台所のすみっちょ...風子

 

 

サーモンピンク - 2003年11月13日(木)

女として生きてきて、30うん年。

今日、初めて「鮭のホイル焼き」という料理に挑戦してみた。

「まさか鮭をホイルで包んでただ焼くのではあるまい・・」

と思って、帰って早々にインターネットでレシピを見てみた。

すると、アルミホイルの中身は、

輪切りにした玉ねぎ、塩コショウで下味をつけた鮭、

そしてきのこが良い、ということと、入れる調味料は、

醤油、酒少々、バター40グラムであることが分かった。


早速、書いてある通りにものをホイルで包み、

これまた書いてある通りの時間、「オーブントースターで5分!」で

レンジ機能を設定し、加熱してみた。

で、待つこと5分。

ピピピ!というお知らせの音に、ど〜れとホイルを開けてみると、

そこにはナント、、生焼けの鮭。


仕方ないので、再度5分追加加熱してみた。

・・・・?

・・・また生焼けであった。

火の通ってないそのさまは、サーモンピンクとはよく言った!

と感心するようなみずみずしいピンク色。


いったいどうして??と、もう一度インターネットで、

けれど、今度は違うページで確認してみたところ、

そこには、オーブントースターで15分とある。

「う〜ん、、まだ足りなかったのか・・」と

さらに10分加熱してみた。

だが、やはり、完全に火は通ってないかんじ。


かといって、やめるわけにはいかないので、

また別のページを見てみた。

すると、今度は200℃のオーブンで20分とあった。

頭がクラクラするほど、もはやどうしていいのか分からなくなったが、

とりあえず、鮭の上に乗っけていたきのこたちを脇に押しやり、

オーブン機能で10分やってみた。

ようやく、鮭が白くなった。


焼くのに費やした時間は通算して25分。

イライラする上に、電気代もかかる料理であることがわかった。



もう作らない。


おしまい。


...

誰? - 2003年11月11日(火)

選挙に行った。

本当はどうしようか?と迷っていたのだが、

朝、「あなたの人生が変わるかもしれない・・」という

テレ朝の選挙特番のキャッチコピーを目にして、

「この人生変えられるもんなら・・」と思って、

バイトの帰り、行ってみたのである。


会場は家の近くの小学校。

投票用紙をもらい、まあ、この人でいいか・・と、

名前を書いて、投票用紙をボックスに入れ、帰ろうとすると、

「ちょっとちょっとぉ〜、、」と係りの人に呼び止められた。

それもそのはず、裁判官の国民審査もして帰らなければならなかったのである。

「ハイ、この中で辞めさせたい人×印をつけてください」と渡された

紙には、6〜7人の人の名前。

それをじーっと見つめてみた。

で、思った。

「この人達・・誰ですか?」

だって、聞いたことも見たこともない名前ばかり。

紙の中の縦書きの名前の羅列が、一つにまとまって漢詩に見えたぐらいだ。


鉛筆を握りしめ、私は思うのだった。

係りの人は「辞めさせたい人に〜」というけれど、

経歴も、人柄も、どんな裁判に関わったかも分からないのに、

「う〜〜ん、、なんとなくこの人!」と×印が普通つけられるものだろうか・・。

例えば、勘で×をつけたその人が、もしかして大岡越前みたいに、

名奉行ならぬ、司法に対して情熱のある名裁判官だったらどうするのだ。

人となりを良く知りもしないのに、無責任には選べない。

結局、旦那共々何もつけないで投票箱に入れた。

帰り際、首をかしげながら、私達は次の目的地に向かった。


まったく、日本は変である。

知らない人にいちゃもんをつけろとは。

もし、審査してもらいたいのであれば、それぞれの裁判官が、

過去にどのような裁判を手がけたのか、

また、どういう理念で司法に関わっているのか、

といったようなことを、目に見える形で国民に発表した方がいいのではないか。

そう、裁判官版マニフェストを発行するとか、街頭で演説させちゃうとか。


生まれて初めて行った衆議院選挙で、日本の選挙制度について

深く考えてしまった、優良国民の私であった。



おしまい。



...

乙女心。 - 2003年11月09日(日)

移動中、とある下町の駅の構内を歩いていたら、

カット1000円が売りのお店の前で、あーだこーだと

もめているふうの親子を発見。

母親と娘である。

いったいどうしたのか?と少し手前で歩く速度を

さりげなく落とし、ゆっくりと通りすがりすがりに、

聞いてみると、

その中身は

母「もういいじゃない、ここで切っちゃいなさいよ髪の毛!」

娘「え〜、だから嫌だよ!」

母「いいじゃない、安いんだし。1000円よ!時間もかからないし〜」

娘「もぉ〜〜、、絶対嫌だから!」

というものであった。


娘さんは、少し小太りで、長い髪はおさげ。制服の丈も短くも

長くもないといった正統派の女の子。

もちろん、ルーズソックスなどははいていない。

そう、どちらかというと「そこで切るということになんの支障があろうか?」

というぐらいの垢抜けなさ。

しかし、それを聞いて私は娘さんが少し気の毒になった。

何故なら、娘さんの弓形に細く整えられた眉に、

イマドキ ノ キレイナ ジョシコウコウセイ 二 ワタシモ ナリタイ・・・

というような、願望というか、女としての熱意みたいなものを

見たから。

もちろん1000円カットの店には、銀座で見かけるような

女性客が多いところもある。が、今日のそこはいつ通りかかっても、

客層はおじさんやおばさんばかりで、「平均年齢55歳」といった店。


二人を横目で見ながら、私は思わずにはいられなかった。

彼女のこの頑なな抵抗には、そこでカットしてもらうことの格好の

悪さより、”そこに入ったら若い女性としてもうおしまい”という気持ち

があるのだろう・・そしてなにより、なんの違和感もなく周りと同化している

自分の姿が、今、頭の中に鮮明に浮んでいるに違いない・・・と。

母親への反抗・・それは同時に自分への強い線引でもあるのだ。

「ティーンとして、私・・それでいいの・・?」といったような・・。



彼女の意図的に整えられた眉の意味を、その娘心を、

お母さんはもう少し考えてあげた方がいい。


おしまい。


...




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