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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「マラソン」
オンマ役のキム・ミスクは、ほとんどメークもなく所帯じみた感じを出していましたが、本当はとても美しい人なのだと思います。母親が子供を一番知っているという自信と強さ、しかし本当は一番知らない、知りたくないという表裏一体の存在であるというのが、愚かさではなく哀しさと愛しさとして、切々と胸にこみ上げました。全くご同慶の至り。

今中1の三男が保育園の頃、お迎えのバスを待つ間、毎日今三男が通う中学の養護学級に通う女の子が二人、赤いほっぺに満面の笑みを浮かべ手をつなぎ、時には歌を歌い、時にはけんかをしながら下校していく姿を、私は微笑ましく思いながら見ていました。同時にこの子達を自分で登下校出来るまでに育てた親御さんの苦労も、いかばかりだったろうとも思いました。あれから7年、あの子達はどうしているでしょう?

自閉症は一見障害がわからず、親の躾が悪い、親の育て方が引き起こした病のように言われることが、親御さんたちの激しいストレスになるのは、21年前私が知った当時とまだあまり状況は変わっていません。そういった意味でも、この作品は世の中の偏見を少しは修正出来たと思います。もし私の息子たちが、自閉症の兄弟を持ち、将来は自分が親に代わって面倒をみたいと思っているというお嬢さんを好きになった時、お母さんも出来ることは協力するわと言える母親になりたいと、この作品を観て思いました。

07月06日(水)
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