| 2010年09月30日(木) |
ミシェル・スコット著「おいしいワインに殺意をそえて」読了 |
図書館で借りた早川書房、イソラ文庫の中の一冊 原題はMurder Uncorked"これも途中で、しかもものすごく深刻な状況にいきなり割り込むようにレシピが載っている。特に最後あたりのポーク料理のレシピなど、ヒロイン ニッキイが腕を振るったにもかかわらず、誰一人味見をすることができなかったと注意書きが書かれている程殺人事件のクライマックスに唐突に挿入されている。事件解決後に真っ黒こげになってプライパンの上に載っている一品。そうそう、最後のパスタは、ほっと一息、真夜中のパスタ。これは本当に簡単そうだ。ペンネにイタリアンドレッシング、玉ねぎ5個をはじめ信じられないほどたくさんの野菜を生で混ぜ込む。トマト、ピーマン、セロリ、にんじん 玉ねぎはわざわざ春タマネギと書いてあった。あと、薄くスライスしたパンチェッタかベーコンを必要らしい。添えるのは白ワインナル・ジンがいいらしい。一体なんのことかチンプンカンブンだが、文字で読んでいるだけで楽しい。レシピばかり書いてしまったが、ヒロイン ニッキイは、ロサンゼルスの高級レストラン シェ・ラ・メールで働く俳優の卵というか、売れない俳優。過去に刑事役でテレビドラマにも出演したが3回で打ち切られたらしい。レストランの社員教育でワインと料理に関する知識はある。しかも知識欲旺盛で図書館を利用しての調べ物が得意。しかも貧困な家庭に育ち、家族関係も最悪、叔母の元で育つがその叔母は現職バリバリの刑事らしく、その叔母から事件の解決法を学んだとある。その彼女が、たまたまレストランに来たカルフォルニアワインの聖地ナパヴァレーでワインのワイナリーのオーナーデリックマルヴォーと知り合い、そこで働くべくワイナリーに赴く。 お決まりの骨肉の争い。マルヴォー館にはデリックの父の後妻である義母パトリスと別れた妻メレディス、義弟のサイモンとその恋人マルコが住んでいて、デリックは敷地内のコテージに住んでいた。ワイン職人の死、マネージャの死と立て続けに殺人現場に出くわすニッキィ。こうして彼女は事件に首を突っ込んでいき、自らも危険な目にあったり、殺人者と疑われることになっていくのだが、こういったヒロインは多いが、好感の持てる女性もいれば、どうも眉をひそめたくなるいわゆる好奇心の強いおせっかいな人間もいる。ニッキイは残念ながら後者である。勝手に容疑者にインタビューをしたり、いくら警察が動かないからといって殺された人間の家や仕事場に勝手に ナイフで鍵を壊して踏み込み証拠の品を探し回るなど、言語道断である。冒頭でヒロインは自分の過去を嫌悪していたとの一行があるが、所詮自分が一番えらいと思っている人間のようで鼻持ちならなかった。あまりこのシリーズは読みたくないと思う。
| 2010年09月29日(水) |
シャルロッテ・リンク著「姉妹の家」上巻読み始め |
プロローグは1980年12月、ヨークシャーとなっている。召使と二人で住んでいるらしい老女の手記から始まる。ざっと目次を見たら1997年が最新らしい。老女の名はフランシス・グレイ。どうやら年代を前後しながら語られていくらしい。と、思えば召使だったローラ・セリーが次の物語を語っている。面白そうだ。上下2巻あるので嬉しい。
| 2010年09月24日(金) |
サラ・ウォーターズ著「エアーズ家の没落」下巻読了 |
「アッシャー家の崩壊」を思わせる題名だが、原題は”The Little Stranger"と言うらしい。読み終えてから知った。実は事実を知りたくて最後まで読み進めたわけだが、あまりすっきりした結末ではなかった。犯人がわからないのだ。幼くしてなくなったスーザンの幽霊か、ポルターガイストか、医師ファラデーかそれとも召使のベティか。原題から考えればベティの線も強い。彼女が来てから怪異が起こりだしたこと。悲劇に終わって3年後の鮮やかな彼女の姿を見るとそれもありかとも思う。そもそもファラデーが医師としてこの館に往診をたのまれたきっかけがこのベティの仮病に拠るものだった。ただ一人称であることを考えると著者が語り手に何か仕掛けていることが多い。そうするとファラデーか。最後の犠牲者が亡くなった時、彼は近くにいて意識がなかった。犯人は語り手か。アクロバット殺人事件のように。しかしベティもファラデーも具体的に考えると加害者としては成り立たない。読者一人一人の解決案というのは、少し残念でもある。 ********************************************* 新潮社HPより
一作ごとに趣向を凝らした大作を発表してきたサラ・ウォーターズの最新刊『エアーズ家の没落』は、第二次世界大戦後を舞台にした、著者ならではのたくらみに満ちた傑作です。
読む者によってその姿を巧みに変える、さながら万華鏡のような小説である本書は、いちがいにどういうタイプの作品である――と断じてしまうことはできないのですが、エアーズ家の人々と、彼らが住まう〈ハンドレッズ領主館〉が物語の中心に据えられた、堂々たる館もの小説であることは間違いありません。 1733年に建てられたハンドレッズ領主館は、増改築を何度か試みながらも、基本的には建築当時のままの偉容を、物語開始時点の1947年まで保ってきました。一方で、館とともにリドコート村一帯に君臨してきたエアーズ家は、前当主の死後一気に没落していき、昔日の栄光は見る影もありません。しかし、在りし日の一家の権勢をいまも記憶にとどめ、館への憧れを抱きつづけたまま大人になった人物がいました。それが本書の語り手となる、村の医師ファラデーです。少年の日、一度だけ目撃した館内の様子をいまなお鮮明に覚えている彼が、ある日ふとした成り行きから館への往診を頼まれ、二十数年ぶりに館へと足を踏み入れるところから、本書は幕を開けます――
そこから始まる、エアーズ家の人々との交流、そして、次々に館で起きる“異変”の数々。ある箇所ではじっくりと筆を費やし、またある箇所では叩きつけるような文章をつむぐ、ウォーターズの筆致が、物語をひときわ忘れがたいものにしています。ただ物語の流れに身を任せても、至福の読書体験が得られる作品ですが、そこはウォーターズのこと、描写のはしばしに、なんらかの仕掛けがひそんでいる……かもしれません。あえて、身がまえて読むのも一興といえます。 読者のあなたが、読み終えたときにどんな感想を抱くか、とても楽しみです。 *********************** サラ・ウォーターズについて新潮社のHPから丸写し サラ・ウォーターズ 1966年に英国のウェールズに生まれ、ロンドンで育つ。98年に TIPPING THE VELVET で小説家デビュー。翌99年に発表した第2長編『半身』が大評判となり、アメリカ図書館協会賞やサンデー・タイムズの若手作家年間最優秀賞、さらに、35歳以下の作家を対象とするサマセット・モーム賞(イアン・マキューアン、ジュリアン・バーンズ、サルマン・ラシュディ、ピーター・アクロイドなど錚々たる顔ぶれを輩出した)に輝き、一躍英国文壇の期待の星となった。他の作品に『荊(いばら)の城』(上下)、『夜愁(やしゅう)』(上下)。
| 2010年09月21日(火) |
サラ・ウォーターズ著「エアーズ家の没落」上巻読み始め |
先週たまたま書店で新刊を見つける。幼い頃から憧れていた領主館に40歳も過ぎてから主治医として頻繁に訪れることになったファラデー。現在は見る影もなく荒れ果てた屋敷には、エアーズ夫人、娘のキャロライン、息子のロデリックの3人がひっそりと暮していた。上品な夫人、お世辞にも美人とはいえないが、気丈で人柄の良いキャロライン、戦争で足を痛め、顔をやけどし精神に支障をきたしながらも必死に館を守っているロデリック。領主夫人としての過去を捨てることのできないエアーズ夫人。非常にクラシックな味わいながら、ロデリックが次第に常軌を逸していく姿は、読んでいてつらくなる。ただ...それはもしかしたら本当に館に魔が棲みついているのかもしれない。上巻残りわずか。後で気がついたのだが...なんと一冊1,000円 文庫本で。
| 2010年09月18日(土) |
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの・・以下略」購入 |
母に頼まれて文芸春秋10月号を買うべく啓文堂へ。そこで昨日寄ったブック1でも誘惑された本をついに買ってしまった。「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」岩崎夏海著 半分ほど読んだが、作りこまれた偶然性が鼻につかないことはないが、普通だったら絶対に読まなかったであろうドラッカーに触れることができたのは幸いだったし、内容は思ったよりもさらに今の私に役立ちそうだ。ところで、昨日はやはり母に頼まれて百人一首に関する本を新宿のルミネに寄って購入。偶然サラ・ウォーターズの「エアーズ家の没落」上下が新刊書として出ていたので、インテリアの本とあわせて購入。久しぶりに本を5000円分まとめて買った。昨年の改築以来、本は絶対に図書館で借りることを決意したのに、残念なことである。
| 2010年09月17日(金) |
クレオ・コイル著「危ない夏のコーヒー・カクテル」読了 |
なんでも「コクと深みの名推理」シリーズの4巻目らしい。先日読んだ「不機嫌な花嫁」の前にあたる巻のようだ。ビレッジブレンドのマネジャー、クレア・コージーはイーストハンプトン−全米有数の高級な村に来ている。ニューヨークから百マイルしか離れていないロングアイランドのサウスフォークの突端に位置しているこの土地は絵のように美しく、池と湿地と丘が多い。北側は青い水をたたえた入り江に南側は大西洋に面している。いつのまにか、小説の一節を丸写ししてしまったが、地理に弱い私は、どうも地図を丸無視して読む癖があるので、このところ 地理的条件を把握しようと少し努力をしている。要するにここには、ニューヨークで成功した人々が静養しに来る場所らしい。この地に一夏を仕事のためにくることになったクレアがまたしても殺人に遭遇する。結局犯人は盆フェローズというクレアの雇い主である実業家でありカップJというレストランのオーナーのデビッドに自分が開こうと思っていたレストランを横取りされたやはりレストランのオーナーだった。そこにパパラッチのカメラマン、親に感動された裕福な青年などがからみ物語を複雑にしている。
| 2010年09月16日(木) |
「ボヌール デ ダム百貨店」ゾラ著読了 |
面白かった
| 2010年09月11日(土) |
ゾラ著「ボヌール・デ・ダム百貨店」(デパートの誕生)途中 |
先週の日曜日に図書館で借りた一冊。ゾラ・セレクションの5巻目らしい。新刊書の棚で見つけた。普通なら素通りしたと思うが、先日読んでいたドライサーのシスターキャリーの中にデパートができた頃の情景が描かれていてその時代に興味を抱いたのだ。作品はやはりキャリー同様に田舎からやってきた若い女性を中心に描かれていく。キャリーは結局デパートに憧れながらも雇ってもらうことができなかったのだが、ドゥニーズというこちらのヒロインはデパートの中でしっかり組み込まれて生きている。 ドゥニーズは小さな布地を売るデパートのまん前にある店を営むおじ夫婦を頼って弟二人を連れて田舎を出てくる。両親はいない。叔父はデパートに顧客を取られ、日々デパートを憎んで生きている。商業のあり方に大きな変化があった時代である。小売業とデパート、勝者は決まりきっている。かなり厚い単行本であるが、結構見た目より軽量で通勤列車の中でもなんとか読んでいる。面白い。このセレクションには敢えて「居酒屋」と「ナナ」は入っていないらしい。そういえば「ナナ」は途中でやめてしまっている。どうやらホテルで自殺するらしいことがこの百貨店を読んでいるうちにわかってしまった。
| 2010年09月09日(木) |
「食堂かたつむり」DVDを借りる |
封切り当初からDVDが出たら見ようと思っていた一作。恋人にふられた挙句に食堂を開こうと思っていた貯金を全て持ち逃げされてしまった倫子。生い立ちは父なし子ということで、不倫の倫子とからかわれ続けたために祖母の家に逃げ込み、そこで料理の習って育つ。話は前後してしまったが、失意の倫子は声を失い、しかたなくバーを営みながら豚を飼い優雅に暮らす母の元に戻る。そこで倫子は庭にあった物置を改築して食堂を始める。メニューもなく、一日一組の客だけ。はじめの客は昔からの知り合いで店を手伝ってくれる中年の男性(ブラザートム)である。彼は倫子のカレーを食べた夜、別れた妻から久しぶりに電話をもらい、幸せを感じる。次の客は高校生のカップルだが、スープを飲んで、一方的な片思いから両思いになる。倫子の料理は人を幸せにする力があるらしい。と、ここまではとても楽しく見ていたのだが、母親が余命いくばくもないことがわかったり、可愛がっていたエルメスをいう豚を母親の結婚式の料理として食べることになったり、(もちろんこれには深い思いがあるのではあるが)私としてはとても考えられない展開になってしまった。一応最後までは見たものの、倫子が声を取り戻すきっかけも、話のはじめからときおり鳴いていた鳩を料理しておもわず「美味しい」と声を漏らすのであり、私にはダメだった。
| 2010年09月07日(火) |
村松友視著「海猫屋の客」読了 |
昨夜から読み始めたが、体に浸み込むように面白く、やっぱり小説は良いと思ったが、三分の二くらいから新興宗教の教団が出てきたり殺人話になったりあまり読後感は良くなかった。なんというか非日常すぎ、私が求めていたものと違っていたというだけのことなのだが。かつての繁栄を記憶に残しながら、衰退していく小樽だからこそ、人々は優しいというのもどこか図式的過ぎるように思った。
| 2010年09月01日(水) |
クレオ・コイル著「エスプレッソと不機嫌な花嫁」読了 |
以前からこのシリーズのことは知っていたが、何しろ猫好きの私すら敬遠したくなるほど、可愛すぎる猫の表紙のため、内容も子供向けかと思っていたが、たまたま背表紙だけで図書館でチョイス。表紙を見てあらあらと思ったが、どうして、大人向けだった。「新進気鋭のパティシエによる豪華スイーツに幻の豆を使った究極のエスプレッソーー夢のような絶品に彩られた豪華結婚式がメトロポリタン美術館で開かれることになった。ヒロインクレアの元夫のマテオと「トレンド」の編集長ブリアンソマーの結婚式。妙なことから、マテオのバチェラーパーティに出席してしまうことになったクレア。その席に突如固くバチェラーパティーをマテオに禁じていたブリアンが登場する。と、思ったら実はサプライズで俳優の卵である若い女性が演じたものだった。彼女とマテオ、クレオはクレオが経営するコーヒーショップに向かって歩き出すが、突然女性は銃で撃たれて死んでしまう。クレオは元夫の母親と一緒にコーヒーショップを営んでいた。結局ブリアンの元夫の少々気の触れた化学者の仕業と思いきや結局はマテオの再婚式の案内状にショックを受けて自殺をした女性の父親の犯罪であった。それにしても、クレオの現在の恋人は警部補である。確か例のクッキングママのヒロインも警察官だった。結構女流小説家は警察官が好みなのかもしれないと思ったり。そうそう、二人のヒロインのカフェイン好きも同じだ。
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