度々旅
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最近、朝起きるとベランダのトマトを食べている。ほんとにおいしい。育ててよかったなぁーと毎朝思う。こんなことなら、もっと植えておけばよかった。 それに比べ、ミニ大根。かなりエゲツナイ形に育ってる。そもそも、果たしてこんな大量の大根が必要だったのだろうか。種を蒔きすぎて、ぎつぎつなので上の方は細い。けれど、下の方はまるでお尻のような形になっている。つか、男性器をも思わせるんですが。。。そして、ますます食べる気をなくした。友達を呼んで、引っこ抜かせてあげたいが、そうもいかないので、何人かに写真を撮ってメールを送った。そのうち、お守りとして皆に配ろう。
なんだか、ハードで壊れた1週間を過ごしていたような気がする。月、火と先週末の余韻に浸りながら過ごす。水曜日に会社の人に呑みに連れて行かれ、銀座の大人の世界を知る。あたしの憧れの世界はあまりにも素敵で、そこにいる人にまるで新聞記者が取材するかのように質問しまくる。その受け答えにますます尊敬のまなざしをあたしは向ける。帰ってきてゲロ吐いて同居人に迷惑かけてる自分を冷たい目で見ながら、到底足元にも及ばないなぁと思う。彼女達は女性の中の女性だ。 木曜日は、二日酔いなんだか、夜の蝶があたしの周りをまだ飛んでいるんだか、一日中ふらふわした状態で過ごす。昼休み、近くの公園のベンチで風を受けながら、生きているなぁなんて思う。朝まで呑んで授業に出て、その後大学の林の中で一服しながら、宇宙と同化したような気分で心地良いのと同じ感覚で嬉しくなる。昨日蝶々と戯れてた上司がコーヒーを飲んでいるのを見て、あたしもコーヒーが飲みたくなり、会社帰りに謎の喫茶店に入る。適当に好みを伝えて出てきたモノは、インディアンモンスーン。その瞬間、あたしったら絶好調すぎると怖くなる。 金曜日、大学の恩師と再び呑む。先生は私服で現れ、私は気づかずに素通りする。先生、さわやかすぎます。他の人も交え結局1時近くまで飲む。ああ、また帰れない。場所を変えコーヒーを飲み、だらだら時間を過ごし、場所を変えまただらだら過ごし、あたしったら壊れてるなぁーとぼやく。朝6時、最近お決まりの胃痛に悩まされ、日常を思い出し、タナトフォビアのことをカミングアウトし、インドに帰りたいとわけのわからないことを言い出す。 痛い頭を抱えながら朝帰ってきて、歯医者へ行き、衛生士に歯を磨かれなたら気持ちよくて寝てしまう。同居人と父親と3人と歯医者へ行くという奇妙な図は2ヶ月近く続いているが、やっと私は卒業。あとは仲良く二人で通ってくれ。 父親の呑みの誘いをお断りし、昼ごろ帰ってきて、たくさん寝て日曜朝方起きて、あれ今日も休み?あたしの休みはいつまで続くんだと変な気持ちになる。どうやらあたしは今週働いていた感覚が無いようだ。メールを見ると昨日の朝まで一緒にいた人間から心配メールが入ってた。なんだか少しだけ優越感に浸りながら再び少し眠りについて今。爽やかだ。 壊れたときに、最後に引っ張りあげてもらう人にはまだ連絡をとりたくない。だからもう少しこの状態であたしはいたいようだ。たまにはそんなこともあるさと、ベランダのトマトを食べ、甘美な味とはこの味のことを言うのかなどと思う。壊れてるあたしに離婚だ離婚と騒ぐ同居人。あたしはあんたと結婚してないよとぼやく。つか、あたしが寝ている間にきれいな体になって戻ってきたパソコンに、ウィルスみたいなもんを入れて反撃をするなよ。
万博翌日、熱田神宮に行く。花嫁を見た。ここで先輩が式を挙げたことを思い出す。あれをやりたい。神社の中を花嫁衣裳で歩く。これぞ嫁入りの図。バージンロードを歩いたら大笑いをし、大笑いされそうなあたしでも、厳粛な空気を醸し出せそうだ。しかし、何が理由なのかわからんけれど、あたしが木の写真を撮ってたら、知らないおっちゃんにあそこにヘビがいると教えられ。歩いていたら、今日は土俵入り前の奉納で横綱が来ると教えられ、あたしは雇ってもいないガイドのおっちゃんにいつも話しかけられるお得な人間だ。 その後、名古屋城に行くものの、鯱がねぇよ。改修中。友人と券売をしている入り口で悩む。今後名古屋に来ることは考えられても、名古屋城まで来るだろうか。電車賃をかけてここまで来て、城内に入らないのはいかがなものか。しかし、鯱はないわけで、やっぱりもう一度来ることになるのだろうか。とダラダラ話し、結局万博チケット持参は100円引きということで入った。そして、城になかなか辿りつけず、ぐるぐる歩いた。そりゃそうだ。地図も見ないで、あっさり門に辿りついたら城は簡単に陥落してしまう。 その後以前18切符で途中下車したときに食べた店で味噌カツを堪能し、やっぱり味噌カツは少しでいいと同じことを思い、名古屋を去った。 そして、家に帰るかと思いきや、東京駅から立川へ。飲み会に遅く参加。愛しき院生仲間たち。先生の御本出版お祝いを称しての飲み会。まさかまさか、私にも先生が本をくださるとは。すごく感動した。いや、本当は涙が出そうだった。私が手伝ったことは、資料収集程度だったけれど、授業参加者が皆本をもらっているということを耳にしていたので、自分は卒業してしまいもうそんな身分じゃないとちょっと寂しく思いながら、自分で本を買っていた。それが、いただけた。教え子認定を受けたようで、そして未だ私の場所があるような気分で、なんて愛しい先生なんだろうと思った。 私にとってこの人たちはなんて素敵な宝物なのだろうと思い、かつてのような会話に安心した。話題はつきず、自分がやっていた学問の楽しみと味わいを思い出す。そして、専門じゃないけれどなんとなくとって、結局最後までこのゼミに参加したことを誇らしく思った。私が入社拒否したとき、先輩がすぐに来週からゼミへ来るように連絡をくれた。私は救われた。私はさして発言もできず、参加しているとは思えないまま過ごしていたので、そんな私でもあのゼミに場所があったのだとすごく大きなモノに包まれた気分だった。 そういう大切な人達との時間によって、私はこの3ヶ月の間の違和感や不安定さがジワジワと湧いてきてしまった。何が問題で、何が原因かなんてわからないけれど、とにかくすごく疲れていたようだ。仕事をして、資格の勉強を始めて、テキストを読み続ける。外からは順調に見える私の中はじくじく腐り始めていて、膿だらけだった。結局一人の先輩と朝まで一緒にいて、私はその膿を出していた。帰りの電車の中で、なぜか涙がボロボロ出てきて、なんてあたしは恥ずかしいヤツなんだと思ったが、自分のやっていた学問への思いも一緒に溢れてきて、どうしようもなかった。けれど、そんなかつてのような生活を少しだけして、もう少しなんとかやってみれるような気がした。いつの間にか、私にはサークルの仲間以外にも新しい家族ができていたようだ。なんて素敵な家族なんだろう。そして、彼らがいることでどれだけ助けられ、私は生きていられるんだろう。
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