ミドルエイジのビジネスマン
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2004年12月12日(日) 忘年会で八重洲仲通りを歩く

先週末は部の忘年会であった。東京駅の八重洲口方面、八重洲仲通りにあるお店で、分類すれば居酒屋だ。名の通った地酒や焼酎を出す新しいが良いお店を同僚が紹介してくれた。

八重洲仲通り、日本橋仲通りにはもとから飲み屋さんがかたまっているのだが、先日テレビを見ていると、マッサージなどが進出して街の格式が落ちていると商店会長さんが嘆いていた。たしかに、以前はビジネス街の趣があったのだが、今回忘年会の参加者としてフラフラ歩いてみると歓楽街のように思えたのは気のせいだけではあるまい。

東京のいたるところで再開発が行われ、新しいビジネス街ができている中で、オフィスを持つ会社が出て行ってしまった後、リノベーションの遅れたビルに玉突き現象として飲食店やサービス業が続々と入ってきているのではあるまいか。



2004年12月05日(日) カエサルのガリア戦記を読む

紀元前58年にカエサルがガリアで戦ったとき、ヨーロッパの覇権を握ろうとしていたヘルウェティイ族の総人口は26万人、彼らはアルプス山脈の北側レマン湖付近の狭い土地を捨て、周辺の部族10万人を誘って大移動を開始した。だが、カエサルに阻止されて敗れ、元の土地に追い返された。その後人口調査をすると、合計36万の人口がわずか11万人になっていた。しかも、カエサルが元の土地に彼らを帰したのは、慈悲心というより、奥地からのゲルマン民族の侵入を許さないために、荒廃した空白地を作りたくなかったからだ。戦いに敗れることは、ほぼ部族の滅亡を意味し、戦闘員ばかりでなく、老人、女、子供も殺戮されてしまうという命の安い時代だった。

ガリアの地は諸部族が対立していたので、ある部族がゲルマニアの「癇癪持ちで無鉄砲な野蛮人のアリオウィストス」という王の率いる傭兵を雇ったら彼らが居座ってしまった。ゲルマニア人は最初は1万5千人だったのに、あっという間に12万人に増えてしまい、結局ガリアは彼に乗っ取られてしまう。カエサルはアリオウィストスとも戦うのだが、ゲルマニア側は戦列の後ろに四輪馬車や二輪車をぐるりと置いて、兵士の逃亡を防ぐばかりかその馬車の上に女たちを乗せた。女たちは自分たちがローマに奴隷として送られないようにして欲しいと手を差し伸べ、涙を流して訴えたという。結局、カエサルが撃破してしまい、ゲルマニア、ガリアの連合軍はレヌス川まで7.5キロを敗走し、大半が殺されるか、大河で溺れ死ぬ運命を迎える。アリオウィストス自身は小船に乗って逃走したが、二人の妻は逃亡中に死亡、娘も二人いたが、ひとりは死亡、ひとりはローマ軍に捕まってしまったという。

ローマ時代のヨーロッパといえば森林ばかりで、戦いの規模はせいぜい数千人単位くらいで、戦術としても森の中から弓矢を射るくらいではないかと勝手に想像していたが、あまりに大規模な戦争なので驚いてしまった。「ガリア戦記」などと勿体をつけたタイトルで、しかも、英雄の書いた本ということなので、よほど難しい内容かと思っていたら、記述も具体的な記録ばかりで大変解りやすい。

もともと、学校の歴史で習った「カエサルがガリアを平定した」とか「ゲルマン人の侵入」という抽象的な表現が具体的にどの程度の規模やどのような形態で行われたのかという興味で講談社の文庫本を買ったのだった。当時の戦略や戦術も学ぶことができて、当初の期待を超えるいい買い物だったと思う。


2004年11月28日(日) 来年の手帳と木の軸のシャープペンシル

先週の金曜日、最愛の妻には飲んでくるよと出かけたが、当てにしていた呑み助は既に別の飲み会があり、一人はぐれてしまった。

そこで、来年の手帳とシャープペンシルをひっそりと買い求め、最近できた自信たっぷりのお蕎麦屋さんで二八蕎麦と生粉打ち蕎麦の食べ較べをして帰宅するという静かな週末となった。

手帳はスーツの内ポケットから取り出しやすいように背が高く、予定表しかない薄くてシンプルなものが好きだ。別冊の住所録を取り外して、代わりに同じ大きさのメモ用紙を挟み込んで出来上がり。最近では携帯電話のスケジュール機能だけを使う人もいるし、会社ではみんなにオープンのパソコン上の予定表が専ら活躍しているが、大部長はすぐ書き込めて、しかも残した記録がそのまま仕事の思い出になる手帳を捨てがたい。

予定が変わったりすることもあるので、ボールペンではなく、シャープペンシルを買い求めようとして探していると、木の軸の暖かい感じのするものがあった。金額は千円とちっとも高級品ではなく、機構部品は黒いプラスチックだが、杉の木を軸に使うことによって、持つ人のエコロジー感覚をくすぐる。クリップのモダンなデザインとエコ感覚をうまくマッチさせたいい品物だと思う。ついでに言うと、キャップについている小さな消しゴムも長さが3センチ以上あってそれを繰り出しながら使えるのも、よく書き損じる大部長には実用的だ。240年もの歴史を持つドイツ発祥のFaber-Castell社の製品だということをインターネットで調べた。



土日は天気も良かったので、日曜日には一人でサイクリングに出かけた。途中、秘密の場所で黄色いイチョウの葉っぱをかき分けながら銀杏をいくつか拾い、切通しで空を見上げて紅葉の葉の間からこぼれるお日様の光を楽しんだ。

冷たい北風の吹く夜に、拾った銀杏を炒って日本酒の肴にするつもりだ。すぐ寝ちゃうけど。


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