日々の泡

2008年09月14日(日) 東野圭吾著「さまよう刃」読了

長峰は、祭りに行った一人娘絵摩の帰りを待ちわびている。多少遅いという心配から異常な時刻になってしまったとき。少年法への不信感。こんな小説も出るだろうと思っていた筋立だ。不良少年3人による殺害。謎の電話により犯人の一人の部屋に訪ねた長峰はそこでその少年たちが撮りためたビデオの中に絵馬の無残な姿を見つける。怒り狂う長峰はそこに戻ってきた犯人の少年をむごたらしく殺害し、共犯の少年を追って長野に旅立つ。長野のペンションという言葉を頼りに、探し回るがそこにかつて娘を不慮の事故で死なせてしまった女性が登場する。父親のペンションを手伝っているが、そこに泊り客としてあらわれた長峰が現在指名手配中の男であることに気づき、かくまう。その女性は長峰の犯行をくいとめようとし、一時は自供しようとする長峰であるが、そこに再び何者からか 残りの少年が上野に現れるであろうことを伝える電話が入る。 最終場面、長峰は警察官によって射殺され、そしてその警官の上司が責任を取って辞職するが、その上司久塚は、やはりかつて子供を殺された過去を持っていた。 彼が長峰に内部事情を知らせた本人であることが示唆されて小説は終わる。果たして久塚がとった行動は正しかったのかどうか。少年が殺されなかったとしたら、何年かの服役で少年たちはこの世界に戻ってきて次の犠牲者が出ないとは限らない。妙にやりきれない読後感が残った。



2008年09月12日(金) 東野圭吾著「放課後」読了

会社のHさんから東野圭吾の文庫を4冊借りる。私立清華女子高等学校の教師前島はこのところ3度続けて殺されかけた。



2008年09月10日(水) 東野圭吾著「パラレルワールド ラブストーリー」読了

月曜から読み始め読了。なかなか面白かったし、久しぶりに涙ぐむ場面あり。人物の性格には少々疑問が残るが、筋立ては面白い。主人公が友人を裏切ってその恋人を奪うあたり 好感が持てない。その少々不具である友人に対する優越感も感じられる。 相手の女性も智彦が足を引きずることに対して、親を説得しようという愛情に欠けている。智彦が心の自殺を選ぶ過程でも、どうも主人公は彼に対して不実である。




2008年09月05日(金) 諸田玲子著「希以子」読了



昨日の朝から読み始めて、土曜の夜に読了。結構分厚い単行本だったが、起伏に富んだ内容のせいか、すいすい読めた。表題となっている希以子が主役。場面は東京の下町から満州、そして北京へと移る。おおらかな物事にこだわらない明るい性格の希以子が、血のつながりのある親、兄弟、そして義理の関係にある親兄弟との時には反発しながらも心温まる交流が大筋に流れ、その間 男性との恋愛も描かれるものの、こちらは結局はどれも破談になり 最後の場面では 一人逞しく3人の子供を育てるヒロインの姿で終わっている。



2008年08月31日(日) 東川篤哉著「館 島」途中

井の頭公園へのお供に昨日買った文庫を携えていく。以前からたまに入るアジアンテイストのお店 Karakoでブックカバーを購入。 お笑い系ミステリーというふれこみだったが、随所で思わず吹き出しそうになる描写あり。(それでも若い頃のように笑い声にはならないのがさびしい)今のところ面白い。



2008年08月30日(土) 諸田玲子著「其の一日」途中

図書館で借りた単行本。短編集である。「立つ鳥」、「蛙」、「小の虫」、「釜中の魚(ふちゅうのうお)」
お家断絶の一歩手前にある家中は大騒ぎで、逃げ出す者や妾が後を絶たない。そんな中、主の彦左衛門はいかに不正に見えようと自分としては国のために行ってきた仕事と言う自負がある。出世のために捨てた許婚の心情、長年夫婦らしい関係でもなかった妻の誠意がこんな折にこそ見えてくる。そんな「立つ鳥」 なぜ「蛙」という題なのかはすでに思い出せないが、この短編が一番面白かった。平凡な顔立ちの弥津が義母の目にかない、その用紙である嫡男の嫁に迎えられたのには理由があった。その理由に思い当たったのは、夫の通夜で遺骸に寄り添う義母の姿を見たことによる。なさぬ中で傍目には仲が悪いと思われていた義理の母と子。夫は郭の女性に狂い、殺傷した挙句に自らも命を絶つが、その女性は義母にそっくりであった。
小説はこうでなければ!と面白く読んだ。



2008年08月28日(木) 貫井徳郎「追憶のかけら」読了

やっぱりどんなに精巧に作られたミステリーでも動機がマズイとどうしようもない。同期にリアリティが必要である。いくら暇とお金を持て余した有閑マダムであってもわざわざ自分の息子を振った女性の夫を大掛かりな罠にかけたりするだろうか。しかも其の女性は既に死んでいるのである。其の罠も笑えるものならともかく文学という形をとっているところがアンバランスである。途中、死んだ妻が叔母に敵を討つことをたのんだ、という偽のシナリオが出てきて、主人公は幸福な過去すらも崩壊してしまったことを悲しむが、まだ其のほうがましだったような気がしないでもない。とにかく途中まで面白かっただけにがっかりだ。



2008年08月26日(火) 諸田玲子著「恋縫」読了

短編集。図書館で借りた文庫本である。恋縫、路地の奥、竹薮をぬけて、花火。どれも良い意味でも悪い意味でもしたたかな強い女性が描かれている。「恋縫」では 古着屋をやっているお縫いは、年季奉公に上がっている龍次が年季があけ戻ってくると喜んでいる。実は、悪い仲間に引き込まれ、追い出されたのである。 其の仲間と一緒に押し込み強盗にはいろうとしていた一夜、お縫いの父親は、どうあっても龍次をどこにも行かせてはいけないとお縫いに命じて出かけていく。お縫いに「お前ならできる筈」と言い残して。止めるお縫いを振り切って走り去ろうとする龍次、お縫いは川に飛び込む。この純粋な気持ちが実を結び、物語は明るい未来を予感させて終わる。なかなか感動的だった。他にも自分の子供を跡継ぎにするために前妻の子供を川に沈める女など、たくましい女性が描かれる。どの作品も楽しめた。



2008年08月25日(月) 20080825小物の手芸本

エコの一環で最近ブックカバーを愛用。というか買いあさっている。自分で作ってみようと、こんな本を購入。結局作りかけたが、挫折。



2008年08月24日(日) 貫井徳郎「追憶のかけら」途中

最近買ったように思うが記憶がない。手許の諸田玲子が尽きてしまったのでとりあえず読み始める。3年前に夫婦喧嘩の挙句に家を出てしまった妻がその一週間後に事故死したと言う過去を持つ大学の非常勤講師、松嶋は娘を妻の実家に奪われてしまった状態で鬱々とした日々を送っている。妻の父は勤めている大学の教授である。娘を取り戻すためには彼に自分の力を見せるしかない。そんな折、彼は若くして自殺した作家の手記を入手する。

金曜日に新宿のSHERRYで買ったブックカバー。なかなか気に入っている。


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