| 1998年07月21日(火) |
サンドラスコぺトーネ 潔い死を |
ミステリー小説 作者:現代 U.S.A. 出版社・値段:扶桑社 女性探偵もの。シリーズになっています。事件の捜査、解決についてはそれほど面白いとは思いませんが、ずっと私が買い続けているのはきっと大の甘党であるヒロインがチョコレートケーキの誘惑とダイエットの狭間で戦っている箇所に惹かれるのでしょう。 飼っている2匹の猫の描写も可愛い。今回はどうやらパソコンの扱いについては私とどっこいどっこいのヒロインが掲示板やメールにはまっている様子が楽しかったです。なにか...ミステリーの感想になっていませんね。1998年7月21日
その他 作者:現代 日本 出版社・値段:新潮文庫 今年の新潮文庫の100冊の1冊 著者は手に取るまで知りませんでした。実は新潮文庫の100冊から2冊買うとパンダのキーホルダーを貰えるというCMにつられ、なにがなんでも2冊買おうと見回したのですが、結構読んだことがあるものか、またはこれから読もうと買ってあるものばかり。結局この本と同じ著者の[ポプラの秋]を買いました。著者は東京音大を出てオペラの台本を書いている内に物書きになったようで、この本は日本児童文学者新人賞をとっています。内容は悪ガキ3人組が[死]というものに興味を持ち、近所の今にも死にそうなおじいさんを四六時中見張ることにより死に遭遇してみようと試みます。ずっとおじいさんの行動を見ている内に両者に妙な連帯意識が発生し、子供たちの目にはただの老人と映っていたおじいさんがだんだんに一個の尊重すべき存在に変わり、まだただ毎日を惰性で暮らし、死をまつばかりだったおじいさんの方も見られているという意識により、身辺を小ぎれいにしたり、という変化がでてきます。もちろんなによりも孤独からの解放のききめでしょう。 昨年の神戸の事件以来、子供に[死]というものを理解させる試みが多く報道されていますが、そういったことを考えると作者の意図が丸見え、という感じで少々興ざめな点もありますが、最後にはやっぱり涙が...心温まる一冊でありました。(1998年7月15日)
| 1998年07月13日(月) |
田辺聖子 おちくぼ姫 |
その他 作者: 日本 出版社・値段:角川 昔、子供用の落窪物語を読み、その後やはり田辺聖子の[舞え舞え蝸牛]という題で読みましたが、これはさらにそれを若い人向けに書き直したとのこと。 いわゆるシンデレラストーリーですから現代向けに脚色しなくても十分面白いように思います。 もちろん原典を読んでいませんからなんともいえませんが、いくら若者を古典になじませようという目的にしろ、ちょっとくだけすぎではないかと思いました。作中人物の心の動きを現代人の発想に変換しているのですが、古典を読んでいて、現代の考え方とのずれを感じることもその魅力ではないかと思います。(1998年7月13日)
| 1998年07月10日(金) |
シンシア ビクター 遺言執行人 |
ミステリー小説 作者:現代 USA 出版社・値段:講談社 895 とりあえず本がなくならない内に書き込んでおきます。ネタバレですが、犯人は相当凶悪な女性ですが、これが並ではないおデブ。話題になった[女彫刻家]を思い出させます。デブの悩みは単純そうに見えて実は屈折しております。自分をそしる他人への憎しみもさることながら、なによりも自己嫌悪。自分の醜悪さへの嫌悪とそれでもなお食べ続けてしまう自分の向上心のなさ、意志の弱さへの嫌悪。そんなこんなで怒りはどこへ向かうかというと...。ところでこの小説は肥満を笑われたから人を殺した...とかいう話ではありません。 念のため。(1998/7/10 6:45
| 1998年07月01日(水) |
三浦綾子 雪のアルバム |
その他 作者: 日本 出版社・値段:小学館 感想は先日書いた[銃口]と同じ。(すごく手抜き...)人を許すことの難しさ、さらにもっと難しいのが自分を許すことだとしみじみ思いました。 三浦綾子は好きですが、小学校の時、親の本棚からこっそりと抜き取っては読んでいた[氷点]がやっぱり一番面白かった。いろいろと無知ながらも子供は大人の本をどうにか整合して読んでしまうようです
| 1998年06月10日(水) |
シドニーシェルダン THE BEST LAID PLANS(氷の淑女) |
ミステリー小説 作者:現代 U,.S.A. 出版社・値段: とにかくエキサイティングでありました〜。クライマックスシーンでは電車の中だというのに涙が〜。 (悲しいとか感動的とかそういう種類の涙ではなくなんと言ったら良いのでしょうか....とにかくエキサイティング〜)先般世界中を騒がせた米国大統領のスキャンダルをネタにしたことはあきらかですが、久々に面白かったです(最近のシドニーシェルダンはいまひとつでありましたが)それにしてもどう考えても最後に笑うはずだったのはこの人だったのに....と思われる気の毒な女性が一人。 復讐を果たし得ないばかりか全世界の笑い物に....。 シドニーシェルダンってフェミニストじゃなかったのね〜。
| 1998年06月05日(金) |
鯨 統一郎 邪馬台国はどこですか? |
ミステリー小説 作者:現代 日本 出版社・値段:創元推理文庫 520円 よくある歴史推理物だと思い、たいして期待もしないで読み始めたのですが(しかもどこぞの推理短編賞の選からもれたらしい)内容もイエスキリストは十字架上で死んだのではなかった、とか勝海舟は催眠術で反対者を操作することにより江戸城引き渡しを成功させた、聖徳太子は実は推古天皇だったなどなど有名な史実を全く違った方向からの見せてくれます。しかも妙に納得させられてしまうところがまるでそれこそ催眠術か手品のようです。 短編で、ちゃんとオチがあるところが気に入りました。(このオチの効果は最後のキリストの話がいちばんはまりました)でも、歴史推理はさておき登場人物が妙におかしい。 日経の書評にベッドディテクティブの一種とありましたが、登場人物は4人のみ。 舞台は食事も出てくるバーでそこマスターと客が3人。 カクテルもですが、メニューが魅力的。 この短編集の魅力の一つとなっています。
| 1998年05月26日(火) |
宮沢賢治 猫の事務所 |
純文学小説 作者: JAPAN 出版社・値段:角川かにゃ〜? 「賢治の事務所」というHPに「もちろん猫の事務所から名前をつけました」と書いてあったのであわてて読みました。本当にその辺にある小さなお役所の出張所みたいな事務所で働く猫たちの話なのですが、みんなにいじめられながらも仕事を大事にしている竃猫の姿がけなげです。 かわいかった場面もあります。 竃猫が自分への質問に答えるため短い前足を帳簿?の二カ所にそれぞれはさんでいたという箇所。 猫の短足はチャームポイントのひとつですね。1998年5月26日朝 ■五輪の薔薇 その他 作者:現代 英国
| 1998年05月10日(日) |
チャールズ パリサー 五輪の薔薇 |
その他 作者:現代 英国 出版社・値段:早川書房 上下各4千円 その昔、学生時代に単位ほしさに法学なるものをとりましたが、60過ぎの教授が1年間、一回も学生の方を見ることなく延々と語っていたのが[慣習法と衡平法]とにかく英国の裁判の長たらしくて複雑怪奇なことをだけは頭にたたき込まれました。 あれから長い年月が過ぎ、一体あの一年間は...と思うことがありましたが、ついにあの講義が日の目を見る日が。 ものすごく長い前置きとなりましたが、この大長編小説、(帯に[今世紀が生んだすべての小説がこの物語にひれふすだろう]と書かれていました)19世紀のロンドンの町、富む者と貧しい者、遺産をめぐる数世代にわたる確執とそれに拍車をかけるがごとき、裁判の長さ...そういえば以前にも似たよなものを読みました。 このときはあまり長く争っていたため、その手数料の方が遺産よりも高くなってしまったという結末。(ここまで書いてふいにおそってきた睡魔によりひとまず退散)
純文学小説 作者:現代 日本 出版社・値段:講談社 1,748円 [ダディー購入時カムフラージュ本 死ぬ間際に自分は必ず転生するから探してほしいと言い残した妻の言葉に半信半疑ながらも妻をさがす旅に出る男をはじめとしてインドツァーに参加した数名の男女にスポットを当ててその心の旅を描いています。 死と再生、そして宗教と愛が語られていきますが、作者自身の探求の道であったであろう事は間違い在りません。 現代では[死]は誰もが避けられないものであるにもかかわらず、覆いをかけられて日常からは隠されているため、生と死があまりにも隔絶しているように思います。(それだけに死が恐怖の対象となっているのでしょう) 作中、[(ガンジス)河は相変わらず黙々と流れている。 中略 ここでは死が自然の一つであることが顕然として感じられるのだった] という文章に、飛行機嫌いの私ではありますが、いざとなったら死期が近づいた象が象の墓場に行くようにインドに行こう...などとふと思いました。 河にちょっと足を踏み入れるように[死]に入っていけるのであれば、人間はどんなに幸せに生きられることかと思います。 学生時代、何冊か遠藤周作の宗教物は読みましたが、そのころはまだ基督教的神の愛に重点が置かれていたように思いますが、ここに至って、すべての宗教の垣根を取り払ったところに真の神の姿を求めようとする作者の思いを感じるように思いました。 作中人物はそれぞれの苦しみを持っているのですが、その救済としてたとえば[鳥]やボランティアの青年が登場します。 神はあらゆる物の中に存在するという文中の言葉が単に表面上の言葉ではなく、妙に説得力をもって読了後の余韻として残りました。 1998/4/29
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