2002年06月11日(火)  『風の絨毯』同窓会

『風の絨毯』プロデューサーの山下さんと「ざっくばらんち(ざっくばらんにランチ)でも」と約束したら、『風の絨毯』言い出し人の益田さんと、わたしに山下さんと益田さんを引き合わせてくれた小山さんも来れることになった。四人でプロットを錬った思い出の店で、風の絨毯とは関係のない世間話をのんびりする。ワイワイ言いながらアイデアを出し合ったのが懐かしい。撮影が終わっても、会いたくなること、また何かしたいねと話せることがうれしい。

益田さんは明日から再びイランへ。「大変ですねー」と声をかけると、「熱中できるものがあるって、いいよね。人生は短いけど、映画は長い。どうせギャンブルするなら、好きなことに賭けないと」と力強い言葉。ちょうど今書いているシナリオにそっくりな台詞が出てくるのでドキッとしたが、考えてみれば、『風の絨毯』にも同じような話が出てくる。人の命は短いけれど、昔の人は高山の祭屋台に、あるいはイランのペルシャ絨毯に永遠の命を託した。『風の絨毯』は、その二つが出会う物語。人が何かを創造しようという衝動の裏には、この世に生きた証をとどめたいという遺伝子の叫びがあるのかもしれない。

BANK #5  訳:いまいまさこ

To realize the value of ONE YEAR,
ask a student who failed a grade.
To realize the value of ONE MONTH,
ask a mother who gave birth to a premature baby.
To realize the value of ONE WEEK,
ask the editor of a weekly newspaper.
To realize the ! value of ONE HOUR,
ask the lovers who! are waiting to meet.
To realize the value of ONE MINUTE,
ask a person who missed the train.
To realize the value of ONE-SECOND,
ask a person who just avoided an accident.
To realize the value of ONE MILLISECOND,
ask the person who won a silver medal in the Olympics.
1年のありがたみを知るには
留年した学生に聞きなさい。
1か月のありがたみは
未熟児を出産した母親に
1週間のありがたみは
週刊紙の編集者に
1時間のありがたみは
待ち合わせの恋人たちに
1分のありがたみは
電車を逃した人に
1秒のありがたみは
間一髪で事故を免れた人に
1/1000秒のありがたみは
銀メダルに終わったオリンピック選手に
聞きなさい。

2000年06月11日(日)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)


2002年06月10日(月)  軌道修正

書いたものの方向が違ってた。でも、軌道修正すれば、大丈夫。壊して、直して、どんどん良くしよう。

BANK #4 訳:いまいまさこ

There is no going back. There is no
drawing against the "tomorrow."
You must live in the present on today's
deposits. Invest it so as to get from it the
utmost in health, happiness, and success!
The clock is running. Make the most of today.

後戻りはききません。
前借りもできません。
今日の預金で今を今を生きなくてはなりません。
時間を投資して、できる限りの
健康と幸福と成功を手にしましょう。
時計の針は進みつづけています。
今日を最大限に利用しましょう。

2000年06月10日(土)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)


2002年06月09日(日)  日本VSロシア戦

■ワールドカップ日本VSロシア戦を見てしまった。最初は見る気はなくて、キッチンで夕食をつくりながら、隣の部屋でダンナが「一人司令塔」をやっている姿を眺めて面白がっていた。「行けー! 勝負しろー! 何やってんだよ、そっちじゃないだろ! ああっ!」。ガムを噛んで腕組みしているトルシエ監督よりも派手なリアクションがあまりにうるさくて気になるので、「そんなに盛り上がってんの?」とテレビのそばに寄ってみたら、もう目が離せなくなった。日本ってこんなに強かったっけ、と感心したり、ロシアに気迫からして勝ってるよ、と驚いたり。ワールドカップはあまりに大きくて、手の届かない存在で、親近感が湧かなかったのだが、一生懸命ボールを追う姿には、理屈抜きに引き込まれる。迷いのない積極的な攻めが、見ていて気持ちいい。勝利が決まる瞬間まで、大騒ぎして見てしまった。あまり興味はなかったのに、チャンネルを合わせたら釘づけになってしまった人、多かったのではないだろか。驚異的な視聴率が出そう。
BANK #3

Each day it opens a new account for you.
Each night it burns the remains of the day.
If you fail to use the day's deposits, the
loss is yours.
時間は毎日あなたの新しい口座を開き
毎晩その日の残高を燃やしてしまう。
その日の入金を使いきれなかった場合
損失はあなたに跳ね返ってくる。

2000年06月09日(金)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)


2002年06月08日(土)  P地下

NHK-FM青春アドベンチャー『アクアリウムの夜』台本が届く。全10話を通して書いたのは初めてなので、4册並べてうれしくなる。各話15分で150分。パコダテ人の約2倍と考えると、長い。

『アクアリウムの夜』は、「地下」が重要なキーワードだが、地下に縁があるのか、夜は新宿の居酒屋で「P地下」飲み会。PはpedagogyのP。大学時代は教育学部で、学部の校舎の地下は「P地下」と呼ばれ、学部生のたまり場だった。そこでは学年を越え、卒業生まで巻き込んだアットホームな交流が行われていたらしいが、応援団にどっぷり浸かっていたわたしは、その雰囲気を味わうことなく卒業してしまった。それが、P地下の人々が集うサイトで『パコダテ人』を宣伝させてもらったのがきっかけで、「パコダテ人飲み会をやろう!」という話になった。集まったのは、二つ上のゼミの先輩から就職活動で上京している現役5回生まで、10人。みんなは「懐かしい!」と言っていたが、わたしには「新鮮!」だった。今でもP地下魂は生きていて、春の新歓コンパにOBが駆けつけたり、社会人となった先輩が現役生の就職活動を応援したりしているらしい。掲示板にわたしが書き込んだ「パコダテ人東京公開!」を見て、見に行ってくれた人が4人もいた。「京都でも宣伝しときますよー」と学生君もたのもしい。なんて、いい学部なんだ!卒業して10年近く経ってから、秘密の隠し部屋を見つけたような気分だった。(「秘密の部屋」もまた、『アクアリウムの夜』のキーワード)

お開きの前に抜け、朝までワープロを打つ。P地下パワーで、元気、元気。

BANK #2

Each of us has such a bank. Its name is TIME.
Every morning, it credits you with 86,400 seconds.
Every night it writes off, as lost,whatever of this
you have failed to invest to good purpose.
It carries over no balance. It allows no overdraft.
わたしたち一人ひとりは、そんな銀行を持っている。
その名前は、時間。
毎朝、86,400秒が与えられ、
毎晩、上手に使えなかった分は帳消しにされる。
繰り越しはできず、貸し越しもできない。

2000年06月08日(木)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)


2002年06月07日(金)  ドキドキの顔合わせ

はじめて仕事をする人とは、仕事をしながら、自分を知ってもらい、その人を知っていくことになる。会社の仕事でも、もちろんそうなのだが、一人で得意先を任されることはない。デザイナーやCMプランナーやクリエイティブ・ディレクターと組んで制作するし、営業とともにプレゼンするので、個人としてよりチームとて評価されることになる。一方、フリーの脚本家として仕事をする場合は、自分自身がすべて。はじめて送るメール、はじめてもらう返事、はじめての打ち合わせ、そのひとつひとつに、試されているような緊張感がある。

今日は、あたらしい仕事をすることになったディレクターと一回目の打ち合わせ。4時間近く話をする。仕事に直接関係ない話でも、言葉を交わすたびにお互いの価値観が引き出され、それが作品に反映されてくる。打ち合わせのたび、思うのは、「インターネットの時代になっても、顔を合わせて話をすることは大事」ということ。下書きも削除もできない状況で、表情という証人つきで、本音をさらけ出すということをやっておくのは、とても意味がある。シナリオの仕事の場合は、とくに、身振り手振りを交えて話せるのが大きい。

以前、大阪にいる方と仕事をすることになった。メールを使って原稿さえ送れば済む話だったが、その人は、東京出張のついでに、会う時間を作ってくれた。食事をしながら、二時間程雑談しただけだったが、その後、メールだけのやりとりでも、「顔が見える」ので、話が早いし、誤解も起こりにくい。顔を合わせることで、気持ちも合わせているんだなと思う。■FRIENDSの興醒めの落ち(チェーンメール部分)は省略して、おそらく同じ人が書いたと思われる新着メールを今日から紹介。勝手に『BANK』と名付けてみた。

BANK #1 訳:いまいまさこ

Imagine. . . .
There is a bank that credits your account
each morning with $86,400.
It carries over no balance from day to day.
Every evening deletes whatever part of the balance
you failed to use during the day.
What would you do? Draw out ALL OF IT, of course!!!!

想像してみてください。
毎朝あなたの預金口座に86,400ドル入れ、
次の日には残高を繰り越さない銀行。
毎晩、あなたが使いきれなかった残高は、消される。
あなたなら、どうする?全部引き出すに決まってますよね!


2002年06月06日(木)  同窓会の縁

■一昨日、母校に『パコダテ人』を案内できないものかと思い、サイトを検索すると、高校の同窓会事務局のホームページが見つかった。トップページに「今年の同窓会総会は阪本順治監督を迎えて開催」とあった。阪本監督といえば、前田監督が『どついたるねん』『王手』で助監督を務めた縁がある。これは運命だ!と思い、事務局にメールを送ったところ、同窓会幹事長という方より、昨日返事が届いた。阪本監督を迎えての総会は大阪公開一週間前の6/22に行われるらしく、「総会の会場でチラシを配布」するので送付して欲しい、「同窓会のホームページにも掲載」する、といれしい申し出をいただいた。しかも、同窓会のホームページの委員をされているのは、わたしが愛読していた地元ミニコミ誌の編集部に勤務されている方とのこと。そのミニコミ誌にはメールを送ったものの、梨の礫だったので、「無名脚本家ではニュースバリューがないのかなあ」と諦めていたのだが、取り上げてもらえるよう、あらためて働きかけていただけることになった。同窓会のあたたかい応援に感謝し、もっと早くお知らせしておけばと思う。■高校の先輩は思いがけないところにいる。『パコダテ人』企画の一人、読売テレビの新谷さんとは、函館の映画祭ではじめてお会いしたときに、高校が同じと分かって驚いたが、阪本監督も12期上の先輩だった。
Friends #7

Yesterday is history.
Tomorrow is mystery.
Today is a gift.
昨日は歴史
明日は神秘
今日は贈りもの


2002年06月05日(水)  シンクロ週間

■昨日から今日にかけてシンクロニシティ(くわしくは12/18の日記にて)の連続!点と点がどんどんつながって線になっていっている。その点は「人」だったり、「興味のある分野」だったり。好奇心とエンジョイ精神を持って、いろんな人に会い、いろんな物事に首を突っ込んで蒔いた「種」が芽を出しはじめたのかなあという気がする。でも、まだ花が咲いたり、実がついたりはしていない。今は「予感」という芽を大事に育てて、うまく花や実を結びそうになったら報告させていただくとしよう。■明日から友だちブラウン君の写真展。お時間ある人はぜひ!くわしくはブラウンダイアリーへ。

Friendsは1回お休みして、ワールドカップ番外編(ある社内メールより)

(前略)試合終了の後、例によってテレビの画面には礼儀正しい日本のサポーターが観客席を清掃している姿が映し出されていました。前回のフランス大会でもこれは話題となり、各国のメディアが取り上げていたことを思い出しました。海外の方々が日本人を理解する上で、これほど素晴らしいことは無く、誇らしく思いました。一方で、時代は変わってもこのような、いかにも日本人らしい、古来からの礼節をわきまえている日本人がいて、その文化が存在していることが嬉しく感じられます。さて、その同じ時間に、皆さんがゲームと飲食を楽しんだ会議室をスタジアムと同様にかたずけている人がいたことを、何人の人が認識していたでしょうか?(中略)ここはレストランでもなく、ケータリングのサービスがはいっていることもほとんどありません。いつも誰かが会場をセットし、かたずけをしています。(中略)退席するときに、コップの一つ二つ、皿の一枚二枚をかたずけていくと言ったマナーが今後定着するといいですね。我々の社会はそうした文化ですし、ビジネスに於いても大切なことだと思います。(後略)


2002年06月04日(火)  回文ぐるぐる「サッカー勝つさ」

自分ではじめた回文企画に、みずからはまり、頭の中がぐるぐるになっている。47都道府県をお題に回文を作った人、回文短歌を作る人、世の中には名手がぞろぞろいるのだが、何かコツがあるに違いない。頭の中に合わせ鏡があるとか。今のところは、身の回りのものを手当たり次第逆さまに言ってみて、偶然意味が通ったものを「回文発見!」している。ペットボトルのお茶の成分表示を見ながら「ビタミン見た日」。意味不明。同僚のなくいが教えてくれたサイトには「バリウム売り場」とあった。うまい。

『刑務所のリタ・ヘイワース』(映画『ショーシャンクの空に』の原作 スティーブン・キング著)を教えてくれたなくいは、本を見つけるのがうまい。今日貸してくれた『わたしカスミ草』(石津ちひろ著 まえの・まり絵)という本は、「さかだちで読んでね」と副題がついている。タイトルを逆から読むと「嘘、見透かしたわ」となる。回文ではないけど、変身文になる。面白い。中には詩のような回文が1ページにひとつずつ。「まずい肉付き 気づく新妻」「四時まで待つ気よ 良き妻で魔女」がお気に入り。回文の持つ独特のリズムが楽しい。わたしもこんな気のきいた回文を書きたい、と目標ができた。

今宵はサッカーワールドカップ日本初戦。「本日は残業をしないように」と社達が回り、5時前から退社する人が相次ぐ。なんて会社だ。わたしは今から飲み会が二つ。類は友を呼ぶのか、「ワールドカップはニュースで見ればいいや」と思っている友人にそれぞれ誘われた。わたしが応援しなくたって、「サッカー勝つさ」。

Friends #6 訳:いまいまさこ

Friends, you and me ....
You brought another friend ....
And then there were 3 ....
We started our group ....
Our circle of friends ....
There is no beginning or end ....
友だち、あなたとわたし
あなたは別な友だちを出会わせてくれ
三人になった
わたしたちは仲間になり
友だちの輪ができた
その輪にははじまりも終わりもない。

2000年06月04日(日)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)


2002年06月03日(月)  きる ふぇ ぼん

■今日は、とってもいい天気。フランス語ではQu'il fait bon.同じ名前のケーキ屋さんが表参道にあって、わたしのお気に入り。てなことを以前日記に書いたら、獣医の卵のジャンガリアン君から「ネズミの名前にいただきました」とメールと画像が送られてきた。1匹で『キルフェボン』かと思ったら、『きる』『ふぇ』『ぼん』の3匹。『のぞみ』『かなえ』『たまえ』みたいでかわいい。(年がばれる!?)■『風の絨毯』の柳生美結ちゃんが上京。お母さん、プロデューサーの山下さんとともにわたしの勤務先の広告代理店に来てくれる。キャスティング担当のU嬢、CM制作プロダクションのO氏、『風の絨毯』のチラシを作ってくれたデザイナーのE君に紹介。イランでのメイキングのビデオを見せてもらう。撮影の合間、ルーズベ役の男の子に「もうかってまっか」「ぼちぼちでんな」「なんでやねん」「ほな行こか」と大阪弁を教える美結ちゃん。男の子は天性の飲み込みの早さで、見事に大阪弁をモノにしていく。『風の絨毯』で美結ちゃんが演じる『さくら』は、物言わぬ女の子なんだけど、生き生きしているおちゃめな美結ちゃんをスクリーンで見たくなった。
Friends #5

Beautiful young people are accidents of nature,
Learn from the mistakes of others.
You can't live long enough to make them all yourself.
美しい若者は、自然が生み出した事故に過ぎない。
人は、他人の過ちから学ばなくてはならない。
すべてを自分のものにするには人生は短すぎる。

2000年06月03日(土)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)
1979年06月03日(日)  4年2組日記 先生の家


2002年06月02日(日)  お宅訪問

■昭和3年生まれの友人T氏のお宅に招かれ、長いお茶をする。午後1時にはじまり、気がつくと7時。集まったのは、わたしと、T氏の幼稚園時代の同級生K氏とY先生。小児科の先生でテレビドラマにアドバイスをしているY先生とわたしが放送文化基金のパーティーで知り合ったのがきっかけで、そのお友達ともおつきあいさせていただいている。K氏と会うのは初めてだったが、放送局で報道記者をされていたということで、わたしの作品にも興味を示し、たくさん質問を投げかけてくれたし、政治のことから「効率のいいお皿の洗い方」まで話題も豊富で楽しい方だった。T氏は「今井雅子は悩める人救済物語を書く」と言い、作品ごとに丁寧な感想を下さる方だ。パコダテ人についてはノーコメントだったので、観られてなかったのかと思ったら、「率直に申し上げてよろしいですか。私、あれは、ダメでした」と面と向かって言われた。Y先生は「わたくしはそれなりに楽しめましたが」と笑っていたが、どうも70代にはあまり受けないらしい。T氏は「パコダテ人より『彼女たちの獣医学入門』がずっと感動いたしました」と、ビデオをかけた。「しかし、それより好きなのは『過去に架ける虹』です。あれは、親の立場で聞くと、たまりません」とのこと。人によって、感じ方はさまざまだとあらためて思う。■T氏のお宅でもシンクロニシティがあった。T氏が通っているお寺の機関紙に日木流奈君が寄稿していたのだ。それを見つけて興奮していると、「ふた月に一度くらいのペースでエッセイが載るんですが、彼の文章を読むと、他のものが色褪せます」とT氏。例のドキュメンタリーの賛否両論が白熱したことについてどう思いますかと聞いたら、「わたしにとっては、あれは嘘だとか本当だとかいうのは問題ではなく、ただあの言葉が素晴らしいのです」という答えだった。
Friends #4

He, who loses money, loses much;
He, who loses a friend, loses much more;
He, who loses faith, loses all.
お金を失うことは、痛手だが
友人を失うことは、それ以上に痛く
信頼を失うことは 致命傷である。

2000年06月02日(金)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)
1979年06月02日(土)  4年2組日記 バレーボール

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