キッシンジャーの日々
キッシンジャー



 ハイキング

 昨晩の酒が抜けないまま気性。おかげで忘れ物をしこたましてしまった。スモールショック!
 今日はハイキング@武田尾。ハイライトはトンネルにあり。
 トンネルは暗い。下見のときにうっかり懐電を忘れてしまい、真っ暗闇を光も無く踏破した。真っ暗な中を歩いているとき、僕は夢とも現実とも思えない不思議な感覚に襲われた。前に歩いているはずなのに、前に進んでいる感覚がない。突如襲いかかる不安、恐怖。聞こえるのは砂利を踏む足音、天井から滴り落ちる水音、そして自分の呼吸音。心臓の動悸まで聞こえてくるようだ。聴覚が研ぎ澄まされ、次第に頭がぼんやりしてくる。この闇の中、で、確かに僕は生きている。
 そう実感した。

 子どもたちはどうだったんだろうか。トンネルを抜けたあと、聞いてみた。

「不思議な感覚だった」、「恐かった」、「別にー」、「誰かの心そのものっぽいね」

 成長するにつれて、みんな心に暗い、見えない部分を持つようになってくる。それにちょっとでも触れたとき、人はそれぞれどんな反応をするんだろう。
 でもたぶん、逃げずに立ち向かう方が良さそうな気がする。

 今日はよく眠れそうだ…

2002年05月25日(土)



 広島出張編

 くるりのライヴに行くために広島に行った。と言っても地元なので、ある意味帰省になるんかな?

 まあ何はともあれ、今日学校の授業があるけれども(知らない、オラ何も知らないダヨ)、帰って参りましたよ、広島に!約1年ぶりです。

 「よお、俺がいない間元気にしてたか?」
 
 思わずそう呟きたくなってしまいそうでした。

 
 広島駅に着いたのが午後4時半。駅前は相変わらずでした。そのまま市電に乗って、八丁堀へ。しかしこのとき、すでに僕は舞い上がっていた。
 なぜなら…

 今日はメル友と初めて会い、そのコと一緒にライヴへ行くからである!!

 彼女とサイトで知り合ったのは1年前。以来メールと電話で連絡を取り続けていた。これまで何度か会える機会はあったんだけど、なんだかんだで会えず終いだった。
 それが今日、ライヴチケットが余ったということで(しかもくるり!!)、一緒にライヴに行くことが決定したのであーる!

 『今日はいったいどんな日になるんやろ?』
 『あのコはいったいどんなコやろ?』
 『くるりのライヴっていったいどんなんなんやろ?』

 僕の妄想は肥大していくばかりであった…
 
 
 僕の前にそのコはいた。そんなに緊張することでもなかろうに、僕は舞い上がってしまっていた。
 しかも…

 『おいおい、原付のキー原チャに付けっぱだよ!!』

と、そのとき気付いたのである。嗚呼、俺は大阪からすでに勝手に盛り上がっちゃってたのね(泣)

 そんなこといまさら悔やんでも仕方ねえ!今日は目一杯楽しむべし!

 
 くるりのライヴサイコーでした!『World's End Supernova』を直立不動で唄う岸田くんはとても面白かった。
 さらに、岸田くんは大のカープファン。そしてそこは広島県、カープネタ爆裂オンパレード!
 
岸田:「おい、佐藤(注:くるりのベーシスト)。金本が4番なのどう思う?」

佐藤:「宿命の4番だよ…」

岸田:「…そうやね」

 そして会場は何故か大爆笑(笑)。このネタ、カープファンしかわかんねえよ!

 今日のライヴのシメは非常に綺麗だった。ある意味芸術的。

 ほんと今日は最高にはっっっっっっっっっっっっっっっっぴいぃぃぃぃ…
                        …疲れた。

 その後そのメル友と彼女の友達3人で遅い夕食。そして帰宅。

 が、しかーーーーーーーーーーし!!!!

 その帰りがけに悪夢が…!!!!!!!

               この続きはまた今度…



















       …んなわけねえだろ!!!!!!!!!!!!


 帰るため車に乗り込むその前に、僕にはやることがあった。

 別に、そのコをゲットする!、というはしたなーーーいことじゃあない(ああ、ウソっぽい)

 僕の髪は現在黒の入り混じった金髪。これを家に帰る前に黒くしなければ、おうちに入れてもらえないんである。

 仕方ないので一日だけ黒くなるスプレーを買ってきていた。その作業をメル友に手伝ってもらったのでありんす。


 よし、これで黒くなった!Let's帰宅!!!


 車に乗り込み、エンジン始動。快調な滑り出しだ!

自分:「いやあ、今日はほんと楽しかったよね!」

メル友&その友達:「くるりサイコーだよね」

 僕と彼女らはちょっと汚れた手をウェッティで拭きながら和気あいあいと談笑していた。
 
 まさにそのときである!!!!

 『あれ?』

 僕はある異変に気付いた。

 『視界が…』

 僕はメガネをしている。よって、メガネがないと当然視界が悪い。

 『……無い!!!!……』

 そう、あの作業のときボンネットの上に置いたメガネを回収していなかったのである!!!!!

 慌てて、車を停め、ボンネットの上を調べたがすでに遅し、そこには何も残ってはいなかった。

 とにかく、きた道の途中にでも落ちていないかとスタート地点の店に戻った。

 そこには!!!

 …そんなとこにあるはずのないメル友の財布が、何故かアスファルトの上に落ちていたのである。

 
 その後きた道を探したが、夜で暗く交通量も多い道なのもあって、探索を断念。あえなく僕のメガネは広島の道路に置き去りとなったのである。

 ただ、そのことがなければ、彼女の財布もまた無くなっていたかもしれない。

「もしかしたら、俺のメガネは君の財布の身代わりになってくれたのかもね…」

 僕は彼女にこう言いながらも、

 『あのメガネけっこう気に入ってたんだよなあ、
              ウルトラマンセブンみたいなフレームだし…』

 と、内心心底がっくりしていた。

 広島の夜、満月が不敵に浮かんでいた…


 教訓:「はしゃぎすぎると後が恐い」

                        そのまんまじゃん

2002年05月27日(月)



 広島出張編その2

明くる朝、僕は親父の声で朝の6時に叩き起こされた。

『なんじゃい、こんな朝っぱらから!!』

実際はこんな風にふてぶてしく怒ってみせたわけではなく、「なんだよー、寝かせてくれよー」と、弱っちく毛布にくるまっていただけだ。

なぜ親父はこんな朝早くに僕を起こしたのか?理由は2つある。

一つは、親父は朝の早い仕事でそのくらいの時間に起きて仕事に行く。そんなとき家族は寝ていてたいてい暇なんで、久々に帰って来た息子にちょっかいをかけたんだろう。

もう一つの理由はその親父が発した言葉にある。親父はこう僕に言った。

「お前いつ大阪帰るんや!帰るんじゃったらさっさと帰れ!!」

別に親父と僕はそんなに仲が良い方ではないが、こんな風に勘当まがいのことを言われるほどの関係でもない。

僕は2、3月にタイに旅行に行っていた。この話はいずれ書き込んでいくだろうと思ってるんだけど、まあそのときにあることで親にすごく心配をかけさせていた。なので、こっちに帰って来てからは、親には「今年はちゃんと学校に行く」と言ってたんである。

そんな息子がひょっこり帰って来て、その理由が「遊びに帰って来た」というわけだから、そりゃ怒って当然だな・・・

親父:「いつまで寝とんじゃい!起きんかい!」
自分:「そのうち起きるわー、まだ6時じゃん・・・」
親父:「お前どうするんや、そんなんで!」
自分:「どうするって、あんた・・・どうもこうもないわい」

はっきり言って支離滅裂である。プッツン親父対寝惚け息子の戦いは不毛に終わった・・・


8時。母親に別れを告げ帰宅の途に就く。
奈良美智展が現代美術館で開催されているのを観る暇がないのは心残りだ。
大阪でその展示会はすでに終了していたが、そのとき僕はそのことを知らなかった。

『チェッ』『チェッ』『チェッ』

チャンスはしっかりそこでものにすべきである。


2限目が始まるのは10時半。終わるのは12時。僕は思った。

『間に合わない』

その日の授業はその授業しかなかった。

『とりあえず帰ってみるか』

僕の読みは大いに甘かったということをこのあと思い知る・・・。


12時ジャストに学校に着いた。

『間に合ってないじゃん!!!』

心の中で目一杯叫んでいた。それは授業に間に合わなかったことと、間に合うはずもないのに奈良美智展をあきらめて帰って来てしまったことへの精一杯の叫びだった。

そんな僕に追い討ちをかけるようなことが・・・

友達に電話した。

自分:「今日のOO、どんな授業やった?」
友達:「その授業、今日休みやで・・・?」

・・・所詮人の人生なんてこんなことの繰り返しなんだろう。

『こんなことなら奈良美智展観てくりゃ良かった』


教訓:逃した獲物はいつも大きい

2002年05月28日(火)



 あわわわわ・・・

くるりのライヴ第2弾。相方は、バーで知り合った女のコだ。

別に誰でも良かったんだけど、

「どうせ一緒に行くなら女のコとでしょ!」

という友達のススメから、行けるコを探してたらそのコに行き着いたわけだ。

自分でも

『まさか誘いにのるとは・・・』

と思いも寄らなかったし、そんなに仲が良いわけじゃなかったので、

『どうなるんやろ?』

と漠然とした不安に襲われていた。


そのコはバーで「フヂコ」と命名されていた。なので、彼女を僕は本名ではなくその名で呼んでいる。


彼女が待ち合わせの場所にやってきた。その格好を見た僕は、思わず苦笑いしてしまった。

街でよくみかけるようなオネエ系ファッション(なんて言えばいいんかようわからん)そのもの!!・・・だったんだ。


僕:「おいおい、そんな格好じゃ・・・足踏まれるで!」

フヂコ:「えー、だって知らんもん、ライヴってどういう格好でいくもんなん?」

僕:「はっ?どういうこと?」

フヂコ:「私、ライヴ初めてやねん」


僕は「フヂコ」という人間の目測を誤った・・・


僕:「じゃあなんで来たんよ?」

つい僕は不安めいた疑問を彼女に投げ掛けしまった。

『しまった!!!』

しかし彼女はそれに気付かず、

「ライヴってこういう風に誘われることないと行かないし、どういうもんか体験したいじゃん、初心者としては」

と素っ気なく言った。

話を聞くと、フヂコはどーもミュージカルがお好きらしい。僕はとんと興味のない世界である。

そうすると、フヂコはバンドライヴってのに興味が無かったわけだ。


即席のデコボココンビが今ここに誕生した!!



そんな話をしながら、Zepp Osakaへ向かった。酒もなく、しかもプライベートで会っているのでこういうときはいつも困る。

デコボココンビなだけに共通する話題がない!

仕方ないのでいつものお互いの恋愛話へ。でもこんなに長く一緒にいたことはなかったので、けっこうフヂコの恋愛観や体験談が聞けた。それに対する僕の回答は、

『俺の付け入る隙無いじゃん!!!!』

だった・・・これからも友達ってことで。



なんだかんだでライヴ突入。開始前にかかってる曲を聴きながら、フヂコは、

「だんだん興奮してきたぞー」

とニコニコ。

『俺にはもうそんな余裕ないかも!!!』

だってくるりだぜ!?

もうイッちゃっていいっすか?って感じやった、すでに。


くるりは『東京』から突入してきやがった!!!

カープの金本が特大の場外ホームラン打ったようなもんだ!!!(たぶん)

そして中盤。曲は知ってるが曲名知らないヤツで広島んとき同様におんなじ曲でイッてしまった。

僕:「イェーイ(ピョンピョン)」

フヂコ:「・・・(ノッてる)」

僕:「こういうときは・・・飛んどけ!!!」

(僕とフヂコ、一緒に飛び跳ねる。まわりは至って普通に鑑賞している。最後尾だったしね)


そして最後の曲。広島と同じネタで終わる。アンコールは『尼崎の魚』。

『今日も良かったあああぁぁぁーーー』

と感慨に浸ってる僕の横で、フヂコは苦笑い。

僕:「何?やっぱ最後、やばかった?」

フヂコ:「途中は良かったんだけどねー、最後がね・・・痛いわ」

僕:「チクチクした?」

フヂコ:「したした、チクチクチクチク・・・・・」

相変わらずお忙しいようですな、心身共に・・・


フヂコ:「でも良かったわ。これからこういうのいっぱい行きたくなった!」


そして「ありがとう」と言って、彼女は微笑んだ・・・



月の夜に 願いました・・・
あてど無き旅の終りを・・・

2002年06月04日(火)



 誕生日

その日は友達が21歳になった日だった。

最近、親父臭くこんなことを思う。

『僕らは年相応の人間として、年を重ねてきたんだろうか?』

年を取るのは嫌だが、年を重ねるのは非常に良いことである。言っちゃえば「人生の上積み」みたいなもんだ。自分が成長していくのがよくわかる。ようわからんでも、変化はしているもんだ。

「大人の恋愛ができるようになった(気がする)」
「セックスも人並み」
「最近化粧が濃くなったなあ」
「あいつ最近行方不明やなあ」

これって変化っつうよりよもやまなことが増えたって感じか・・・

2002年06月05日(水)



 だらしない

結局東京に行くのをあきらめた。
言い訳にしか聞こえなかっただろうが、とりあえず友達には

「寝坊した」

と電話で伝えた。

(なにやってんだか・・・)

僕は心の中で、掃き捨てるように呟いた。



こういうときは、何をするということはない週末。
自分が何をしたいんだかさっぱりわからん。

(こうして老いぼれていくなは嫌だなあ・・・)

とつくづく思う。

なんの予定もなくなってしまった週末というものは自分でなにかしないとつまらん。本当に。
今日はおそらく今年のNO.1・2を争うほどのつまらなさだろう。
そうしたのは自分なのに・・・

まるで他人扱いだ・・・



実りのない日ほどくだらないものはない。
どんなに甘くても苦くても中味スカスカでも、実りのある方がないよりマシってもんだ。

まあ、こんな日の終りに

「あ〜、つまんねえ」

といって、それで終わるっつうのもありかな?


・・・ナシに決まってるだろう!!・・・

2002年06月08日(土)



 ワールドカップ

FIFAワールドカップで、日本代表が初勝利を挙げた。どうせ観た人も観てない人も、試合内容は大体知ってるだろうから、くわしく書かない。
ただ一言、

「今日の柳沢へ:良くやった!」

僕の中での今日の主役は彼しかいない。


おかげさまで、、家に居ても立ってもいられず、馴染みのバーへ。
23時半頃到着。

(今日はあいつ、レポートとかに追われとるけえ、おらんじゃろ)

と僕は久々に彼抜きの店を堪能できるとほくそ笑んだ。

・・・しかし、彼はそこにいた。


しかもこないだ焼き肉おごってもらった後輩付き。



僕:「お前なんで今日来てんだよ!」
彼:「そりゃ、日本勝ったら家なんかおれんでしょ」
僕:「じゃあ、まあお前はいい。でもなんでこいつ(例の女)がおるんよ?」
彼:「来るかっていったら、行くって言って尾いてきてん」
僕:「・・・・・・」

僕は思った。

(お前ら、まるで居酒屋のポン酒とつきだしみたいやな・・・)


まあ、世の中なんてちっぽけで、所詮はこんなもんなんだろう・・・


P.S. 店の常連さんへ:僕はロシアファンじゃなくてスペインファンです。

2002年06月09日(日)
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