| 2004年08月27日(金) |
「ダンテクラブ」を購入 |
朝日新聞社内の旅行代理店にチケットを買いに行ったついでに「ダンテクラブ」を購入。(あとで知ったが、この日に発売されたらしい) ダン・ブラウンも脱帽と書いてあったため、2500円という高価さにもたじろぐことなく即レジに持っていった(というか、やはり勤務時間帯だということに対する私の真面目さの証拠ということか)
とにかく読みにくい。登場人物の名前の印象が妙に似ていて誰が誰だったかすぐにわからなくなる。 おまけに...これは買った当初から思ったことだったが、私はダンテの「神曲」の豪華大型本をいつかの夏に買いながら 何度か挑戦しつつも結局地獄から這い出せないうちに放り出していた。 でも、まあ世界中の一体何人が神曲を読んだというのだ。 きっとそんな本は読んでいなくても楽しめるに違いない。 そんな感じだったのだが、何ページか読むうちに、さりげなく入っている神曲からの引用に(私が読んだ地獄編からだったのでわかったのだが....読んでいなくてもこれくらい有名な箇所なら誰だって知っているだろう) それでもやっぱり100%この小説を楽しむには神曲を読むしかない!!そういう結論に至った私はそれからの一週間、わけのわからない世界にじっと耐えたのだった。(ダンテクラブは、神曲に心酔している人々の話なのだ。こんなことでよいのだろうかと思わずにいられない) それはともかく、私を数年ぶりに地獄から天国に引き上げてくれたのはこの本だという言い方は許されるだろう。
| 2004年08月26日(木) |
丸谷才一「輝く日の宮」読了 |
感想は、貸して下さった会社の人へのお礼メールをそのまま引用(会社から家に転送しておいたもの)
ご出張お疲れ様でございます。 ご本、たいへん面白く読ませていただきました。
まずページをめくれば、妙に懐かしい少女小説の世界で (幼少時代に叔父の昭和初期の文学全集を読まされました) すっかり全編これかと うきうきと読んでいましたら いきなり、現代に引き戻されました。
この短編小説は単なる寅さん映画の導入部分のようなものかと 思へば後々までも微妙な影響を及ぼしているのが なんとも ミステリー仕立てで面白かったです。
学説として発表すれば、その道の権威を筆頭にその一派からボコボコに されそうな発想も小説と言うことでしたら なんでもOKということで 丸谷才一氏がこの10年に思いついたあれこれを嬉々としてこの本に 詰め込んだような感じで、書いていても楽しかったのではないかと思います。 (昔、梅原猛が 山岸涼子の漫画「日出ずる処の天子」の帯に 漫画家は自由に物が書けてうらやましいと書いてありましたが 当時、なにを書いても叩きのめされていた人ならではの 言葉だと思った記憶があります)
「女ざかり」を発表してから10年と書いてありましたが ちょうど秘書室の忘年会かなにかで、小寺専務がお読みになっていて 「変な小説ではないんですよ」とおっしゃり(題名のせいでしょうか) 「私も読みました」などという会話をしたのを思い出しました。 一行も思い出せないのですが、主人公の女性は 安佐子に良く似たタイプの ジャーナリストだったような気がします。
で、前置きが長くなりましたが、これも、読んでいますと やたらに昔のことを思い出させる本であるということかもしれません。 「奥の細道」は、旅立ちのところをはじめ、何箇所か中学の頃に 覚えるように言われて必死になって記憶したのですが 後遺症のようにいまだに断片が残っておりまして 大江戸線で 大門駅を通ると、必ず「大門は一里こなたにあり」という平泉かどこかの 一節を思い出します。 「百代」はやっぱり「ハクタイ」でないと気分が出ないとか、道長が 一巻丸々文学的な理由で抹殺したと言う説はやはり腑に落ちないとか いろいろとつっこみながらも、文法から本居宣長の説を確証するところは 「おおっ!」と思ったり 紙が非常に価値のある時代だったことに 気づかされたり 更級日記の少女が「源氏物語」の噂を聞いて 読みたくてたまらないと書いていたのを 高校時代に、ある意味うらやましいと おもったことを思い出したり (ここで更級日記でよかったかどうかが不安になりインターネットで 調べてみましたら こんなHPがありまし た。http://www2s.biglobe.ne.jp/~Taiju/sara_ncr.htm#01 便利な世の中に なったものです。 更級日記の筆者はびっくり仰天することでしょう。)
なんだかんだとたいへん面白く興味深い小説でありました。 (ここまで文学の世界に浸っていたらやはり安佐子は結婚できないかも しれません。)
と、いうことで金曜日にお返しに伺います。 短歌の方は、やっぱり小説好き人間なものですから 途中まで読みながら 後回しにしてしまいましたが 短歌を書きとめながら読ませていただいています。
この夏は、面白い新刊を(ただで!!)堪能させていただきましたこと 厚く御礼申し上げます。引き続き読書の秋もよろしくお願いいたします。
| 2004年08月18日(水) |
松本清張「砂の器」上下巻読了 |
先週の土曜日に、浜川さん、市川さんと会った時に品川プリンスホテルのくまざわ書店にて購入。年初に日曜劇場で中井正弘主演で連続ドラマになっていたが、その時にまだ読んでいなかったと思いつき、書店に行ったが売り切れだった。 もっと重厚な推理小説だと思っていたのだが、偶然があまりに多すぎる。一番のけぞったのは、犯人が証拠となる血染めのシャツを「海に捨てても、土に埋めても人に見つからないという保障はない」というりくつで、中央線の車窓からちぎって捨てたりするだろうか。 かなり驚いた。 しかし、時代背景は非常にうまく描かれている。私も昭和20年代生まれであるから、なつかしい時代的雰囲気に浸りこんでしまう。 高度成長と戦後の貧しさの隣り合わせになった時代。 最後になって主役だと判明した新進音楽家の栄光と挫折はあまりに悲しい。 これを中井氏が演じていたのだ。 読み終えて、すぐに同期に貸した。
| 2004年08月16日(月) |
芥川賞受賞作「介護云々」を読む |
夏の風物詩とも言うべき芥川賞受賞作を文芸春秋にて。 最近の流行なのか、ぐちゃぐちゃした文体だ。しっちゃかめっちゃかだ。 それでも、祖母の介護に全身全霊を注いでいる主人公にはやはり清清しさを覚える。 主人公は無責任にも客観的立場をとっている叔母に怒りを感じているが、なかなか実の両親の介護には微妙なものがあることには気づいていないらしい。孫くらいになれば、かえってさばさばしていてよいかもしれないと思った。
以下、時々本をお借りしている会社の人へのメールより
今回の芥川賞は、現代の若者と介護と言う 一見妙なとりあわせでありましたが 主人公の神妙な心持が とりあえず清清しかったです。 で、考えたのですが、現在若者からは介護保険を徴収いませんが 一昔前の徴兵制度のようなもので、1年くらい老人介護のための 期間を義務付けるのはどうかとか、もっと大昔の租庸調いずれかのように 厚生年金保険料を支払うことができない若者は使役を義務付けたらよいのでは ないかと思ったのでありました。 情操教育にもなりますし、一石二鳥ではないでしょうか。 是非国に提案したいものですが、近所の若者に暗殺されるかもしれません。
先日いずれお貸しくださるかもしれないとおっしゃっていた ご本はいかがでしたか? 是非お借りいたしたくよろしくお願いいたします。 現在、「砂の器」を読んでいなかったことに気づき、今上巻を読んでいるところ です。
重厚な推理小説だとばかり思っていたのですが、証拠の血染めのシャツの処理に 困って「土に埋めても、海に流しても」 絶対に見つからないという補償は ないという理由で、切り刻んで列車の中から吹き飛ばすという暴挙?にでたり 探していた東京の一人暮らしの女性が、実は刑事と同じアパートに住んで いたとか、あまりにつっこみどころ満載で、びっくりいたしました。 先日TVドラマになっていましたが、脚本次第では現代にも通用するのかも しれません。 ただ、昭和の風俗史としては非常に楽しめるものだと思いました。
それではお忙しいところ、長々と失礼致しまし
| 2004年08月07日(土) |
パソコン「知の工房」のつくりかた |
1994年に発刊された本。本棚から取り出して寝転がって読んでみるが、あまりの古さに驚く。日記にも書いたが。 MS DOSの世界だ。
| 2004年08月01日(日) |
青木 玉著「小石川の家」を読み終わるところ |
とにかく装丁がきれいなのだ。 何年か前に書店で見たときも、それだけの理由で買おうかと思ったくらいだ。それっきりになっていたが、先週新装開店の蔦屋で購入。緑の木々と枝の合間からのぞく青空がとてもあっている。
で、著者は幸田露伴の孫娘だ。ということは、冒頭の離婚した母に連れられて祖父の家を訪れるくだりのこの母とはあの幸田文なのだろう。 幸田文には特別な思い入れがある。高校の時に講演会に来たからだ。 あのころは楠本健吉もやはり講演に来た。覚えているのは遠藤周作と名前は忘れたが美人作家をはさんで三角関係だった話で盛り上がったくらい。 で、幸田文は、非常に印象的だった。小柄で丸顔、かわいい感じの中年女性で着物姿で演台に現れたと思う。杉の若芽の話をしていなかっただろうか。老木が朽ちて倒れていた跡に、その形に添って生えていた新芽のことを。あと、老木を鋸で挽くときに、ひねこびたところを切るときは、ぎいっと音をさせてたいへんだという話。どれも人間におきかえての話をしていたように思う。結構覚えているのは、後年教育テレビに出てきて同じ話をしていたからだ。そのときは杉の木の映像つきだった。非常に情熱的な語り口は忘れられない。その後小説を何冊か読んだ。一番印象的だったのは「黒い裾」。恵まれない生い立ちの女性が、争議の手伝いを通して自立する姿を描いていた。ほかには「おとうと」。映画も見た。 不良化して行く弟を止められなかった主人公にもどかしさを感じたのをよく覚えている。今ならわかる。人間にはどうしようもないことがあるのだ。どうあがいても運命に手繰り寄せられるような。 8月7日に読了。
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