ID:102711
声優さんと映画とアニメと
by まいける2004
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■初心わするべからずの心
アキ「Dボウイ、あなたは、たった一人の、私たちの頼れる仲間なの」
Dボウイ「アキ」
アキ「例えあなたに殺されるその瞬間でも、私はあなたを信じる、だから」
アキ「Dボウイ、あなたの30分を私に頂戴」
Dボウイ「アキ・・・俺は・・・俺の30分をおまえに・・・」
Dボウイ「ペガスッ!テックセッタァアーァァー・・・うりぁぁっ」
ノアル「遅いぜ、Dボウイ」
Dボウイ「俺は、俺は悪魔なんかじゃない!」
Dボウイ「ボォルゥテッカァアアアアアァァァ」
本当に沢山の悲劇が襲いかかって来た上に、耐え難いほどの悲劇の宿命と重い重い背負いきれないほどの使命を背負って、一人で地球に落ちてきたDボウイが、ヴァルザックの辛辣な一言「化け物」で、とうとう張りつめていた精神の糸が切れて心が折れてしまい、なにもかも投げ出してしまった時、彼が見つけたのはアキの愛でした。最期まで彼ががんばったのも、結局はアキの愛が彼を支えきったのだと思います。
(以下微修正あり)
たぶん、この回(20話)あたりが戦闘でのおたけびからヘタレた時の泣きわめきまで、当時の森川君の演技が本物の完成形になった雰囲気があります。1年シリーズだからいいですが、今みたいに1クール作品だったら、初主役の森川君は役を掴みきれずに終わってしまっていたのではないかと、そういう意味では若手を時間をかけて育成してくれる当時のシステムはすばらしいなぁと、今の若手は大変なんだなぁと思います。
また、当時の森川君には小手先でごまかすテクニックはなくて、これは演技なのか表現力不足なのか判断が難しい部分も随所にありました。おそらくDボウイという森川君が構築したキャラは、どちらかと言えばかたくなに感情を殺して相手を拒みながらも投げつける台詞までもがぎこちないのです。闘っている時の激しい台詞はよしとして、さりげない仲間との会話のぎこちなさが、演技のたどたどしさなのか狙ったものなのか、判別が付かない部分で、これは、Dボウイの持つ、周囲にとけこんでしまって本当にいいのか?というとまどいと手探りな気持ちが込められた、そんな雰囲気になっているのだと解釈すれば素晴らしい演技なのです。どっちかなぁと毎回DVDを見返すたびに考えるのですが、彼なりの演技アプローチなんだと今は思っています。
御本人曰くの青さが残る演技ではありますが。そう言えば、近い時期のスラダンや吹き替えなどでは、もっとなめらかな演技をしていることから考えても、彼の解釈するDボウイのあのかたくなさは彼の演技なんだと思います。
そう、思い出せば、当時たまらなく私を惹きつけたDボウイというキャラの魅力がまさにこれなんだと思います。
一方で達者な演技をする子安君(シュラトの時はひどかったぞ、笑)の演じるエビルが、奔放に自分の感情を喜怒哀楽を表現して、いつも激しい方向の演技だったので、当時はファンは2極化していました。激しく迫力がありながらもどこかに神経質でもろさを感じさせるエビル子安の繊細かつ大胆な演技と、一見すると朴念仁のようであり、しかし実際は非常に強く激しい意志と根性があって、心の底からの魂の雄叫びを上げるブレードの(このあたりの感情のこめっぷりはロックを歌う森川の力強く根がある部分が共通です。)この二人の演技の絡み合いのコントラストが、最期まで観ているものを惹きつけて止まなかったのだと思います。とにかくこの双子の対決がこの作品の要でしたから。
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03月05日(月)
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