ミドルエイジのビジネスマン
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| 2006年11月12日(日) |
都心のコーヒーショップにて |
11月の小雨は降り止まない。親指と人差指で輪を作ったほどの大きさの鎖を伝って雨の雫は落ちていく。雫はリングの空間をポタッと落下しては一旦止まり、再び雫を作ってまた次の段に降りていく。外を行き交う若者たちは長い足を自慢するかのように男も女も細身のパンツ姿で急ぎ歩いている。
いつの間に、どこのコーヒーショップでもジャズを流すようになったのだろう。表通りとも裏通りとも判別のつかない小さな通りに面したコーヒーショップの奥からはエアコンの生暖かいが風が流れてくるが、大きなガラス窓からは足元に冷気が忍び寄る。
季節はずれ籐の椅子は既に古びて、一本、二本と、あちこちで折れたり、飛び出したりしている。こんな席を選んで座るのは、訳ありの女や、することのない男だけだ。女はとっくに空になったカップをどけて、なにやら書類を覗き込み、男は時折女を見やりながら、あれこれと憶測している。
人の流れの止まった店内では、カウンターの中、アルバイトの男女が高校の必修科目をどんな形で履修したかをささやき合い、時事問題にかこつけて、それとなく相手の境遇を探ろうとしている。
| 2006年11月05日(日) |
3時間しかやらないのに |
結局3時間しかやらないのに、仕事を家に持って帰ってしまった。 まさに、「明日」は愚か者の言葉、「今日」は賢者の言葉だ。
直接の担当者は先週、仕事の邪魔をされないようパソコンを小会議室に持ち込んで1日中こもってペーパーワークに専念していたのに、こっちは無意識のうちに週末3日もあると先送りしていたのだ。そうして、持って帰った仕事をやりたくないばかりに、DVDを借りに行ったり、女子バレーの世界選手権を応援したりしていたのだった。
新聞を読んでいたら、カフェでパソコンに向かいながら、軽々と仕事をこなす若者たちの話が載っていたが、とてもそんなやり方は向いていない性格だ。
そこは秋葉原のはずれにある地下に潜った小さな店。最安値でウォークマンを買ってきた。25,980円、一週間に千円ずつ安くなっているのかな。型番はNW-S706FVという。最後の「V」はVioletで濃い青色のことだ。この型番を告げると、店員がカウンターの下からモソモソと取り出してくれる。
ノイズキャンセリング機能は抜群だ。全くの静寂になるわけではないが、電車が地下に入っても、車両がすれ違う時のものすごい騒音の中でもボリウムを上げなくてはという気にならない。街中でこの機能を働かせれば、カセットテープ式の赤いウォークマンを初めて聞いたときの感動を思い出す。まさに、「あなたがこの世界の主人公」だ。
ただ、容量が大きすぎて、なかなか聴きたい曲が出てこない。携帯電話付属で128メガバイト、20曲くらいしか入らず、これを聴くにはあれを削除するしかないという程度の方が、曲に対する思い入れが試されることになり、幸福度は高いかもしれない。
週末は、自分で栽培した落花生を炒って食べてみた。乾燥が足りないらしく、殻が焦げるくらいに炒ったにもかかわらず、実はしけっている。冷えてからの方が美味しいくらいだった。今年の収穫はこれでおしまい。
それから、ランの植え替え。既に二度目の花を咲かせて、十分堪能させてくれた胡蝶蘭を一株ずつに分けて越冬させる試みだが、うまくいくかどうかは分らない。
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