| 2008年08月08日(金) |
諸田玲子著「あくじゃれ(瓢六捕物帖)」読了 |
図書館で借りた一冊。取り調べの場面から始まる。定廻り同心・篠崎弥左衛門と博打で捕まった瓢六。緊迫した場面であるにもかかわらず、瓢六は芸者お袖との逢引を妄想している。この同心が主人公であろうと思っていたら読み進めていくうちに瓢六にスポットライトが当たっていることに気づく。思い当たって表紙を確認すれば確かに瓢六捕物帖と副題がついている。この瓢六の前身は長崎の地役人で唐絵目利き、阿蘭陀通詞を務めていたという才人である。本物と贋物を見分ける能力は唐絵だけに発揮されるのではなく、人間を見分けることもできる。 この能力に目をつけたのが弥左衛門の上司、菅野一之助で、やせぎすで色白の品の良い顔立ちと書いてある。弥左衛門は角張った顔のいかにも融通のきかないタイプらしいし、瓢六は26歳、眉目秀麗ということで、この3人の対比も面白い。瓢六は事件が起こるたびに牢獄から娑婆に出されて解決に才能を発揮することになる。初め反目しあっていた弥左衛門と瓢六も共に事件に当たっているうちに互いに人柄に惹かれていき、やがて弥左衛門は恋の指南役としても瓢六を頼りにするようになる。弥左衛門は、妻を病気で亡くして以来、独り身を通しているが、姉の政江が何かと縁談を持ってきてうるさい。仕事のため、すっぽかしてしまったお見合いでも姉に言われ、相手の親に謝りに行くが、反対に大喧嘩になる始末。おまけに帰り道に、見合い相手であった八重に遭遇し、その純真な姿にすっかり恋に堕ちてしまう。八方塞の中で、弥左衛門が悶々とする姿も笑える。 帰りに瓢六シリーズ第2巻、「こんちき」(あくじゃれ瓢六捕物帖)を新宿ルミネの書店にて購入。帰りの京王線でお味見。 面白そうだ。 明日から9日間の夏休みということで、夜、北京オリンピックのオープニングを見ながら、Mixiにて諸田玲子のサイトを見つける。
| 2008年08月05日(火) |
20080805諸田玲子著「幽恋舟」途中 |
なにやら女がお白州で取調べを受けている凄惨な場面から小説は始まる。これはあくまで序であり、やがてのんびりした中川舟番所の勤務風景から始まる。杉崎兵五郎という47歳になる舟番所に勤める御番衆である。退屈きわまる日々の勤めが続くある日、1艘の舟を見つける。たけという17歳の娘とその女中つるの二人が乗っていた。二人を家に連れ帰った兵五郎は、いつしか親子ほど年齢の違うたけに惹かれるようになり、もしかしたら母、祖母同様にいつか乱心するのではないかと不安を訴えるたけのために、いろいろと調べだす。ここに友人として奉行所の大島が登場する。このたけの母が序の部分で白州で裁きを受けていたふじである。まだ途中であるが、今後の展開が楽しみだ。
| 2008年08月04日(月) |
諸田玲子著「誰そ彼れ心中」読了 |
さわやかな慕情から始まった小説だったが...。題名を忘れて読みふけっていたが、最後に心中場面。旗本である向坂家に嫁いだ瑞枝は、舅、姑、小姑とうまくいかずにこの3年間を過ごしてきたが、唯一便りにすべき夫宗太郎に最近違和感を感じている。 小者である小十郎からほんの疑惑であるが...と打ち明けられるに至って、瑞枝の疑いがどんどん大きくなっていく。身の回りで起こる小動物の残虐な死。実は宗太郎は 双子の兄に殺害されて 無名の墓に埋められていた。その事実を知りながらも お家のために偽の宗太郎を盛り上げている家族。ついに瑞枝は小十郎と出奔するが...。シリーズ物ではないが、奉行所勤めの草花が好きな大島は次に読んだ幽恋舟にも出てきたから一連の小説集なのかもしれない。心中などせずに逃げおおせて幸せになれば読後感も良かっただろうにと、最近ハッピーエンドが好きになった私は思うのだが、それではこの標題が使えないだろう。
| 2008年08月03日(日) |
諸田玲子著「鷹姫さま」読了 |
お鳥見女房シリーズ 3作目。読了後すぐにネットで調べたが、4作目はまだ単行本しか出ていないらしい。 とにかく読みやすいし、なかなか感動的でもあり、当分諸田玲子で楽しめそうだ。 家族の問題が少しずつ解決し行く様子が良いし、何と言っても一家をまとめている珠世が明るくてよい。3作目は次女君江の祝言で終わっている。長男久太郎を見初めた「鷹姫」も次回からはかなり登場してくるのではないか。展開が待ち遠しい。 図書館から昨日借りてきた諸田玲子の「誰そ彼れ心中」を読み始める。 この人の小説はとにかくすっとその世界に入っていけるのが良い。
| 2008年08月02日(土) |
図書館に行く 諸田玲子他 |
2週間遅れで本を返しに行く。読んだのは諸田玲子のお鳥見女房くらい。でも大きな収穫であった。ついシリーズの2,3作目を買ってしまったが、幸い図書館になかったのでほっとする。買った本や借りた本はその時の心身のバロメータだと思うので(と言うか、そう思いついたときは心のバロメータだったが、体調もかなり影響する年齢になってきた)借りた本を列挙。小林秀雄著 栗の樹、村上春樹著 遠い太鼓、諸田玲子 幽恋舟、誰そ彼れ心中、氷葬、保坂和志著 明け方の猫、草の上の朝食。 まあまあの心身状態か。全部文庫本なのは、荷物の重さを相変わらず気にしているため。 ところで19:00頃に図書館から電話。またしても図書カードを自動貸出機に置いてきてしまったらしい。「すみません、私、常習犯なんです..」とつい、電話の向こうの人に頭を下げてしまった。
| 2008年07月31日(木) |
諸田玲子著「蛍の行方」読み始め |
昨日、府中の啓文堂にて お鳥見女房シリーズの2冊を買う。鷹姫が次の1巻。登場人物の魅力がなにより楽しい。
| 2008年07月30日(水) |
山本一力著「だいこん」読了 |
日曜日に吉祥寺の啓文堂で買った3冊の文庫本の中の一冊。あとは「ボーンコレクター」と「追憶のかけら」。「だいこん」は面白かった。つばきという一膳飯屋を経営するヒロインが魅力的だった。
| 2008年07月27日(日) |
諸田玲子著「お鳥見女房」読み始め |
昨日「月を吐く」を読み終え、やはり図書館から借りていたこの本を読み始める。短編の形をとっているが、3章を読んだばかりだが、人情味あふれたなかなか良い感じの小説だ。確かこれは3冊くらい出ているはずなので当分楽しめそうだ。敵を討つ女性と討たれる浪人が一つ屋根の下に鳥見を業とする一家と寝起きすることになり、そこからいろいろな事件が起こるわけだが、ほのぼのとした雰囲気はこの一家の女房である珠世の人柄にあるようだ。 今日は吉祥寺に行ったが、往復の電車で読み続け、喫茶店で読み、家に帰って昼寝の後で読み...読了。さらさらと気持ちよく読めるし、なによりも先が楽しみでページをめくってしまう。 吉祥寺の啓文堂で文庫本を3冊、肩・背中の痛み」の本を購入。 ジェフリー・ディーヴァー「ボーン・コレクター」(昨年ディーヴァーにはまりながらも、図書館でいつも貸し出し中だったために肝心の1冊目を読んでいなかったため、少々時期外れながらも購入)貫井徳郎「追憶のかけら」、山本一力「だいこん」(これも江戸時代の市井の話。かなり分厚く重いので迷ったが購入)お鳥見女房の続編が気になるが、とりあえず明日は「だいこん」が通勤のお供になりそうだ。
| 2008年07月26日(土) |
諸田玲子著「月を吐く」読了 |
2冊目の諸田玲子である。なかなかさっぱりした文体が気に入っている。徳川家康の正室 築山御前の一生を描いているが、昔「徳川家康」26巻を読んだときにも非常に印象的な人物であった。その後NHKの大河ドラマで家康を放映したときには、名前は思い出せないが 有名な女優が演じていた。少女時代から描かれていたため、築山御前という名前が出てきたのは家康と結婚してからであったからかなり小説の後の方になるが、そのときからぴったりとイメージがこの女優さんと重なった。また、大竹しのぶが演じた家康の母 於大は聡明な女性であったが、この小説では 田舎っぽい一見善良に見えて、実は心中では常に姦計をめぐらせる悪女として描かれている。 話は戻って築山御前は、家康の嫡男信康の母であるが、この母子のエピソードは山岡壮八の家康でも、あまりすっきりしない、嫌な事件であった。この「月を吐く」では、最後のシーンは史実とは異なり、家康の計により逃げのびた築山御前である瀬名と幼馴染であった広親が再会し、その後心穏やかな日々を送ったであろう事を思わせて、後味は良かった。この題名であるが、一つの舞台が、丸子にある柴屋寺「吐月峰」であるが、この寺には以前母と訪れたことがある。名前の珍しさと、丸子の宿であった近辺で食べたとろろ料理の美味しさに忘れられない記憶となっているらしい。 そういったこともあり、楽しめた一冊であった。
| 2008年07月20日(日) |
「深海のYrr(イール)」フランク・シェッツイング著途中 |
上巻を蔦屋書店で購入。このとき、上・下が並んでいたが、とりあえず上巻のみ。かなり分厚い。多分人間が環境破壊をした結果、海底の動物が発狂し、人物を破滅させようとする話。 鯨ウォッチング用の観光船が鯨により転覆させられるシーンは恐ろしいが、それどころではない恐怖が次から次へと襲い掛かってくる。不安を掻き立てる恐怖だ。 なんとか1巻を読み終えることができそうだったため、朝日新聞社の下にある本屋で下巻を探すが、なんと中・下が並んでいる。3巻本らしい。要するに、2人の人物がそれぞれ1巻のみ買った計算になる。 初めからこんな長編だと知っていたら手を出さなかっただろう、と思いながらしかたなく中・下を購入。 ますます水面下にはおぞましい怪物の出現し、ついに耐え切れずに中巻の途中で放り出す。神経的な恐怖は苦手だ。
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