日々の泡

2012年07月09日(月) 平岩弓枝著「女たちの家」上巻読了

朝と帰り、寝る前に少し読んで読了。キオスクで見かけて面白そうだと思ったのだが、期待したものとは少し違った。どうもこの作家の傾向として平凡な主婦がある日突然様々な理由により、独立せざるを得なくなり、人生が華やかに展開して自立の道を見つけるというパターンが多い。それにしてもこの本は、夫が急死して、いろいろ伏線があったにもかかわらず、すべて不発に終わり、一体なんだったのだろうと思わざるを得ない。 一番面白かったのは、ヒロインの亡くなった夫の弟。静岡ですっぽんの養殖業を営んでいる。ある意味、無私の人であり。好感をもった。



2012年07月06日(金) 李承雨著「植物たちの私生活」読了

韓国に行く前の週にバタバタと短時間で図書館に行って、新刊書のコーナーで題名だけで(表紙が緑色だったこともあり)てっきり植物の話だと勘違いして借りた一冊。7/4(水)朝に通勤で読もうと持ってきてバスで開いてびっくり。普通の小説だった。普通というのはちょっと違うかもしれない。おまけに初の韓国人の著者によるものだった。冒頭は一人の男が蓮の花市場で女を買う場面から始まる。ここですでに読むのを放棄しようかと思ったが、とりあえず読み進めることとする。話は思わぬ方向に進む。女を部屋に連れ込んだと思うや否や女が部屋を飛び出してくる。読者は一体何事かと、ついつい物語に引き込まれるわけだ。男の家族は部屋にこもったまま口もほとんど聞かない父親と高級レストランを経営する母、そして、兵役中に爆発事故で両足を失った兄との4人家族だった。優秀な兄を誇りとしていた両親、男は子供のころから疎外した存在として家出を繰り返す。兄にはスンミという恋人がいたが、男は既に二人がつきあっていないことを知る。兄は、両足を失い、ときどき性的な発作を起こすため、母親が兄をおぶって蓮の花市場に通っていたため、男がその役割を替わったのだった。崩壊寸前の家族。男は、そのきっかけを作ったのが自分であることを知る。スンミに横恋慕をした男は、兄が大事にしているカメラを持ち出し、家出の資金の足しにしようと質屋にいれるが、その際に兄が政治的活動をしている証拠となる写真がはいったフィルムごと渡してしまったのだ。兄は連行され、兵役に送られ、そして足を失ったのだ。男は兄を森に散歩に連れ出し、2本の木を示される。松の木にからみついているトネリコの木。男はそこに兄の心情を思う。カメラへの情熱を思い出させようと考える。男はスンミを訪ねていく。スンミは兄の事故を知らず、男の母やスンミを自分のものにしようとした義兄により、兄とスンミを嘘により引き離した。スンミは兄が自分を否定したのだと思い自暴自棄な生活を送っていた。やがて、物語は一家の根源的な秘密に近づいていく。母親は、まだ高級レストランの従業員であったときに、一人の高官と知り合う。彼には妻がいたが二人はやがて愛し合うようになり ある日彼女は南川につれていかれる。そこには南国の楽園があった。高官は政治犯として連れ去られ30年以上が過ぎる。ある日母のもとに高官からの使いが来る。母を追っていく男と兄。二人はそこで楽園で愛し合う二人の姿を目撃する。そして父親からの告白。父親はかつて母親と同じレストランで働くコックだった。母親を愛していた彼は、高官との子供を宿した母親をその楽園で子供を産み落とすまで世話をし、料理を作った。兄はその高官との子供だったのだ。 男はスンミを兄に会わせようと画策する。 そして兄の失踪。エンドに向かっては感動的だ。父親が初めて家族のために食事を作る。おだやかなひととき。明日には男が兄を連れてスンミが待つ南川に行く予定だ。幸せな予兆で物語は終わる。「すべての木は挫折した愛の化身だ」兄は人間や神話の神々が木に返信する話を集めていた。



2012年07月03日(火) 高梨尚之著「典座和尚の精進料理」購入

帰宅すると母が本を買ってきてほしいと言われたので(97歳の元気な女性の本らしい)一緒に気になっていたこの本をAmazonで予約する。夜には届いていた。思っていた以上に好みの本だった。どれも作ってみたいものばかりだ。



2012年07月02日(月) 川上弘美著「真鶴」読み始め

会社のTさんに借りた本をやっと読み始める。14日に借りながら、いざ楽しみに読み始めようとしたとたんに半年以上前に予約していた「二流小説家」の準備ができたという図書館からのメールが入ったのだ。おまけにまだ30人以上の予約者がいるため、延長ができず、その時に読んでいた古書の来歴も予約が入っていることが分かったため(借りたのは「その日に返却された本」の棚だったのだから、その時は予約が入っていなかったのに、既に5人も後ろで待機しているらしい。新刊であるからどこかに書評が載ったのかもしれない。)ということで、迷った挙句に古書の来歴は上巻を読んだ段階だったが、二流小説家の方を先にし、その後古書の来歴下巻を読んでやっとこの本に辿り着いたというわけだ。ところで川上弘美の本は読みやすく、この本も2日の通勤で読み終えたのだが、夫の失踪をテーマに女性の執着心を描いた作品なのだろうとは思うが、もしかしたら夫はこの女性に嫉妬のあまり殺害されたのかもしれないと思われる節もあり、それは著者によるひっかけであろうと思ったり、わけのわからない内に終わってしまった。最後にはミステリーのように解決するのだろうと思っていたのだが。不思議に終わり方は明るかった。夫の家族もついに位牌を作って、葬ることにし、女性も籍を抜くことを決心した。そんな折に夫の妹とその夫が上京してくる。会うことを少々ためらっていた娘の百(もも)も叔母といとこについて明るく話をしている。執着から解き離れたのだろうか。それとも執着をいだきながらも生きていく決心をしたのだろうか。それはわからない。



2012年06月29日(金) 有川浩著「図書館戦争」購入

韓国に持っていく本は、とにかく荷物が重いのであきらめ、空港で買うことにする。あまり吟味する暇もなかったのでとりあえずこの本を選ぶ。少し読んだが、3日間の旅程中、結局は数ページも読まなかった。戦争は本当に戦闘だった。あまり図書館とは関係のない話の展開に興味を失い、まあ、何も読むものがなくなったらいつか読むだろう。いずれにしても若者向けの小説だ。



2012年06月26日(火) ジェラルディン・ブルックス著「古書の来歴」読了

「100年前から行方が知れなかったハガダーが発見された。連絡を受けた古書鑑定家のハンナは、すぐにサラエボに向かった。ハガダーはユダヤ教の祈りや詩編が書かれた書で、今回発見されたのは、実在する最古のものと言われ、ハガダーとしては珍しく彩色された細密画が多数描かれていた。鑑定を行ったハンナは羊皮紙のあいだに蝶の羽の欠片が挟まっていることに気づく」下巻「500年の時を生き延びた稀代の古書サラエボ・ハガダー)それはなぜ作られ、どんな人々の手で守られてきたのか。鑑定をまかされたハンナがその本の中で見つけた白い毛、塩の結晶、ワインの染み、留め金の痕跡、蝶の羽が15世紀スペイン、17世紀ヴェネチア、19世紀ウィーン、20世紀サラエボで起きた驚くべき苦難の物語を雄弁に語っていく。 」最終章、ついに本の作成者の物語が語られる。なんと父を絵師に持つ少女だった。自分の姿を家族団らんの輪の中にそっと書き加え、サインをしたためた少女。最後に本物と再会したハンナは光の中、そのサインに気づく。感動的なシーンだった。



2012年06月24日(日) ウー・ウェン著「野菜料理は切り方で決まり!」他購入

朝日新聞の日曜版にあまり気が付かなかったが野菜料理のシリーズが掲載されていて、その都度気に入ったものがあると切り抜いていたが、先日「やさい流」として本にまとまったことを知り、Amazonに注文する。ついでに常々野菜の切り方を知りたいと思っていたので、この本も買った。「やさい流」は5名ほどの料理人が月々で担当していて、高梨尚之という人の物だけが実は気に入っていたことに気づく。この人は精進料理が専門らしい。



2012年06月23日(土) しかたなく返却「charlie and the Great Glass Elevator

期限が来たので(というか、1週間遅れている)とりあえず返却。来週は行けないので、残念ながら。チョコレート工場の後日談なので、いつか必ず読みたい。図書館でさらに、何冊か借りてきた。



2012年06月21日(木) デイヴィッド・ゴードン著「二流小説家」

6/18(月)から「殺す鳥」を読んでいる。6/14総会の前日に遡るが、その時は「古書の来歴」を読んでいた。会社のTさんから「真鶴」を貸してもらい、しかも家に帰ったら図書館から予約本が準備できているというメールが来ていた。てっきり平岩弓枝の「女たちの家」だと思ったらなんと「二流小説家」だった。嬉しい悲鳴とはこのことで、ひとまず古書の来歴の上巻を読んだところで、ひとまず中断し、とりいあえず殺す鳥を読み始める。実は殺す鳥を延期しようとしたらなんと予約者が3人も控えていることがわかったためだ。



2012年06月20日(水) ジョアンナ・ハインズ著「殺す鳥」読了

ゆっくり感想文を書こうと思っていたが、4人も返却を待っているらしく、しかたなく、これから図書館に行くべく、簡単に書き留めておくことにする。(これは23日の土曜日に書いている)何の気なしに「本日返却された棚」のところで見つけて借りたのだと思うが、今年の4月に発行されたばかり。いきなり4人も予約が入ったのは、どこかに書評でも載ったのかもしれない。(または図書館員が間違えて棚に陳列してしまったとか)急いでいる割には余計なことを欠いているが、こんなことが妙に楽しい日常である。原題はThe Murder Bird 殺人鳥にした方がインパクトがあるだろうが、実際はトカゲを殺していたつぐみがモチーフだから、殺人とは言えない。原題のままにしたらどうかとも思うが、そういうわけにもいかなかったのだろう。一応面白かった。が、どうも最後で盛り上がらなかったのは、最初に老母が殺人の容疑で逮捕され、実は姉が真犯人だったというあたりだろう。これが逆だった方が面白かったはず。「夏のコーンウォールで女流詩人キルスティンは死んだ。バスタブの中、裸で。自殺という検死審問の結論に娘のサムはただひとり異議を唱える。本当に自殺なら、母の日記と詩集の表題作になるはずだった詩「殺す鳥」はどうして見つからない?消えた日記と詩を探すサムの行動が、事件に新たな局面をもたらす。」最後の数行にこんなことが書かれている「ミリアム、ダイアナ、ラフ。本当の殺す鳥は誰だったのだろうか」キルスティンの2番目の夫であったラフ、ラフの母のダイアナと姉のミリアム。最初にラフの父、次に母親の恋人であった男、そしてミリアムの夫の兄、そしてキルスティン。その死を最初に願ったのはラフだった。実際に手を下したミリアムの告白をなかったものとして日常に埋没するその母ダイアナ。殺人とはこうした複雑な心情の絡み合いで発生するのかもしれない。また、エサとしてではなく、単にトカゲを殺すつぐみの暗く本能的な衝動を人間もまた持ち合わせているに違いない。そんな気がした。


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