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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「69 sixty nine」
嘘から出た誠のように、アダマだけが思想的に変貌していく様子が伺えますが、それも浅く描くだけで、またもや「面白ければ良い」ケンの登場で、学生運動は全て口先ばかりで何も出来なかったの如くの幕引きの仕方。これはちょっとなぁ。結果論として日本の学生運動は、負の遺産が多いと思いますが、当時真剣に国を案じ愛するからの行動であった人もたくさんいらしたはずです。今は平穏に中年から初老を迎えている方々に、あまりにも冷たい描き方です。
主演の妻夫木聡と安藤政信は、今年24歳と29歳になる立派な青年で、いつまで高校生役をやらすのかとこれも疑問。彼らの演技自体には問題はなかったですが、共に数少ない一般的な娯楽映画でお客を呼べる人気俳優です。
もっと今の彼らにあった作品に使わないと、いつの間にか飽きられてしまうこともあるでしょう。製作側は、安易なキャスティングをしないでもらいたいです。
いっぱい苦言を書きましたが、どれもこれもほんの一ひねりすれば、作品の格とコクがグッと上がって、青春映画の名作になったのになぁと残念です。
多分私の疑問や悪しき感想は、村上龍の原作を読めば解消されるかと思いますが、映画はあくまで映画での出来が大切だと思います。付加価値を原作に求めるのは、私は好きではありません。1961年生れの私の感想はこんなもんですが、年代が違うと、又別の感想になると思います。他の年代の方の感想が聞いてみたい作品ではあります。
07月12日(月)
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