台所のすみっちょ...風子

 

 

芸 - 2003年10月09日(木)

夜。

換気扇の下、タバコなど吸いながら

旦那と二人、今日あった出来事を話す。

「今日さ〜、俺、駐車場までスケボーで行ったわけよ」
「ふ〜ん」

「でさ〜、途中で小学4年生ぐらいの女の子とすれ違ったわけさ」
「ほぉ〜。で?」

「そしたらその子、スケボー乗ってる俺に目線が釘付けなわけ」
「はぁ・・」

「俺、なんか張り切っちゃってさ」
「う〜ん、、子供に張り切ってどうすんだよ」

「なんかやってやる〜!!って気持ちが起こっちゃってさ」
「あ〜、あの調子で思いっきり腰を回転させたわけだ。クイクイって」

「あったり前じゃ〜ん!いつもより多めに回しといた!」



いつもより多めに・・回した・・・?

・・・・・・・・・・。

おまえは染の助染め太郎か。


おしまい。


...

鯖。 - 2003年10月08日(水)

うちの旦那はブルー系のアイシャドーが好きではないらしい。

前に「どれ〜、ちょっとドキドキさせてやるかぁ〜」と、

こっそり買って、こっそりつけ、

「じゃ〜ん!どう?」と見せたら

旦那は眉間に皺を寄せ、

「似合わなね〜な、、なんか俺いやだ」と、たったひと言。


3500円も出して買ったそのブルー系のシャドーは、

私的には結構イケてて、何故そんな顔をされるのか、

その時はまったく検討もつかなかったのだが、

あれから4年の時を経た今日、ようやくそのヒントを私は得た。

それは、出先の地下鉄の中。

向かいの席に座にはキャリアウーマンふうの

格好バッチリ!化粧ベッタリ!の女性。

そのやや伏せ目がちの目には、しっかりとブルーのアイシャドーが

塗ってある。

アイホール全体に延ばしたホワイトパール。

その上に重ねたラメ入りのブルー。

目尻に入れた濃いブルーグレー。

瞼が楕円形ということもあって、

それはまるで、鯖(サバ)。

キラキラとした光沢感は、”たった今、築地に卸しました!”ぐらいの

活きがの良ささえ感じられる。


電車を降りるまでの間、

ブルーシャドーについて私は思うのだった。

ドキドキというよりもピチピチ。

色香というより、生臭そう。

愛しい妻の瞼が「鯖」だなんて・・

こ〜りゃ〜、、嫌う理由も分かる・・と。


おしまい。


...

すし屋にて。 - 2003年10月07日(火)

新潟には古町という繁華街がある。

繁華街だから当然飲み屋も割烹もある。

まだ子供の頃、父が会社を経営していた関係で

私は家にかかってくる仕事関係の電話を良くとった。

ある日のことだ。

いつものように下請けからの電話に出た私は、

不在だった父宛ての伝言を言付かった。

それは

「今、古町のいつもの○○に得意先といるから、来て欲しい」

というものであった。

○○(名前は忘れた)とは店のことである。

ところが、父が帰って来て、いざ伝える段になると

私はすっかりその店名を忘れてしまっていた。

普段から怖い父。何か言わなければものすごーく怒られる

ことは分かっていたので、やっとの思いで、

それが、料亭っぽい、割烹ぽい名前だということまでは思い出し、

うっかり

「いつもの”わりてい”に来てくださいって・・」

と言ってしまった。

そう、その当時の私は電信柱の広告で良く目にしていた

”割烹(かっぽう)”という漢字をいつも”わりてい”と何故か読んで

いたのだ。

その時の父の怒りっぷりと言ったら。

「”わりてい”ってどこだぁ〜!そこは古町のどこなんだぁ〜!」

と半狂乱の勢いであった。


だからといって、その後漢字を私が頑張ったかというと、

もちろんそんなことはなく、漢字が苦手なまま、私は

こんなに大きくなってしまい、

「ナツ ハ アキタ ニ リョコウ シタ」

と地図まで持ってきて、すし屋のカウンターで土産話を

説明しようとする、友達ペルー人Sの前で、

男鹿半島(おがはんとう)をこれまた”おじかはんとう”

と読んでしまい、日本語の達者でないSに「エッ?」と驚かれただけではなく、

目の前で寿司を握っていた板さんにまで

「お嬢さん、まず日本語から勉強してくださいよ」

と真剣顔で言われてしまった先週水曜日の昼の私は、

子供の頃より、さらに「ダメじゃん度」が増しているような気になって、

さすがに、落ち込まずにはいられなかったのであった。


おしまい。



...




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