインより説明も少ないのに、じわっと心に染みました。メインも説明口調をはぶいて、もうちょっと凝縮した方が良かったかもしれません。比呂志がヒロに渡した10か条も、結局何に役立ったかわからないし、はぶいても良かったように思います。

文句の最後はラスト。なんだありゃ!あんなラストにするなら、10か条の最後に「2006年1月の飛行機には乗るな」と書けばいいだろうが。生きている人間、死んでいる人間、若い時老いた時、みんなみんなでハッピーハッピーとは、だいぶ脱力しました。これがなけりゃ、もっと人様に推薦出来るのですが。障害にもめげず、比呂志の分まで生きる和美を映して終わってほしかったなぁ。

10月19日(水)
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