| 2008年08月21日(木) |
諸田玲子著「木もれ陽の街で」読了 |
帰り、駅に着いた時点で1頁を残していたため、何年かぶりにプラットフォームを歩きながら本を読む。のんびりした日常が綴られている小説かと思えば次から次へとご近所で事件が持ち上がる。ヒロイン公子の身辺も同様だ。それにしてもかなり早い段階で 公子が想いを寄せている片岡に接近しているのが公子の大親友である祥子であるということが読者にはわかるしかけになっている。アトリエにあった描きかけの顔のない女性の絵の服装があきらかに祥子を思い出させるからである。それでもこの小説がハッピーエンドで終わることを疑っていなかったのだが、どうしても恋のために全てを捨てることができなかった公子は敗者となる。それは少女時代の二人に既に顕著であった性格の違いであった。全てを捨てて飛び込むことにできなかった公子をあきらめ、片岡は祥子と駆け落ちをする。失恋したのはヒロインであるのに、なぜか自分が失恋したような気になり、むなしい気分になった。それにしても、この小説には恋をあきらめた大叔母、恋人が戦死した叔母、自分が浮気をして一家心中をする隣人、浮気をしてしまったために子供を置いてたたき出されてしまうお向かいの家の二号さん 恋愛をめぐるさまざまに不幸な女性が描かれていてなかなか楽しかった。
| 2008年08月20日(水) |
諸田玲子著「木もれ陽の街で」途中 |
図書館で借りた諸田玲子の最後の一冊。通勤に単行本を持っていくのは久しぶりだ。諸田玲子も現代物を書くらしい。もっとも舞台は戦後まもなくの東京であるが。ヒロインの公子は23歳。諸田玲子は私と同い年であるから、ちょうど母親の年代であろう。まだ父権が確立していた時代で、母親は娘たちの躾に心をくだいている。叔母からの見合いをことわったばかりの公子であるが、ある日恩師の家で甥だという画家に出会う。いきなり初対面で絵のモデルになってほしいと言われるが、真意が掴めずことわる。その後偶然の出会いから、美術展に行ったり食事をしたりと交際が始まる。なにかクラシックな雰囲気が好ましい。
| 2008年08月19日(火) |
諸田玲子著「恋ほおずき」途中 |
堕胎を専門とする医者である江与
| 2008年08月18日(月) |
諸田玲子著「犬吉」読了 |
夏休みを終わり、初出社のお供は 休暇前にルミネの書店で購入しておいたこの一冊。休み中は図書館で借りた単行本を読んでいたが、やはり列車通勤には文庫が楽だ。あまり期待していなかったのだが、なかなか面白かったし、主人公の通称「犬吉」にも好感が持てた。生類憐みの令で悪評の高い綱吉の時代、まさにそのお犬様の居住地である「御囲」での赤穂浪士討ち入りの日の出来事が描かれている。お祭りのように浮かれ騒ぐ中、お吉は通常通りお犬様の世話をするが、いつも近くには死んでしまった雷光という名の犬がはべっていてお吉の話し相手をしてくれる。このお吉を守ろうとして斬られた犬の話はひどく悲しい。お吉は生きていくために身売りをしているが、心は純粋で正義感と愛にあふれた女性だ。この事件を通して知り合う依田という武士に心引かれるが、事件解決後に家に来るようにと請われながらも結局は江戸に向かって歩き出すところでこの短編は終わる。 読後感は清清しかった。後書きに御囲が中野にあったと書かれていて、そこで初めてそういえば中野のクッキングスクールにたまに行っていた頃、綱吉の時代に由来する数匹の犬の銅像群があったことを思い出した。割と新しいものであったように記憶する。ところで、諸田玲子の経歴は見ないようにしていたのだが、ふと昭和29年生まれの上智大英文科卒であることがわかった。この「犬吉」の序文の部分にシェイクスピアの「マクベス」からの引用も頷ける。「明日、また明日、また明日と時は小刻みな足どりで一日一日を歩み、ついには歴史の最後の一瞬にたどりつく。(後略」懐かしい。 授業で習ったところだ。Tomorrow,tomorro,and tomorrow
| 2008年08月17日(日) |
夏休み2008年終了 |
諸田玲子で始まり、諸田玲子で終わった9日間の夏季休暇だった。
ところで、最近ECOの一環で?ブックカバーを愛用している。
書店のブックカバーも好きなので、断るのは少々残念な時があるが、このところ4,5枚布製のブックカバーを買ったので頑張って利用したいと思う。
| 2008年08月14日(木) |
諸田玲子著「天女湯 おれん」途中 |
天女湯と呼ばれている銭湯を経営しているおれんの日常が様々な事件を織り込んで綴られる。実は銭湯の裏家業もある。役人、商売敵、使用人との丁々発止のやりとりが楽しい。図書館で単行本を借りる。
| 2008年08月12日(火) |
諸田玲子著「氷葬」読了 |
とにかく凄惨な場面が続くが、生死ぎりぎりの場面での男女の愛が壮絶だった。結局、男は滝つぼに落ち、人妻であった女は、夫の許に帰り、8年の月日が流れる。ある日、死んだと思った男と出会う。男の目は、8年前に女が大怪我をした右手に移り、女もそのことに気づき手を上げてみせる。二人はそのまま何事もなかったかのように、すれ違っていくが なんかこの終わりがとても良かった。 諸田玲子はほのぼの系もよいが、こういった話もうまいと思った。
| 2008年08月11日(月) |
諸田玲子著「こんちき」読了 |
9日間の夏休みに入り、毎日掃除洗濯の日々。読書をしている時間がなくなった。やはり私には通勤時間は貴重なひとときだ。それにしても、あと一話で読了の割に本を開くことがなく過ぎてしまったのは、この瓢六物語、ちょっと人情味に溢れすぎてしまい、現実よりはファンタジーになってしまったからかもしれない。最終話は特に、狐が人助けのために人間に化けてきたかのように話がまとめられている。 それはそれで良いのだが....。
| 2008年08月09日(土) |
諸田玲子著「こんちき(瓢六捕物帖)」途中 |
先週、図書館で諸田玲子を探したときは通勤のお供として、文庫本のみ対象としていたが、今日から9日間の夏季休暇。のんびり家でも読もうと単行本を探す。10冊以上並んでいて喜ぶ。さすがにお鳥見女房の最新刊はなかったが、3冊ほど面白そうなものを選んで借りてきた。 図書館のカフェにて今日はブルベリーヨーグルト味のソフトクリームをチョイス。夏の間に7種類あるソフトクリームを制覇するつもりか?(先週はマンゴー味だ)
| 2008年08月08日(金) |
諸田玲子著「あくじゃれ(瓢六捕物帖)」読了 |
図書館で借りた一冊。取り調べの場面から始まる。定廻り同心・篠崎弥左衛門と博打で捕まった瓢六。緊迫した場面であるにもかかわらず、瓢六は芸者お袖との逢引を妄想している。この同心が主人公であろうと思っていたら読み進めていくうちに瓢六にスポットライトが当たっていることに気づく。思い当たって表紙を確認すれば確かに瓢六捕物帖と副題がついている。この瓢六の前身は長崎の地役人で唐絵目利き、阿蘭陀通詞を務めていたという才人である。本物と贋物を見分ける能力は唐絵だけに発揮されるのではなく、人間を見分けることもできる。 この能力に目をつけたのが弥左衛門の上司、菅野一之助で、やせぎすで色白の品の良い顔立ちと書いてある。弥左衛門は角張った顔のいかにも融通のきかないタイプらしいし、瓢六は26歳、眉目秀麗ということで、この3人の対比も面白い。瓢六は事件が起こるたびに牢獄から娑婆に出されて解決に才能を発揮することになる。初め反目しあっていた弥左衛門と瓢六も共に事件に当たっているうちに互いに人柄に惹かれていき、やがて弥左衛門は恋の指南役としても瓢六を頼りにするようになる。弥左衛門は、妻を病気で亡くして以来、独り身を通しているが、姉の政江が何かと縁談を持ってきてうるさい。仕事のため、すっぽかしてしまったお見合いでも姉に言われ、相手の親に謝りに行くが、反対に大喧嘩になる始末。おまけに帰り道に、見合い相手であった八重に遭遇し、その純真な姿にすっかり恋に堕ちてしまう。八方塞の中で、弥左衛門が悶々とする姿も笑える。 帰りに瓢六シリーズ第2巻、「こんちき」(あくじゃれ瓢六捕物帖)を新宿ルミネの書店にて購入。帰りの京王線でお味見。 面白そうだ。 明日から9日間の夏休みということで、夜、北京オリンピックのオープニングを見ながら、Mixiにて諸田玲子のサイトを見つける。
| 2008年08月05日(火) |
20080805諸田玲子著「幽恋舟」途中 |
なにやら女がお白州で取調べを受けている凄惨な場面から小説は始まる。これはあくまで序であり、やがてのんびりした中川舟番所の勤務風景から始まる。杉崎兵五郎という47歳になる舟番所に勤める御番衆である。退屈きわまる日々の勤めが続くある日、1艘の舟を見つける。たけという17歳の娘とその女中つるの二人が乗っていた。二人を家に連れ帰った兵五郎は、いつしか親子ほど年齢の違うたけに惹かれるようになり、もしかしたら母、祖母同様にいつか乱心するのではないかと不安を訴えるたけのために、いろいろと調べだす。ここに友人として奉行所の大島が登場する。このたけの母が序の部分で白州で裁きを受けていたふじである。まだ途中であるが、今後の展開が楽しみだ。
| 2008年08月04日(月) |
諸田玲子著「誰そ彼れ心中」読了 |
さわやかな慕情から始まった小説だったが...。題名を忘れて読みふけっていたが、最後に心中場面。旗本である向坂家に嫁いだ瑞枝は、舅、姑、小姑とうまくいかずにこの3年間を過ごしてきたが、唯一便りにすべき夫宗太郎に最近違和感を感じている。 小者である小十郎からほんの疑惑であるが...と打ち明けられるに至って、瑞枝の疑いがどんどん大きくなっていく。身の回りで起こる小動物の残虐な死。実は宗太郎は 双子の兄に殺害されて 無名の墓に埋められていた。その事実を知りながらも お家のために偽の宗太郎を盛り上げている家族。ついに瑞枝は小十郎と出奔するが...。シリーズ物ではないが、奉行所勤めの草花が好きな大島は次に読んだ幽恋舟にも出てきたから一連の小説集なのかもしれない。心中などせずに逃げおおせて幸せになれば読後感も良かっただろうにと、最近ハッピーエンドが好きになった私は思うのだが、それではこの標題が使えないだろう。
| 2008年08月03日(日) |
諸田玲子著「鷹姫さま」読了 |
お鳥見女房シリーズ 3作目。読了後すぐにネットで調べたが、4作目はまだ単行本しか出ていないらしい。 とにかく読みやすいし、なかなか感動的でもあり、当分諸田玲子で楽しめそうだ。 家族の問題が少しずつ解決し行く様子が良いし、何と言っても一家をまとめている珠世が明るくてよい。3作目は次女君江の祝言で終わっている。長男久太郎を見初めた「鷹姫」も次回からはかなり登場してくるのではないか。展開が待ち遠しい。 図書館から昨日借りてきた諸田玲子の「誰そ彼れ心中」を読み始める。 この人の小説はとにかくすっとその世界に入っていけるのが良い。
| 2008年08月02日(土) |
図書館に行く 諸田玲子他 |
2週間遅れで本を返しに行く。読んだのは諸田玲子のお鳥見女房くらい。でも大きな収穫であった。ついシリーズの2,3作目を買ってしまったが、幸い図書館になかったのでほっとする。買った本や借りた本はその時の心身のバロメータだと思うので(と言うか、そう思いついたときは心のバロメータだったが、体調もかなり影響する年齢になってきた)借りた本を列挙。小林秀雄著 栗の樹、村上春樹著 遠い太鼓、諸田玲子 幽恋舟、誰そ彼れ心中、氷葬、保坂和志著 明け方の猫、草の上の朝食。 まあまあの心身状態か。全部文庫本なのは、荷物の重さを相変わらず気にしているため。 ところで19:00頃に図書館から電話。またしても図書カードを自動貸出機に置いてきてしまったらしい。「すみません、私、常習犯なんです..」とつい、電話の向こうの人に頭を下げてしまった。