ミドルエイジのビジネスマン
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| 2008年11月03日(月) |
パシフィコ横浜に行く |
金曜日は仕事がらみで、パシフィコ横浜で開かれた「フラットパネルディスプレイ展」を見に行った。ウィークデイの午前中ということもあってか、よく行く東京ビッグサイトほどの人込みではなかった。
一番奥の中央、最も目立つ場所で近隣の倍以上のスペースで大企業を圧倒し、巨大なディスプレイを展示していたのは、日本企業ではなく韓国のサムスンであった。そこでの目玉商品は立体テレビだった。最近では赤と青のメガネをかける必要もなく、普通に立体画像を見ることができる。何気なくアニメの中でボールが行き来するのを見ていたのだが、そのうち一個が画面から飛び出して、すごい勢いで自分に向かって飛んできたので、思わずのけぞってしまった。幸い体には当たらず、頭の50センチくらい先で消えてくれたが、これはすごい。デッドボールを食らうかと思った。
ただ、画面を見続けてているとクラクラして頭が痛くなりそうだった。やはり、まだ不自然なところがあるのだろう。今では映画でも恐竜が出てきたり、大災害のシーンではコンピュータグラフィックスが使われているが、例えばアクション映画で自動車が観客に向かってジャンプしたり、ナイフや銃弾が飛び出してくるシーンに使われればとても効果的だろう。
日本のNECのブースでも立体映像を見せていた。こちらは、画面も普通の小型テレビくらいで精細なテレビゲームという趣向だ。画面が小さいからか、アニメもサムスンより精細だった。そこでの説明では、左目用と右目用の画面を目にも留まらぬ速さで交互に表示することによって、見る人の頭の中に立体映像を描くという仕組みになっているとのことであった。なるほど、それでメガネが要らないわけか。
その他には、高精細の表示が可能となる有機ELが目玉のようであったが、まだ画面自体が小さいし、見る側も細かいところまで良く見えるというのは液晶テレビやプラズマテレビで結構満足しているので、感動はイマイチであった。それに、オジサンは最近老眼で、あまり小さい画面に表示されると字が読めないんだよ。
細かい仕様にこだわっていて、何が普通の人にウケルかを見失うと、携帯電話のときのように、せっかく最高の技術がありながら世界シェアを取れないという事態になるのではないかと、心配になる展示会であった。
| 2008年10月26日(日) |
ワインボトルは大人の印 |
土曜日。かねてからの約束どおり、一年ぶりに会う先輩がわが家を訪ねてくれた。「最愛の妻」が用意したスペアリブで昼過ぎから小さなパーティを開いた。最初はリビングで、それからウッドデッキへと移動しながら飲んだり話をしたり。1年のご無沙汰で会話ももつかと思ったのだが、妻の言うとおり、デッキで飲んでいると不思議なことに何時間座っていても飽きない。開放的な空間にいることで会話が前向きになって、陰に篭らないからだろうという事だ。
激動の10年。団塊の世代の他の人々が右往左往し、会社を替わったりして絶頂のときもあれば悪いときもあった中で、先輩は請われて行った先で淡々と自分の専門職としての地位を固め、今では定年後も会社に残ることが当然と周りの人も期待している。改めて話を聞くと色々あったようなのだが、本当に淡々と語るので、こんな平和な定年を迎えられるのは10人に一人もいないだろうと思ったことだ。
そんな会話をしながら、お土産のワインボトルを空けていると、近所の方が通りすがりに、「大人の雰囲気ですね」と声をかけていった。デッキの上の小さなテーブルにワインボトルが一本あると、そういう雰囲気が出るのかも知れない。曇り空の下で始まった小さなパーティは間もなく日暮れという頃になって、ようやく西の空がほのかに明るくなった。物静かな先輩にふさわしい明るさだった。
| 2008年10月19日(日) |
10月16日は最高の秋晴れ |
木曜日は最高の秋晴れだった。前日、夕暮れ時に乗り回した妻が家の前に乗り捨てた赤い小さな自転車のサドルにはたっぶりと朝露が溜まり、シットリした空気と一片の雲もない澄みきった空は最上の秋の一日を約束していた。
小さな会社の大きな望みについてプレゼンテーションを聞く予定さえなければ、会社を休んで地平線の見えるところまで車で遠出するのに、と思う。お昼に食事のためにオフィスの外に出るとビルのすき間の上には切り取られた真っ青な高い空があった。まだ間に合う、このまま帰ってしまおうか。
結局、夜8時まで続く勉強会にも出席して、妄想は妄想のままに一日は終わった。週末の天気も悪くはなかったが、人を焦らすかのような、あの抜けるような青空はついに現れなかった。
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