| 1998年07月10日(金) |
シンシア ビクター 遺言執行人 |
ミステリー小説 作者:現代 USA 出版社・値段:講談社 895 とりあえず本がなくならない内に書き込んでおきます。ネタバレですが、犯人は相当凶悪な女性ですが、これが並ではないおデブ。話題になった[女彫刻家]を思い出させます。デブの悩みは単純そうに見えて実は屈折しております。自分をそしる他人への憎しみもさることながら、なによりも自己嫌悪。自分の醜悪さへの嫌悪とそれでもなお食べ続けてしまう自分の向上心のなさ、意志の弱さへの嫌悪。そんなこんなで怒りはどこへ向かうかというと...。ところでこの小説は肥満を笑われたから人を殺した...とかいう話ではありません。 念のため。(1998/7/10 6:45
| 1998年07月01日(水) |
三浦綾子 雪のアルバム |
その他 作者: 日本 出版社・値段:小学館 感想は先日書いた[銃口]と同じ。(すごく手抜き...)人を許すことの難しさ、さらにもっと難しいのが自分を許すことだとしみじみ思いました。 三浦綾子は好きですが、小学校の時、親の本棚からこっそりと抜き取っては読んでいた[氷点]がやっぱり一番面白かった。いろいろと無知ながらも子供は大人の本をどうにか整合して読んでしまうようです
| 1998年06月10日(水) |
シドニーシェルダン THE BEST LAID PLANS(氷の淑女) |
ミステリー小説 作者:現代 U,.S.A. 出版社・値段: とにかくエキサイティングでありました〜。クライマックスシーンでは電車の中だというのに涙が〜。 (悲しいとか感動的とかそういう種類の涙ではなくなんと言ったら良いのでしょうか....とにかくエキサイティング〜)先般世界中を騒がせた米国大統領のスキャンダルをネタにしたことはあきらかですが、久々に面白かったです(最近のシドニーシェルダンはいまひとつでありましたが)それにしてもどう考えても最後に笑うはずだったのはこの人だったのに....と思われる気の毒な女性が一人。 復讐を果たし得ないばかりか全世界の笑い物に....。 シドニーシェルダンってフェミニストじゃなかったのね〜。
| 1998年06月05日(金) |
鯨 統一郎 邪馬台国はどこですか? |
ミステリー小説 作者:現代 日本 出版社・値段:創元推理文庫 520円 よくある歴史推理物だと思い、たいして期待もしないで読み始めたのですが(しかもどこぞの推理短編賞の選からもれたらしい)内容もイエスキリストは十字架上で死んだのではなかった、とか勝海舟は催眠術で反対者を操作することにより江戸城引き渡しを成功させた、聖徳太子は実は推古天皇だったなどなど有名な史実を全く違った方向からの見せてくれます。しかも妙に納得させられてしまうところがまるでそれこそ催眠術か手品のようです。 短編で、ちゃんとオチがあるところが気に入りました。(このオチの効果は最後のキリストの話がいちばんはまりました)でも、歴史推理はさておき登場人物が妙におかしい。 日経の書評にベッドディテクティブの一種とありましたが、登場人物は4人のみ。 舞台は食事も出てくるバーでそこマスターと客が3人。 カクテルもですが、メニューが魅力的。 この短編集の魅力の一つとなっています。
| 1998年05月26日(火) |
宮沢賢治 猫の事務所 |
純文学小説 作者: JAPAN 出版社・値段:角川かにゃ〜? 「賢治の事務所」というHPに「もちろん猫の事務所から名前をつけました」と書いてあったのであわてて読みました。本当にその辺にある小さなお役所の出張所みたいな事務所で働く猫たちの話なのですが、みんなにいじめられながらも仕事を大事にしている竃猫の姿がけなげです。 かわいかった場面もあります。 竃猫が自分への質問に答えるため短い前足を帳簿?の二カ所にそれぞれはさんでいたという箇所。 猫の短足はチャームポイントのひとつですね。1998年5月26日朝 ■五輪の薔薇 その他 作者:現代 英国
| 1998年05月10日(日) |
チャールズ パリサー 五輪の薔薇 |
その他 作者:現代 英国 出版社・値段:早川書房 上下各4千円 その昔、学生時代に単位ほしさに法学なるものをとりましたが、60過ぎの教授が1年間、一回も学生の方を見ることなく延々と語っていたのが[慣習法と衡平法]とにかく英国の裁判の長たらしくて複雑怪奇なことをだけは頭にたたき込まれました。 あれから長い年月が過ぎ、一体あの一年間は...と思うことがありましたが、ついにあの講義が日の目を見る日が。 ものすごく長い前置きとなりましたが、この大長編小説、(帯に[今世紀が生んだすべての小説がこの物語にひれふすだろう]と書かれていました)19世紀のロンドンの町、富む者と貧しい者、遺産をめぐる数世代にわたる確執とそれに拍車をかけるがごとき、裁判の長さ...そういえば以前にも似たよなものを読みました。 このときはあまり長く争っていたため、その手数料の方が遺産よりも高くなってしまったという結末。(ここまで書いてふいにおそってきた睡魔によりひとまず退散)
純文学小説 作者:現代 日本 出版社・値段:講談社 1,748円 [ダディー購入時カムフラージュ本 死ぬ間際に自分は必ず転生するから探してほしいと言い残した妻の言葉に半信半疑ながらも妻をさがす旅に出る男をはじめとしてインドツァーに参加した数名の男女にスポットを当ててその心の旅を描いています。 死と再生、そして宗教と愛が語られていきますが、作者自身の探求の道であったであろう事は間違い在りません。 現代では[死]は誰もが避けられないものであるにもかかわらず、覆いをかけられて日常からは隠されているため、生と死があまりにも隔絶しているように思います。(それだけに死が恐怖の対象となっているのでしょう) 作中、[(ガンジス)河は相変わらず黙々と流れている。 中略 ここでは死が自然の一つであることが顕然として感じられるのだった] という文章に、飛行機嫌いの私ではありますが、いざとなったら死期が近づいた象が象の墓場に行くようにインドに行こう...などとふと思いました。 河にちょっと足を踏み入れるように[死]に入っていけるのであれば、人間はどんなに幸せに生きられることかと思います。 学生時代、何冊か遠藤周作の宗教物は読みましたが、そのころはまだ基督教的神の愛に重点が置かれていたように思いますが、ここに至って、すべての宗教の垣根を取り払ったところに真の神の姿を求めようとする作者の思いを感じるように思いました。 作中人物はそれぞれの苦しみを持っているのですが、その救済としてたとえば[鳥]やボランティアの青年が登場します。 神はあらゆる物の中に存在するという文中の言葉が単に表面上の言葉ではなく、妙に説得力をもって読了後の余韻として残りました。 1998/4/29
純文学小説 作者:現代 日本 出版社・値段:小学館 上下各619円 純粋で理想家の主人公は、小学校時代に既に教師こそが自分の天職だと思い定めるが...。 大正天皇の崩御に始まり、昭和天皇の大喪の日に終わるこの小説はまさに昭和史そのもの。治安維持法に触れたとして監獄に入れられたり、結婚式の直前に赤紙が来たりと、さまざまな挫折を経験しながらも、主人公が成長していく様を、常に迷い続ける心の葛藤や宗教の問題などを織り交ぜながら描いています。 と、ぐちゃぐちゃ書きましたが、 とにかく全編を通して人間味があふれかえっていまして、なんだかんだと言いながら、圧倒的に善人が多く登場する小説です。 実はこういう小説に一番弱い...。1998/04/28
| 1998年04月26日(日) |
ジェフ アボット 図書館の死体 |
ミステリー小説 作者: 米国 出版社・値段:早川書房 680円 続刊が出ているというのにいまさらですが。いわゆる素人探偵物。 ミステリーなので詳細を書くことは控えますが、殺された女性の持っていたリストには町の人々の罪が聖書の中の一節で示唆されていたりして最後まで面白く読めます。 また帯に有るように感動的で心温まるラストシーンもあります。(でも帯にこう書かれると、感動しなかったらどうしよう、とか涙を拭くハンカチを用意してしまったりして、ちょっと身構えてしまいます)でもちょっとひっかかるのが、素人探偵という設定。 確かにおもしろいのですが、素人ゆえのあまりに無防備で感情的な捜査にはちょっと首をかしげたくなります。 一体公の機関は何をやっているのか、と思われるほど、全体としてのバランスが悪いときがありますね。 余程必然的な状況作りが為されていないとちょっと弱くなりがちです。 1998/4/24 9:10AM
| 1998年04月15日(水) |
郷ひろみ ダディー(爆) |
ノンフィクション・ドキュメント 作者:現代 日本 出版社・値段:幻冬舎 1,555円 もうすぐ古本屋に出回るでしょう ファンの方には怒られるかもしれませんが....言葉も思想も借り物ですし、真剣であるべきところで笑いをとろうとする姿勢には怒りすら覚えます。でも反対に、読者をだませるくらいの誠意のある文章は書こうと思えばいくらでも書けた筈なので、かえってそこに著者の偽善のない真実が語られていると思えないこともありません。 昔ファンだった妹が是非送ってほしいというので買いました。(言い訳がましく付け加える....)
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