台所のすみっちょ...風子

 

 

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苦節4年。 - 2003年04月27日(日)

現在深夜2時45分。

あと、何時間かでいよいよ待ちに待った車がやってくる。

新車である。

会社の同僚から20万で買った中古のマーク�兇鮗衒�し、

この新車にたどり着くまで、何年かかっただろうか?


4年である。


振り返ればこの間、様々なことがあった。

旦那の転勤先である名古屋から帰って来て、様々な事情により、

弟の家に間借りさせてもらったり、運良く働き口を見つけ、

仕事を始めた私がその激務とストレスから、体の一部を壊したり、

旦那が仕事先を3度も変えたり・・と、”安定”とは無縁の

4年間であった。


く〜〜、、泣ける。すでに泣ける。


今日、数々の困難を乗り越え、ついに我が家が人並みの家庭になったという

証である新車を受け取るその瞬間を思うと、若干の生活の不安はあるものの、

今から泣けて、、泣けて、、、

どうしよう、、アニメ映画、「フランダースの犬」を見たとき

ぐらい号泣しちゃったら。

関係ないけど、あの時のネロは勇み足すぎた。

自分の絵が入選したかどうか、分かるまでもう少し踏ん張れば良かったのに。

何度見ても、「ネロ、おっちょこちょい」感は否めない。



車を受け取りに行くのは午後1時。

おてんとう様の下、私達は怖いくらいはしゃいでしまうだろう。

それはまるで、昭和30年代の高度経済成長時の夫婦さ加減。

洗濯機、炊飯器、、、、そして・・パパ次は車ね!・・みたいな・・。





で、私達は忘れそう。

区議のT君のために清き一票を入れに行くのを。

いや、、間違いない。

絶対に忘れる。



では、おやすみなさい。


おしまい。


...

戦略。 - 2003年04月26日(土)


朝、珍しく早く起きていると、さっき元気良く出勤

して行ったばかりの旦那から”号外!!”というタイトル

でメールが届いた。

内容はやはり今もっとも「旬」のT君の話題。

「T君人形現る!!必見!」と書いてある。

「!」が3つも。よほど驚いたに違いない。

私はピン!ときた。あの人形なのでは?と。

そう、私はもうすでにT君人形と対面済みであった。

昨日、郵便局に行った時、T君の選挙対策事務所となっていた

隣の酒屋で、その人形を見ていたのである。


尋常ではない光景だった。

酒屋の店先。

高さ1メートル、胴回り1メートル50センチの、黄色人種肌白族のT君とは

似ても似つかない、ニューヨークの黒人のジャズメン?またはシャネルズ?といった

上半身のみの濃い褐色肌の人形が、赤いブレザーなど着せられ、

○○△△△と名入りのたすきをかけられて、かっぷく良さげに座る。

しかも、

並み居るお値打ちのビール達を、清涼飲料達を押しのけて、

店先の最前面に陣取っている様子など見ると、

明らかにその店の今一番の”売り”は「T君」。

ただでさえ不景気なのにそんなことして、店の売り上げは大丈夫なのか?

応援したことがあだにならないのか?と思わず心配していまったほどだ。


そして、今朝。

昨日の私の驚きを、旦那は体験したわけである。

彼は言う。

「朝さ〜、いつもの角にT君がいなかったわけよ。で、あ〜、、今日は
 いないんだなぁ〜と思って、角を曲がってちょっと進んだら、
 正面に何か黒くて赤いものが見えるじゃない。何かとおもったら、
 T君のたすきをかけた人形が座ってたってわけだよ。いや〜、、参った!」と。


巧みである。


「あれ?いない・・」と通る人の気持ちを寂しくさせておいて、

その気持ちのまま進ませ、発見させる。

人形とはいえ、驚きと会えた喜びは2倍。

憎い、憎いまでの演出。


ただの「いってらっしゃいおじさん」ではなかった・・・。



意外な策士ぶりを見せられて、

この区のため、当選したらどんな度肝を抜く戦略を次は

見せてくれるのか?と期待で胸がいっぱいになる私達夫婦であった。


絶対T君に入れることにする。


おしまい。



...

T君の選挙戦 - 2003年04月25日(金)

区議会選もいよいよ終盤。

昼、けたたましくスピーカーから流れるT君の声で目が覚めた。

T君とは、最近私達夫婦の間で大人気のT氏のこと。

現役の区議会議員である。

すでに立派なオヤジなのだが、我が家では親しみを込めて

”君づけ”をさせて頂いている。


初めてT君を私が知ったのは、一ヶ月ぐらい前。

帰ってきた旦那に「最近さ〜、駅に面白い人が立ってんだよ〜」と

教えてもらったことによる。

旦那の話では、彼は当選5回のベテラン区議会議員だそうだ。

この区で20年も区政に携わっているというのに、、

面白いって言われちゃ〜、、彼も泣くに泣けなかろう。


その日以来、毎夜我が家では、

旦那による「今日のT君報告」が行われるようになり、

彼の人気はどんどん上がっていったのであった。



T君の人気の秘密。それは彼の区民へ接し方と、選挙を戦うその姿勢にあった。

以下は旦那からの伝聞を私がまとめたものである。


朝、彼は顔だけをニコニコさせ、直立不動で駅の出口から

少し離れた場所に立つ。

通勤であわただしい時間帯のこと、区民のみなさまの出勤の邪魔

になってはいけないという心憎いばかりの配慮がそこに見て取れる。

そして彼は自分の前を人が通るたびに

「おはようございま〜す」

「いってらっしゃ〜い」

「気をつけて〜」

と、みどりのおばさんのように声をかけ続けるのだ。

ここ数年、にょきにょきと大きいマンションが立ってしまった我が町。

人口の流入も甚だしい。

通勤人達の数も半端ではないハズなのだが、彼は手を抜かない。

例え誰も答えてくれなくとも、雨の日も風の日も、

「おはようございま〜す」

「いってらっしゃ〜い」

「気をつけて〜」

と、一ぼっちで区民に声をかける。


駅には他に2〜3人の助っ人に華々しく囲まれた別の候補者も

いるらしい。

そんな彼らを者ともせず、T君はいつもマイペース。

一人で立ち、一人で帰る。

脇に立てかけた宣伝用の名入りののぼりも、他の候補者とは違い、

一人ぼっちでかたづける。

「戦いには常に孤独がつきまとう」

他力本願ではないその姿勢。

挨拶をしているだけ、と思わせといて、実はこの難しい現代社会を

生き抜いていく上での「心構え」までをも区民に説いているのである。


で、肝心要のその公約は?というと、、それは不明。

話そうという気はあるらしいのだが、人が通れば即挨拶!が彼の信条なので、

「みなさま〜私が○○でごさ・・」と話して・・・・

「おはようございま〜す」

「このたび・・・・」と話して・・・

「いってらっしゃ〜い」

「この区をもっと良くするために・・・」と話して・・

「気をつけて・・・」

といったように、公約が民謡の合いの手、「ア〜ラ、エッサササァ〜」みたいに

なってしまい、区政という大舞台で彼が何をしたいのか、

まったく分からないのであった。


心ゆくまで挨拶をし、どこへ行くのかトコトコ帰るT君。

その時、彼の胸中は

「今日の挨拶は良かった。良く声が出ていた」とか

「明日は”気をつけて〜”に”お”をつけて”お気をつけて〜”に
 してみるか・・」

などと前向な反省でいっぱいに違いない。



我が家で大人気の彼。

最近では私たち夫婦に「いってらっしゃいおじさん」とまで呼ばれている。




T区議の検討を祈る。



おしまい。


...

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