ID:102711
声優さんと映画とアニメと
by まいける2004
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■プロの実力、そしてプロが目指す先の先
写真家のハービー山口さんのエッセイCD
ハービー・山口 エッセイ集 LOVE&VOICE 1           
語り森川智之を聴きました。
StudioWarpというところから出ています
このCDは通販予約だけの特典として山口さんと森川さんの対談CD(約30分がっつりしゃべってます)がついてきます。この特典CD対談がこれまたかなり良かったです。

朗読CDの方(全6章約70分)
朗読で思い出すのは、宮沢賢治の注文の多い料理店での森川さんですが、この山口さんのエッセイCDはそれよりもっと長くて、約70分フルで森川さんの朗読が入っています。

エッセイと言っても、これは聞いた感じでは、山口さんの回顧録のような、ご自身の半生を振り返ったものです。小さいときの大病の影響でさまざな苦悩を体験し、コンプレックスで悩んだり苦しんだりした学校生活。そんな山口さんの見出した人生の希望や苦悩から脱出できたターニングポイントなどなど、ご自分の生い立ちと、その時々に起きたさまざまな思い出や人間関係そして、そのときどきの素直な自分の気持ち、さらには、プロのカメラマンになったきっかけや心に残ったエピソードなど、カメラマンハービー山口がどうやって形作られ、どんな思いを抱いてシャッターを切っているか、などがじっくりと語られて居ます。
この内容が、これまたかなり惹きこまれるものでした。
山口さんの書く文章が、ストレートで魅力的です。

これを聴いて、森川さんの実力にちょっと脱帽。
たぶん、森川さんも内容に感心してノリノリで読んだのではないかと、思えるできばえです。
どのぐらいの時間で収録したのか判りませんが、最長20分ほどの長丁場でも、ほとんど編集していないのではないかと思います。
全部の章で、変わり目がわからないほどに、全編通して、ほとんど声の高さや抑揚、そして読むリズムが非常に安定した、穏やかな小春日和の内海の様です。
声音は、森川さんの一番出しやすいトーンなのか、地声に近い高さ、響きも良くて、どこまでも柔らかく、リズムがゆったりとしたアンダンテでありながらも、切れの良い発声で、言葉のひとつひとつは、メリハリのある抑揚で、非常に聞き取りやすく、しかも心地よいのに感動。
ストレートな朗読でありながらも、時に切なく悲しく、時に優しく希望に満ちている・・・感情のこめかたが自然。本当に耳に優しいここち良い艶声。
再生ヴォリュームをかなり小さくしても、はっきりと喋っている内容が聞き取れる恐るべき滑舌を披露しています。惜しむらくは、長丁場ゆえに、途中やや鼻声気味になる部分が・・・まあ、これはもはや森川さんのお約束かも、その鼻声度も、まあ、じっと聞き耳たてなければ気が付かないレベルかと思います(笑)。

最後の章は、なんだかじーんとしてしまいました。これの中の1〜2分を森川さんの音声サンプルに使えばいいんじゃないかなぁ、なんて思ってしまいました。

このCDは(1)ということで、(2)も発売予告が出ました。
こっちも森川さんなのかと思ったら(2)は森久保さんでした。
ちょっと残念なような、森久保さんのも聞いてみたいような、というか純粋にこのエッセイそのものの続きを聞きたいなと思っています。この続きのCDも買いたいなと思います。

通販予約特典の対談CD
これがまた、びっくりするぐらいファンにはお勧めの内容です。
まず、第一声を出したとき、スタッフの方から、彼らもびっくりするぐらいに山口さんご本人と森川さんの声が似ている、と言われたとのこと。対談で聴く限り、確かに雰囲気は似ている感じがしますが、まあ、聴いていて紛らわしいというほど似ているわけではないです。
山口さん、森川さんの朗読をブースで聞いて泣いたとのこと。自分で書いた文章なのに、森川さんのプロの語りに聴き入ってしまい、感動して泣いてしまったそうです。
森川さんもびっくりしてしまったそうです。

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11月03日(月)
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