| 2008年04月12日(土) |
風に吹かれ散りゆく花
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鉛色の空の下、満開の花が雨に濡れ、風に散らされていく。そんな様子を見ていたら、感情が昂ぶってしまった。
俺は、自分を勝者だと思っている。ここ数年の言葉で言えば『勝ち組』。もちろん、この病気に対してのことだけど。
これは、素直に喜んで良いことだと思う。自己の生存が継続され、明日の生活を夢見ることが許された。単純に嬉しい。
でも、自己の存在は相対的なもの、敗者があってはじめて、この存在が確保されたんだという事実を…花は教えてくれている。花は、散り際に言葉を投げかけてくるんだ。雨に濡れ、風に落ちて、踏まれても。
それは、つまり、じゃあ、敗者は、どうなったんだ?っていうことなんだ。
悪条件が重なったにもかかわらず、俺は、悪運の強さで今日という日を迎えている。だけど、運なく力尽きていく人の割合の方が圧倒的に多いのが、この病気だ。
今の俺の時点で、同タイプの病気だったら、6割の人が亡くなっている。(さらに、残りの4割の半数が残念な結末を迎えることになる。)それが現実というものだ。現実から目を逸らすことは、決して勝者はしてはならない。
勝って、なお、兜の尾を締める。闘い終えた後も闘っている最中と同じように、安易に心を緩めることなく、敗者を思いやって生きていきたいと思う。
※ネオーラル・ストップ!これで、グレープフルーツもオッケーだ。

今日は、はなまつり。お釈迦様の誕生日。
敬虔な(?)真言宗檀徒である我が家では、この日を忘れると怒られた。また、子供たちが通っていたのは仏教系の私立幼稚園だったので、おはなまつりの行事があった。
お釈迦様が生まれると、甘露の雨が降り注ぎ、その体を清めたと言う。その後すぐに、お釈迦様は立ち上がり、七歩歩み、『天上天下唯我独尊』とおっしゃったそうだ。
甘露の雨は神々の祝福を表し、七歩歩んだことは六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天)という輪廻の世界を超えたことを意味し、また、『天上天下唯我独尊』とは、人間性の尊厳を言い表している。
入院287日目、移植後103日目。
退院まであと少し(…のつもり)。
約300日の入院期間。長かった。本当に長かった。そして、様々な思いが溢れてオーバーフローしそうだ。
まさに生還。生きて還れる。死なずに済んだ。
見かけも血液も変わったし、中身っていうか、心が入れ替わったと思う。人生が変わった。
今日、14時頃、もう一回、マルクやった。2週間前にしたばかりなんだけど、ブラストが1%ほどいたことと、フィッシュ検査をやるってことで、やることになっちゃった。
俺がいただいた臍帯血は、女の子なので、フィッシュ検査やると、ずばり分かっちゃうんだよねー。移植後、生着確認のマルクのときも、たしかやったんだよな。
予定通り、来週の火曜に退院(…強く希望している。)するためにも、今回のは避けれなかったということで、しょうがないね。新しい主治医との呼吸も合って、そんなに痛くないマルクだったし、良しとしよう。
それより、今朝の体重は、とうとう50kgを割って49.7kg!ついに、ここまで…って感じだ。(ナースへの申告は51kg台にしてある(笑))
だけど、日に日に歩くスピードは速くなっているし、筋肉も徐々に『線』になってきた。身体は回復傾向にはあるよ。
食べれない今はしょうがないのかな。
とにかく、来週、退院してから、じっくりと馴らしていこうと思う。病院の中を動き回るのも限界があるし。
外は、桜が満開のようだ。部屋の窓から見えるし、移動中の廊下の窓からも見えた。実家の桜は、あと10日くらいかな?梅がそろそろ咲いているかな?
いい季節に帰れて本当に幸せだ。

清明 (せいめい) 二十四気の一.4月5日ごろ.
今日は、清明という日なんだそうだ。春分と穀雨の間の4月5日ころらしいんだけど、今年は4月4日。清明というのは、清く澄み切った気候のことを表しているらしい。
吐き気と微熱と咳が続いている。それに下痢。
最近続いている熱は、カテーテル熱しか考えられないということで、本日午後4時過ぎ、約9カ月間に渡り右鎖骨下静脈から差し込まれていたカテーテル(IVH)が抜かれた。サンディミュンもネオーラルに切り替わり、あえてしなければならない点滴もなくなったこともあるし。
抜くのは一瞬だった。差し込むときの手間ヒマ考えると、信じられないくらいあっけなかった。
ひと月前に比べれば、徐々に人間らしくなってきているのは間違いない。

道路が雨で濡れていた。身体も雨で濡れたままだった。たぶん、疲れていたんだと思う。スキー場からの帰り道だった。
家に着く前の最後の緩い右カーブ。前方にフラッシュグリーンのVWビートルの旧車が走っていた。そこで、記憶が一旦途絶えた。
次の瞬間、斜めになった車内で、俺は目が覚めた。
いったい、何が起こったのだろう?クラクションが鳴りっぱなし。頭がハンドルに打ちつけられている。右目の視力が…
右目が見えない。ルームミラーで確認すると、右眉内側がテニスボールのように膨れている。痺れていて痛くはないけど、もしかして、右目を潰してしまったのか?
あー。やっちまった。居眠り運転、自損事故。ぶつかった相手は、3月下旬の硬く締まった雪の壁。
運転席側が斜め上になっていたので、車から出るのに苦労した。車の前に回ると、この事故が凄いものであることが、だんだん分かってきた。なんと、ボンネットの左側が無くなってエンジンがむき出しになっている。スキーキャリアが50メートル以上先の雪上までふっ飛んでいる(当時、一番丈夫だと言われていたテルッツォのレインガード直締めタイプを、初代スプリンターカリブに付けていた。)。
考えてみれば、当たり前か。居眠りでノーブレーキだもんね。カタログに出ているオフセット衝突実験と同じだ。
こんな事故を昭和63年3月26日午後4時36分、起こした。(その後、救急車が来て、後日、警察で一応の取り調べを受けて…)
そして、その9日後、初めて人の親となり、翌日には、左目片目で、我が子と対面するのであった。親として情けない出発になった。
あれから、20年。
今日は病院のベッドの上。なんか、状況が似ているよなあ。我が子が二十歳になる節目だというのに。
まあ、そんな星のもとに生まれた娘よ、明日はおめでとう。そして、妻よ、ありがとう。

| 2008年03月26日(水) |
移植後90日目のマルクを実施。ドナー細胞の割合が99%。ブラストはほとんどない状態(1.6%程度の機械測定数値)。
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移植後90日目のマルクを実施。ドナー細胞の割合が99%。ブラストはほとんどない状態(1.6%程度の機械測定数値)。
| 2008年03月24日(月) |
あなたはスキーが好きですか??
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ここ最近、選手やコーチのブログに『荒らし』が横行している。星瑞枝選手のブログも被害にあった。匿名で誹謗中傷目的のコメントが続いたのだ。
mixiのコミュでこのことが取り上げられていた。
そして、男子チームの植野さんからのメッセージが紹介されていた。
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『選手の文句は俺たちに言え!!』 『僕は男子アルペンのスタッフ、植野悟です。』
【もしあなたがレーサーならば・・・】
あなた個人の成績の鬱憤を他人にぶつけるのはやめな。
選手は努力してます。 あなたもがんばっているのでしょう??
怪我に立ち向かっているもの、怪我を克服したもの、過去の自分と向き合うもの、未来に向かい一歩踏み出したもの・・・
なぜスキーを始めたの??? スキーは好きか?? 好きなことを否定して楽しいか??
今がんばるのは、自分と向き合うため、現役を辞めてからもがんばる習慣をつけるためにがんばるんだよ。
それを指導者に学ばなかったのかい??
君の未来は君のもの。君以外に変えることができないものなんだよ。
君はスキーが好きかい???
強くなりたかったら、結果がほしければ『考えながらがんばりな』
【もしあなたが指導者ならば・・・】
何か、勘違いしてますね。
結果は選手のもので方法論は育成側の問題。
結果を残せないあなたの方法論に問題はないのか???
もし、あなたが思うこと、言いたいことが正当な評価を受けようと思うのならば 正々堂々と名前を公表して言いなさいよ。
でも、あなたに人を教える資格はない。
選手の成績、がんばりに依存しすぎじゃないですか??? 選手が持ってくる【結果】だけに【己】を寄せて、 【一喜一憂】しすぎてないでしょうか。 【結果】はすべて『選手』のものです。
『指導者』は選手が 【その先も生きていける】ように、 【今、がんばる】のは【これからもがんばることを覚えるためにがんばる】 と指導できればいいじゃないですか??
さらには選手を取り巻く環境、政治力、ともにあなた付随するものでしょう。 あなた自身の力不足を周りのせいにしてませんか???
ひとつ問います・・・ 【あなたはスキーが好きですか??】
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毎年、春になると、チーム編成絡みでこのような嫌がらせが横行している。妬みを持つのは自由だけど、それを公器であるネット上で、それも他人のブログなどに匿名で書き込みをする輩は、どうしても許せない。毎年毎年、飽きもせずに… 選手には、中傷などを気にせず、練習・レースに集中できる環境をつくってあげなければならないと思う。

『退院後の再生プラン』
■目的 入院生活で動けなくなった身体を、使える動かせる身体に戻す。
■方法 持久系と筋力系トレーニングを組み合わせ、動かせる筋肉を取り戻していく。
■具体的方法 メニューとして考えているのは、次の通り。 ・インラインスケート 歩くことより脚部関節への負荷が弱く、スキーヤーとして必要なインナーマッスルを回復させるのに効果的なインラインスケートをやる。場所は、家の前の駐車場(私有地)。テニスコート一面程度の広さがあり、8の字を書くのにちょうど良い。時間は早朝の30分程度。毎日の日課とする。
・マシントレーニング 自重を使うトレーニング以前に各関節を適切な角度に保てるマシントレーニングを行う。バイクから入り、脈拍100〜120程度の低負荷で30分。マシンウェイトは、ウェイト負荷なしで始め、各マシン15×3セットを基本に行う。同時に、身体裏側のストレッチを入念に行う。時間は10時〜12時の2時間。人が多い土日、通院日の月、施設休館の水を除く、火、木、金に行く。自重トレーニングができるようになれば、家にいるとき用にメニューを加える。
※早期に成果を求めるのではなく、一年後、二年後を考え無理はしない。 ※食事は、炭水化物を基本に、適量のたんぱく質、脂質をとる(まずはカーボローディング)。香辛料などの刺激物は避ける。 ※体重の増減は、あまり気にしない。優先するのは、動ける身体づくりだ。 ※筋力測定をするが、数値は気にしない。数字は数字でしかない。自分がどう感じるかが重要だ。
■来季へ向けての最小限の到達ライン 最低20本のポールを片手で持ち、太ドリルを自在に操れるようになりたい。硫安撒き、硫安運びは、潔く引退し、後顧に託す。頼むよ、カツオ!テツヤ!

念願だった今年初のお風呂(シャワー)に、本日入ることができた。もう凄く嬉しくて。この日の為に、浴槽を泡泡にするバスソルトなんか用意してさ。ウキウキして脱衣所に入った。
今日は、男性がデカイ方のお風呂の日。普通の浴槽のほか身体障害者用の特浴設備が整っていて、エアコン暖房があり、エアコン連動の遠赤ヒーターがぶら下がっている。衛生面から一人ずつしか入らないので、とっても贅沢な空間になる。
何しろ今年初の風呂だから、嬉しくて嬉しくて。
だけど、病衣を脱いでイザってときに、見てはならないものを見てしまった。
それは、脱衣所にあった全身を写し出す鏡。
そこに写し出されているのは、紛れもなく俺自身の裸体のはず…なんだけど、現実を受け止めるまで、しばらく思考停止状態に陥った。そこに写し出されていた裸体を、自分自身だと受け止められなかった。
自然と涙が溢れてきた。
声にならない声が漏れた。
今朝の体重は、51.7kg。元々の体重は、68kg。数字は理解していたつもりだった。病衣から覗く腕や脚が細くなったとは思っていた。だけど、全身を写し出され、現実を突き付けられると、もう、耐えられなかった。一人、裸のまま涙が床にボロボロ落ちた。
しばらくして、鏡の中のみすぼらしい自分自身をもう一度見つめた。
そして、こう思った。ここまでの身体になるまで、よくやったな。よく生きてこれたな。生きていたから、この姿を自分で見ることができたんだなって。
ここからがスタートになるのか、あるいは、もっと筋肉が落ちた状態からがスタートになるのか、よく分からない。元の身体に戻すのは、年齢から考えても並み大抵の努力じゃ無理だろう。
だけど、現実を受け止め、究極の医療行為で命を繋いでもらったことに感謝し、一歩、いや半歩ずつ、前に進んでいこうと思う。

久々に星瑞枝ファン(http://blog.livedoor.jp/nkyuya/)をリザルト以外で更新してみた。
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『ご報告 Mizue_FANです。 私こと 昨年12月27日に臍帯血移植を行い無菌室(バイオクリーンルーム)におりましたが、その後経過も順調で、明けて本年2月5日にはセミクリーンルームへ移動、さらに2月21日には一般病棟4人部屋へ移動でき、現在、退院へ向けて過ごしております。
本日、移植後84日目(入院268日目)を迎え、このまま順調に行けば、ゴールデンウィークには今シーズンの春雪と対面することができそうです。
闘病生活は、一言で言い尽くせない、様々なことがありました。特に、40℃の高熱が続いた地獄の数週間は…
しかし、サナギは蝶になり、蕾がやがて花開くが如く、自分の生命力を信じ、主治医を信じ、病院スタッフを信じ、家族に支えられ、ここまで来ました。
この間、多くの皆様から、励まし、応援していただき、大きな力となったことは言うまでもありません。感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
一先ず、この地点まで辿り着いたことを、皆様にご報告申し上げたいと思います。
平成廿年三月春分の日』
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『お知らせ』という記事を以前書いていたので、それに対応する記事としてアップした。

| 2008年03月16日(日) |
俺の冬は終わったのかもしれない。
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今日、すごく残念なことがあった。二女(中一)が足を傷めたらしい。木曜日までレースだったんだけど、解放値をレースでの値にしたまま、その後の練習をしていたらしい。疲労も溜まっていたのだろう。今日の午前中の練習中にやっちまったようだ。
この日記では、全日本やジャパンシリーズや技術選なんかのトップシーンを追いかけてきたけど、俺の関心を一番引くものは、やはり、自分の子供なわけで。ポイント取るためのB級レースの行方には、人一倍敏感だった。それに加えて、現場に出れないもどかしさが重なり、ビデオを取ってきてもらっても、我が子はなんで成長しないんだろう、ああすればいいのに、こうすればいいのに、って直接会いに行くこともできないのに、いつもいつも考えていた。
今回の解放値チェックだって、俺がついていれば絶対に起こりえない事故だ。一人でワックスやビンディング調整をこれまで頑張ってきた我が子を責めるわけにもいかないが、まさに自業自得。取り返しがつかない。
まだまだレースがあったのになあ。やっぱり、心に隙ができたんだろうな。舐めちゃいけないよ、このスポーツを。

【Referer】
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