日記雑記



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ソンナモノハ妄想ダ
表紙以前以後読書メーター


2008年10月04日(土) 映画「落下の王国」

「落下の王国」、見てきました。
映像、きれいでした。
わたしが一番わくわくしたのは象が泳ぐところと、ケチャの場面。ケチャっぽい儀式で霊者の体に地図が浮き出てきて、それを必死で書き写していくのです。

現実サイドの展開がべたなのはいいとして、「物語」の方のストーリーが若干弱いのですが、それは好き放題空想を広げた結果なんだな、と。
私はこういうやりたい放題の話好きだな。ちょっと違うけどアウトサイダーアートを思い出しました。
暇つぶしと、そして何とかして少女に薬を持ってこさせるためだから、わりとその場限りの空想とご都合主義で出来てて、複線なんて何のその。
この大風呂敷どうやってたたむんだろうなーと思いながら見てました。

ネタばれ。

大風呂敷は…めでたしめでたしで畳まなかったですね。現実の挫折と崩壊を反映しつつ。
ダーウィンのおさるが撃たれたときにすごい嫌な予感がして、後はもう…。爆発男とかあんまりだ。
霊者が「グーグリ、グーグリ」って救いを求めながら(これはアレクサンドリアが教えてもらったおまじない)殺されていく辺りでもう駄目。奴隷出身の黒人さんが射掛けられるあたりで私涙目。激しくしょげつつ見ていると、インドの人がまた非常にかっこよくてなんてこった、という感じ(壁上りだした時点でこれはインドの人がロープ切るな、って思いました。高いところ危険)。
黒山賊が殴り倒されて沈められそうになるところではもうアレクサンドリアと完全シンクロの勢いです。あんな、ところどころ微妙なストーリーだったのに、キャラクターみんな生きてたんだなあと思いました。
敵役の造形が現実の反映過ぎてしょぼかったのが残念といえば残念。途中から物語が浸食されてる兆しはあったので、それはそういうものなのですが。
個人的にはお姫様との恋愛話はなくてもよかったと思うんですよね(アレクサンドリアも「お姫様嫌い」って言ってる。笑)。やたらに濃い仲間達との冒険譚が魅力的だったと思います。ロイの物語として、お姫様は必須だったのでしょうけど。

こういう、何と言うか、自分と相手のためだけの物語っていいよな、と思う。結末なんてきっと考えずに、その場の空気で紡がれた物語。現実の何かが物語に取り入れられていく具合が好き。入れ歯とか、おまじないとか。

現実といえば、少女の落下後の人形を使った場面は怖かったです。手術で人形の頭開くとなんか布みたいなのが出てくるの。正視できなかったのでうろ覚え。
最後に一緒に問題の映画を見る場面で、ダーウィンの人がいるのがわかったりしてちょっとほろりとした。映画の中の人が眉毛撫でてたりね…。
その後に続く場面の、白黒のムービーとアレクサンドリアの語り。私は彼女と一緒にロイを見たと、すんなり思ってました。パンフ見たらここは白黒つけられないところ、らしい。確かによく考えたらあの足相当悪そうだった…。映画のスタントマンの中に思い出のロイを見出し続けるアレクサンドリアというのも、悪くないかなと思います。


2008年10月02日(木) 「わたしを離さないで」

久しぶりに布団一式を干せた。お日さまのにおいがするーというあれ。

読書:「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ
表紙を見て読み始めて、証言テープか何かで事件を記録していくミステリ仕立ての作品なのかなと思ってしまった。勘違い。
最初の方からなんとなく何の話か分かってきてしまいますが、一応ネタバレは避けたほうがいいかと思うので伏せた感想。

思い出話が前後するのでなかなか落ち着かなかった。
解説に「記憶は捏造する」「運命は不可避である」というのが作者の中心テーマだって書いてあるけどそういうことなのでしょうか。捏造するというか、わたしは他者と理解しあえない部分を感じた。みんな実は独善的だったり偽善的だったりするんじゃないかな、と。先生とか特にね。

この題材ならもっと派手な展開にすることも出来たと思う。でも、書きたかったのはそういう派手さではなくて、運命をじわじわ受け入れさせられていく(受け入れざるを得ない)人たちの姿なのだと感じた。
特異な物語だけど、本質的に私達にも似たようなところがあるのかもしれない。


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