つぶやきダイアリー
だってこの一日はやっぱり一度しかないのですから。。
明日があるさとは言っても書けるときに書こう!
それでは、私の日常大暴露大会。

2004年01月20日(火) 風のこえ

風で
お墓のわきの
卒塔婆が
カタカタ鳴った
語りかけてくるこえ

「私たちはもう死んだ
肉体が土にかえった
あなたは今肉体をもって
生きている
それはとても
すばらしいことなのだ」

私は走りながら答えた

「私は今生きているの
あなた方が昔
生きていたように
いつかはお墓に入るわ
だから
私せいいっぱい生きる
あなたたちの分も
生きていることで
この世の中で
体を持ってることで
見て 聴いて 感じて
喜んで 悲しんで
いっぱい 経験する
ありがとう。」

そしてゆるやかな坂をのぼって
門をくぐり
境内に入った。



2004年01月16日(金) 心の中に猫を飼おう

自由な
気のむくままの
考えなくても
どこに行こうにも
自由な
邪心も
偽善も持たない
猫を飼おう

ひとり抜けだし
木々の上
のきの下
しのびあし

いやなやつがいたら
ひっかいてやる
誰にも
遠慮せずに
素敵な人がいたら
のどを鳴らして
あまえる
しなやかな
猫を飼おう

どこにでも行けて
するどいツメをといで
草とあそんで
鳥を狙う
夏がきて
服を着替える
私のなかの猫



2004年01月15日(木) 土の道

緑の中をただ黙って歩く
三人の 早い早い 春

ただ何もない時間
笛を吹いて
歌をうたう
お互いのこと 話して
夢を語って・・・

でも水面に
口をあけたコイの
その無邪気なまでの
貪欲さが
うらやましく思えた

私は求めてる
心の奥底で求めてる―
それなのに水面の
波だたない
時間を作ってるだけ?

こわいから?
それとも―

何もない時間
さわさわと風に髪をなびかせて
ただ水面を見てる
それだけで幸せでいる
そんな人が
うらやましかったのかもしれない―



2004年01月14日(水) 猫の欲しいもの

今日もまたやってきた
近所の白い猫
ドアの前で待っていて
私と一緒にお部屋に入る

ミルクも飲まないし
ご飯も食べない
だけど のどを鳴らして
すりよってくる・・・
おひざに乗りたいの?

わかってる
あなたはミルクが欲しいのでも
ご飯が欲しいのでもない
愛情がほしい猫
変わってるのね

「おうちが二つあるから
ご飯のことは気にしないでね」
って 聴いたのよ 確かに
でも どうやって?

もう帰るのよ
出口を指差しても
まだひざに乗ってる
愛情の欲しい猫
急いでるのに
押し入れに入って
出てこなくなる

また今日も来る



2004年01月13日(火)

自分が二人居るって
どんな感じだろう?
同じものをみて
同じことを感じたら
どんなキモチだろう?

鏡の中にいるような
近くて 近くて
それでも遠い存在?

自分の心の奥底
井戸を掘りつづけていたら
やっと出会えた水のように
涌き出ては
大地の命あたえる
灰色のビル
大きく大きくのびても
かなわない

手をのばせば
すぐ届きそうなのに
鏡の中の私は
さみしい目をしてる
別の宇宙からきた
そしてここで出会った人
もう一人の自分―



2004年01月12日(月) 野生

獰猛な血の中に
獲物を獲るための眼を光らせて
今日も路地を歩く
―ステラレタネコ―?
長い髪と白い肌の下で
うごめく火のように
冴えわたる月
―ネムレナイ―
昨日のトゲのような言葉が
突き刺さったまま
さけんでいる
さけんでいる

孤独感の雲が
さえぎる光に
うちのめされて
窓を閉めきった
電話の線を抜いて
アクエリアスの星を探す
―帰るところはどこ?
定めた未来に
矢を射る
その的を探す
やりばのない力まかせに
床を叩いて―



2004年01月11日(日) 砂時計

立ち止まってみた
この瞬間が
まるで止まったままのように
勝手に時計は動くけれど
私の心はなおくすぶりつづけて
ねじのきれた時計
鳩は動かないまま
いつから―?いつから―?いつから―?

心を掘り起こす大きなシャベルを下さい
鎖を切ってしまえるような
壁をたたき割るような
歌を下さい
天蓋に風が吹けば
ゆらゆらと舟虫にまみれて
私はしずんでゆく
ただ ただ おちてゆく
砂にうもれた
顔だけを出した
トビウオの子供のように
この世界を見てる

私を知らないでください
ただみにくい私を・・・
乱反射する光が
まぶしすぎて 砂に戻る
立ち止まった時間の中で―


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