| 2010年03月15日(月) |
松本清張著「草の陰刻」読み始め |
裏表紙より「松山地検庁舎の怪火で事務官が焼死、事故として処理された。だが、死亡した元検事の娘からの手紙に不審を抱いた青年刑事は真相追跡を始めた。そして浮かび上がるのは暗い過去を抹殺しようと普請する黒い影」若いころに犯罪を犯した人間が、政治家となるが、未解決事件として保管されている調書を焼くことによって過去を隠蔽しようとする。なかなか面白かったが、題名が出てくる箇所を見落としたらしいことが残念である。
| 2010年03月12日(金) |
我孫子武丸著「弥勒の掌」読了 |
お弁当特集をしている「ESSE」を買うために立ち寄った啓文堂にて購入。書店のお薦め本NO.1そして大どんでん返しという帯の言葉についつい買ってしまった。本当に懲りない人間である。読み始めてすぐに後悔したが遅かった。昨日まで松本清張を読んでいたせいか、作品の品格の違いにうんざりした。語り手は、共に妻を失うことになる高校教師と警察官である。最後のどんでん返しとは、この二人がお互いの妻を殺害していたというオチであった。驚くことでもなんでもない。もはやどうでも良いという感じだった。そこにITをふんだんに利用して情報操作により10年で多くの信者と資金を得ることができた新興宗教がからむ。最後は高校教師も警察官もこの宗教法人に取り入れられていく。悪は悪といなおっている宗教法人のほうが、かえって一市民として偽善家ぶっている二人より清清しく感じた。 早く古本屋に売ってしまいたい一冊だった。
| 2010年03月10日(水) |
松本清張著「球形の荒野」上下巻読了 |
一年ほど前に冒頭の数行が雑誌に紹介されていて、妙に惹かれ読みたいと思っていた一冊。先週図書館で1975年1月発刊の文庫を借りてきた。年月で紙が劣化し今にも破れそうだ。芦村節子が薬師寺から唐招提寺への道を辿るあたりから話は始まる。懐かしい道のりである。節子には戦時中にヨーロッパの任地で亡くなった外交官の叔父がいた。野上顕一郎という。彼は奈良の美しさを幾度となく節子に語った。唐招提寺の芳名帳にふと節子は「田中孝一」と書かれた文字を見る。それは亡き叔父の筆跡にそっくりだった。叔父は北宋の書家米フツの書体を習っていた。冒頭を詳しく書き込んでしまったが、結局彼は、戦争を早く終結することが日本を救う唯一の手段と信じ、表面上日本を売り、死亡したことにしフランスに亡命し、フランス国籍を得、結婚もした。節子は顕一郎の日本に残した妻の妹であった。 娘もいた。久美子といい、既に勤めに出ており、添田という新聞記者の恋人もいた。この二人もからみ、ストーリーは展開していく。最後は、久美子が実の父とも知らない顕一郎と海を眺めながら「七つの子」を歌う場面で終わる。なかなか充実した読後感であった。そうそう、題名の「球形の荒野」は次の一節に由来する。「野上さんにとっては、パリも砂漠も同じことさ。地球上のどこへ行っても彼には荒野しかない。結局国籍を失った男だからね。いや、国籍だけじゃない。自分の生命を十七年前に喪失した男だ。彼にとっては、地球そのものが荒野さ」
| 2010年03月03日(水) |
松本清張著「波の塔」上・下読了 |
3/1に上巻を読み始めるが、深大寺が出てくるあたりで、これが3度目であることに気づく。それでも全く登場人物・筋に記憶がない。そういえば、記憶にある深大寺は深夜であったから勘違いかもしれないと思えば、しっかりと夜の深大寺も出てきた。大体、10年以上前に読んだときも深大寺のところで過去に読んだことを思い出したのだ。ここまで記憶に残らないというのはさすがの私も驚いた。深大寺よりも最後の場面となる樹海の方が余程記憶に残りそうなものなのに。本文もさることながら、今回あとがきが記憶に残った。当時、樹海でこの本を枕にした女性の遺体が見つかったそうだ。枕にするくらいだから文庫本でなく、単行本だろう、などと変なことを思った。あとがきを書いているのは女性であり、自分でもいかにも女性らしい見方であると自覚しつつ、最後に頼子が自殺を選んだことに対して、結構意地の悪い書き方をしている。確かに彼女は、嫌悪しつつも夫の穢れた金で、着飾って生きてきた女性である。検事という職を失った小野木との今後の生活は、幸せになれるだろうかと思わざるを得ない。テーマは官庁の汚職で、頼子の夫はいわゆる政治ブローカーであった。彼の頼子に対する愛の葛藤も、結構後から思い出すと美しいような気がした。
| 2010年02月28日(日) |
朝のTVより「『平和と民主』では文学は死ぬ」 |
日曜日の朝、7:30に何気なくTVを見ていたところ、なかなか興味深い番組があった。西部ゼミナール 「戦後タブーをけっとばせ」 土曜の夜の再放送らしい。TOKYO MIXだから、チャンネルを変えているうちに遭遇のだろう。「世の中が変わっていくのはしかたがない、ただ、自分たちが失ったものを記憶しておく必要がある」それが文学の役割なのだろうか。谷崎の「細雪」の話になり。非常に当時の女性の気持ちなどが細やかに描かれていると語っていた。現在は筋だけが重視され、描写にはあまり注意が払われない。描写をしている間はストーリーがストップしているからであるとのこと。なるほどと思った。確かに筋を追う私には、いろいろな描写がうっとうしいことがある。
| 2010年02月23日(火) |
ジャネット・デイリー著「愛は幻想のかなたに」読了 |
著書はハーレークインにも入っているらしい。身辺警護の会社を経営しているデラニーは、弁護士の資格を持っているが、ある事件をきっかけにこの世界に入った。会社のパートナーのライリー、別れた恋人のジャレット 今回の顧客である映画スターのルーカスは精神薄弱の弟を世間から隠しながらも大切にしている。この弟は過去にジャレットの妹を事故死させた。ジャレットの元妻はかつてルーカスとつきあっていた。彼女は、ルーカスの秘密を知っていて彼を強請ったため、殺されてしまう。ただ、その死を身辺警護をしていたデラニーのせいにする。ここからいろいろなストーリーが展開し、最後は私の、というかその他大勢の読者の思惑通り、ライリーとめでたしめでたしということになる。さすがにロマンス、読者の期待を裏切ることはない。ミステリー仕立てで他の本よりやはり読み応えがあった。
| 2010年02月22日(月) |
ジャネット・デイリー著「ローソンブルーの瞳」上・下巻読了 |
まだまだデイリーである。この著者は秘書学校を卒業し、会社に勤め社長の秘書になるが、美貌をもって社長夫人の座を射止めたらしい。その後夫婦で早々に引退し、世界各国を優雅に旅行する日々というから、結構なことだ。ローソンブルーの瞳は、父の愛と馬と牧場、そんなものをめぐって葛藤する異母姉妹の話。二人はとことん憎みあい、ようやく許しあえたのは一方が死ぬときという 結構激しい話だった。
| 2010年02月17日(水) |
ジャネット・デイリー著「恋がたき」読了 |
原題は「ライバル」らしい。こちらの方が内容を表している。
| 2010年01月27日(水) |
クレオ・コイル著「コーヒーのない四ツ星レストラン」読了 |
コクと深みの名推理シリーズの第6巻目 まさに題名どおりのニューヨークの一流レストラン「ソランジュ」のコーヒーはひどくまずかった。一口口にしたクレア・コージーと元姑のマダムは思わず顔をしかめる。それまでのすばらしい料理を書き留めると、前菜はオイスターをシャンパンで茹でておいしいソースをかけ、ふたたび殻の中に置いたもの。主菜はロブスター。香ばしい色合いにバターソテーし、その周囲にポルチーニ茸のフランと好ましい褐色のフォアグラがたくみに配置されているらしい。デザートは伝統的なタルトタタンに現代的な趣向を凝らした一品。聞いているだけで美味しそうである。このレストランでクレアの一人娘ジョイが働いているため、二人は食事を取りにいくことにしたのだが、実際ジョイはここのエグゼクティブシェフのトミーケイテルとつきあっていたことが主な目的だ。彼は一回り以上年上でしかも妻がいた。そのジョイの料理学校でのクラスメートであり、ソランジュで一緒に修行をしていた仲間が殺される。ジョイが発見者だったため、容疑者扱いされるが、さらにやがてケイテルも殺され それがジョイをふった挙句に他店にジョイを転属させた直後であったため、またもやその第一発見者となったジョイは留置所に入れられる。娘を救うために、自らの命さえ危険にさらすクレアの活躍はすごかった。高級レストランの中身を垣間見ることができて楽しかった。
| 2010年01月17日(日) |
ジャネット・デイリー著「カルダー家の誇り」読み始め |
先週図書館で借りてきたカルダーシリーズ2巻目 とは言え、多忙により3ページのみ読んだ。前巻より3年経っているようだ。
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